
【文例あり】採用・不採用通知メールの書き方
採用活動における業務のひとつである採用連絡メールでは、内定通知や不採用連絡までさまざまな内容を応募者に送る必要があります。
メールの内容次第で企業の印象が変わるため、内定承諾率を左右する重要なものです。
この記事では、採用連絡メールの重要性や必要なマナーと、採用連絡メールに盛り込むべき具体的な内容について紹介します。
この記事の目次
採用の連絡メール対応で企業の印象が変わる
採用連絡メールの対応力の高さは、企業の印象アップにつながる大切なものです。ここからは、採用連絡メールがなぜ企業の印象を左右するのか、メール対応の重要性について紹介します。
レスポンス(返信)スピードは特に重要
採用活動において、連絡メールのレスポンススピードはとくに重要です。他社の求人に人材が流れてしまうのを防ぐためにも、可能な限り24時間以内には返信するようにしましょう。
また、就業時間内に送ることも大切です。早朝や深夜などは「その時間まで働いている人がいる企業」という印象になる恐れがあるので注意してください。
土日祝日を挟む場合は、次の営業日中に返信する旨を求人に記載しておくと親切でしょう。
連絡メールのレスポンスが早い企業は、仕事が早い・応募者を大切に扱ってくれているという印象を与えるので、早めに返信することが大切です。
メールからも人柄がわかる
採用連絡をメールで行う場合、声や表情から感情や相手の人柄を判断することができないため、文面はていねいに作成する必要があります。
一緒に働いてみたいと思ってもらえるような文面になっているかチェックし、好印象につながる対応を心がけましょう。
横柄な態度であったりテンプレートだけの単調な文面になっていたりすると、場合によっては選考や内定辞退につながる恐れがあるため注意が必要です。
転職先の候補として検討してもらえる可能性も
採用連絡のメールを送る際にていねいに対応することで、たとえ入社につながらなかったとしても将来転職先の候補に検討してもらえる可能性があります。
内定辞退だけでなく不採用通知も同様で、スキルを身につけたら再チャレンジしたいと考える応募者がいるかもしれません。
採用連絡メールの対応次第で、将来的に中途採用時の潜在層になる見込み数を増やすことにつながるため、メール対応はとても大切なものだといえます。
採用連絡メールにおけるマナーについて
採用連絡メールを作成する際には、いくつかのマナーを意識する必要があります。
・24時間以内に返信し、遅れる場合は期日を明記する
・会社の代表であることを意識して対応する
・日時や採用可否などはわかりやすく記載する
・応募者の都合にも配慮する姿勢を見せる
・不採用の場合、理由は記載しない
・返却書類は郵送する
・場合によっては電話も利用する
・エージェントを通した場合は必ず報告する
基本的にはていねいな対応を心掛けていれば、それほど難しい工夫は必要ありません。しかし、対応ひとつとっても入社すべきか判断する要素になることを意識しておきましょう。
不採用の場合も、悪い印象を与えないように、ていねいな対応を心掛けたいところです。一般的にはメールのみの対応でも失礼にはなりません。しかし、急いで連絡しなければいけなかったり、不採用によってトラブルが起こる可能性があったり、謝罪が必要だったりするときは、電話の利用も検討しましょう。
とはいえ、応募者が電話での連絡を望まない場合もあります。現在の勤務先に隠して応募しているときなどです。面接の際に電話が可能な曜日や時間帯を確認しておきましょう。
また、たとえ電話で連絡しても、メールを同じ内容で送信するのがおすすめです。文面で残しておけば、確かな証拠になります。
なお、応募者に不採用の理由を伝える必要はありませんが、エージェントを利用している場合は、エージェントへの報告義務があります。応募者が不採用になったことや、その理由を速やかに報告しましょう。
採用通知メールのテンプレート文例
採用連絡メールで記載すべき項目は、件名・挨拶・本文・結びの挨拶・署名などです。挨拶に応募者の名前を記載しておくと、自分宛のメールだと認識できて丁寧な印象を与えられるため、記載しておきましょう。
また、担当者の所属と名前を名乗ることも大切です。「採用担当です」という文言だけでは、相手からの信用が得られなくなる可能性があります。
ここからは、採用連絡メールのテンプレートとして活用できる文面の例について紹介しますので、参考にしてみてください。
新卒の採用通知メール
件名:【株式会社〇〇】面接選考結果のご連絡
〇〇様
お世話になっております。
株式会社〇〇の採用担当〇〇です。
先日はお忙しいところ、当社の面接にお越しいただきまして、誠にありがとうございました。
選考の結果、〇〇様を採用とさせていただくことに決定いたしましたので、お知らせいたします。
