宮城県でまだ自閉症への理解が十分に広まっていなかった1995年に発足し、仙台市内で重度知的障がい・自閉症の方々に対する支援を行っています。
福祉に携わる人も、自閉症の子どもがいる家族も「自閉症は親しか見られない」と半ば諦めていた当時。希望するサービスが受けられず、「利用できる福祉の場がないなら、自分たちで作るしかない」と重度の知的障がいや自閉症のある人たちの家族が自ら立ち上がり、募金を募りながら若林区河原町で小規模作業所「南材ホーム」を運営したのが始まりです。さらに将来を見据え、利用者たちが住まう家を用意しようと1998年に障がい者支援施設「ひかり苑」が開所しました。暮らすのは地域社会で生きるのが難しい重度の障がいのある人たちです。そういった人たちの生活の質を上げ、一人一人の個性を尊重し、"利用者と利用者"または"支援員と利用者"といった「人同士の良い出会い」を体験できる場を提供しています。
支援員は一括りに「障がい者」として利用者を見るのではなく、人と人としての交流を目指すことでお互いにとって良い関わり方や経験ができる職場となっています。
障がい者支援施設「ひかり苑」では自閉症・知的障がいというハンディキャップのある人が生活しやすい場所を提供しています。1人の時間を十分に取ることができ、コミュニケーションが苦手な人も落ち着いて生活ができるよう個室を完備。自閉症のある人は些細な変化に敏感なため、祝日を問わず月〜金曜を平日、土曜・日曜を休日として同じスケジュールで生活します。
ユニット制を採用し、約10人の利用者を1ユニットに振り分け、同じメンバーで活動します。支援員は1ユニットを4~5人が担当し、交代制で2人ずつ付きます。ユニット制を取ることで同じメンバーと一緒に生活できるため、利用者の精神の安定につながります。また、支援員にとってもユニット内で情報共有をしたり、利用者一人一人を長期的な目で見ながら対応を考えたりできるのが利点です。新人の支援員には1カ月ほど先輩が指導をするほか、1ユニットごとに支援員をまとめるスーパーバイズが付くため、しっかりとしたフォローを受けられます。少人数な事業所ですので、業務上で疑問に感じていること、悩んでいることなど積極的に意見交換をするようにしています。1人で考えていては、なかなか突破口が見えないことでも、人に話すこと、聞いてもらうことで、少しずつ見えてくるものがあります。
また、仙台市第二自閉症児者相談センター「なないろ」では北部発達相談支援センター・南部発達相談支援センターと連携して、行動面で難しさを抱える発達障がい児者(自閉症児者)を対象に支援を行っています。訪問等による各種相談支援や、研修における人材育成、普及啓発等に取り組んでいます。
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谷藤亮さん(支援員7年目/ひかり苑)
三浦浩美さん(入社16年目/ なないろ)