つきましては、入社にあたり当社にご提出いただく書類を本日郵送いたしましたので、◯月◯日までに同封の返信用封筒でご返送くださいますよう、お願いいたします。
今後の予定につきましては、○年○月○日に内定式、◯年◯月◯日入社式の実施を予定しております。詳細は後日メールにてご連絡いたしますので、今しばらくお待ちください。
なにかご不明な点がありましたら、担当の○○(電話〇〇-〇〇・メール〇〇@〇〇.com)までご相談ください。
○○様と一緒に働くことを社員一同、楽しみにしております。
どうぞよろしくお願い致します。
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署名
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新卒向けには内定式や入社式、研修など今後の予定について触れておくとよいでしょう。
中途の採用通知メール
件名:【株式会社〇〇】面接選考結果のご連絡
〇〇様
お世話になっております。
株式会社〇〇の採用担当〇〇です。
先日はお忙しい中(雨の日は足元の悪い中、など)弊社の面接に来社いただきまして、誠にありがとうございました。
選考の結果、〇〇様を採用とさせていただくことに決定いたしましたので、お知らせ致します。
〇〇様にはぜひ弊社で尽力いただきたいと書類選考時より感じておりましたので、私自身大変嬉しく思います。
入社までの今後の流れにつきましては、別途送付させていただきます資料をご確認ください。
なにかご不明な点がありましたら、担当の○○(電話〇〇-〇〇・メール〇〇@〇〇.com)までご相談ください。
採用選考にあたり、度々お時間をいただきまして誠にありがとうございました。社員一同、〇〇様のご入社を心よりお待ち申し上げます。
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署名
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応募者を大切に思う気持ちや一緒に働きたいと思っていることを伝え、内定後の書類や手続きにスムーズに移れるように案内を添えましょう。
アルバイトの採用通知メール
件名:【株式会社〇〇】面接選考結果のご連絡
〇〇様
お世話になっております。
株式会社〇〇の採用担当〇〇です。
先日はお忙しいところ、当社の面接にお越しいただきまして、誠にありがとうございました。
選考の結果、〇〇様をアルバイト従業員として採用することに決定しましたので、お知らせいたします。
入社日は◯年◯月◯日(曜日)を予定しておりますが、ご都合はいかがでしょうか。
◯月◯日までに、お電話もしくはメールでご連絡いただけると幸いです。
ご都合が悪い場合は調整いたしますので、ご遠慮なくお申し付けください。
当日は下記に記載の物をご持参の上、
指定の集合場所へご出勤くださいますようお願いいたします。
持参物:(詳細を記入)
なお、期限までにご連絡がなければ
採用を取り消す場合がございますのでご注意ください。
〇〇様のご連絡を心よりお待ちしております。
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署名
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アルバイトの採用連絡メールは、採用通知と同時に、入社日を調整したい旨を盛り込みましょう。さらに、当日の持参物や集合場所を本文や別紙に記載しておくと親切です。
不採用通知メールのテンプレート文例
不採用通知は、応募者を傷つけないように配慮し、応募や選考に参加してくれたことへの感謝を盛り込んでおきたいところです。面接まで進んでいたのであれば、応募者の好印象だった点などを記載しておくと、不採用であったとしても心のこもった採用連絡メールになるでしょう。
なお、不採用通知であっても「不採用」という言葉を使うと失礼です。「採用を見送る」など、違う表現に置き換えましょう。件名にも「不採用」と入れることはせず、結果の連絡であることがわかるように記載します。
書類選考での不採用通知メール
件名:【株式会社〇〇】面接選考結果のご連絡
〇〇様
お世話になっております。
株式会社〇〇の採用担当〇〇です。
この度は、弊社にご応募いただき、誠にありがとうございました。
ご提出いただきました履歴書をもとに選考を進めさせていただきましたが、残念ながら今回はご希望に沿えない結果となりました。
誠に恐縮ではございますが、何卒ご理解の程お願い申し上げます。
〇〇様の今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
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署名
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面接後の不採用通知メール
件名:【株式会社〇〇】面接選考結果のご連絡
〇〇様
お世話になっております。
株式会社〇〇の採用担当〇〇です。
先日はご多忙の折、弊社の面接に来社いただきまして誠にありがとうございました。
厳正なる選考の結果、誠に残念ではございますが今回は採用を見送らせていただく判断となりました。
ご希望に沿えず大変申し訳ございません。
面接担当の〇〇より、〇〇様の〇〇なところに非常に熱意を感じたと伺っております。弊社の要望である〇〇が、〇〇様のご希望される〇〇に沿えないと判断した次第であり、弊社の力不足を誠に申し訳なく思います。
最後に、今回の選考にあたり〇〇様を担当させていただき、私自身とても有意義な時間となりました。弊社といたしましても、今回の選考結果を踏まえ、より一層会社として努力させていただきます。
選考に際し、何度も貴重なお時間をいただきましてありがとうございました。〇〇様の今後ますますのご活躍を心よりお祈り申し上げます。
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署名
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不採用を取り消すときのメール
件名:【株式会社〇〇〇〇】再選考のご連絡
〇〇様
お世話になっております。
株式会社〇〇の採用担当〇〇です。
先日は、弊社の求人にご応募いただき、誠にありがとうございました。
実は、以前ご応募いただいた職種で増員が必要となりました。
〇〇様のご都合がよろしければ、ぜひ再度お話させていただきたく、ご連絡いたしました。
ご多忙の折大変恐縮ですが、もしお話の機会を設けていただけるのであれば、ご連絡いただけると幸いです。
なお、すでに他社にてご活躍の場合は、ご容赦願います。
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署名
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一度、不採用にしたあとに再度選考したい場合は、誠実な対応が必要です。メールだけでなく電話でも連絡したり、フォローしたりすると、文面だけよりも気持ちが伝わるでしょう。
採用連絡の課題
採用連絡メールにおけるマナーや文例について理解したところで、ここでは採用連絡の課題について見ていきましょう。
応募者とのコミュニケーションに時間がかかる
応募者とのコミュニケーションは時間がかかる一方で、確実に採用につながるわけではありません。とはいえ、採用業務においてコミュニケーションコストを減らすことは、なかなか難しいでしょう。
そして、優秀な人材を獲得するためには、応募者へのていねいなフォローは欠かせません。また、採用活動では、社内での連携も必須です。普段それほど連絡を取らない部署とも、こまめに連絡を取る必要があるでしょう。
採用業務では普段以上にコミュニケーションに対する労力や時間がかかりやすく、通常業務に支障をきたすおそれがあるのです。
新しい取り組みになかなか手が出ない
従来の採用手法を見直し、新たな試みを取り入れる際、想定よりも多くの手間が生じます。
面接の回数を増やす、広告を打つ媒体を増やす、新しいエージェントと提携する、こうした取り組みはすべて採用担当者の業務負担の増加につながります。
また、いずれの施策も即効性があるわけではありません。ある程度の結果が得られるまでは時間がかかります。
成果が出るまでの間、トライアンドエラーを繰り返す必要があるほか、ここでもコミュニケーションコストが生じます。
新しい取り組みを講じる際は長期的な視点で考えることが大切です。
採用連絡をスムーズにするには
ここでは、採用連絡をスムーズに行うための方法を3つ紹介します。
応募者への対応スピードを上げる
コミュニケーションコストの削減が課題だと先述しましたが、まずはツールを用いて応募者への対応スピードを上げることから始めましょう。
具体的には応募者からの連絡に対し、自動的にメールが送られる仕組みを整えるなどです。レスポンスを自動化することで工数を減らし、業務効率化を図れるほか、応募者の関心低下を防げるでしょう。
また、面接日程の調整は早めに済ませるとともに、面接官のスケジュールを常に人事部内で共有しておくことも大切です。
採用代行サービスの利用
採用面接にかかる時間を削減するには、「採用代行サービス」の利用を検討するのもひとつの手です。
採用代行サービスではエージェントとのやりとりや日程の管理だけでなく、面接の代行もしてくれます。
採用のプロが面接を代行してくれるため、自社で研修をする必要がないほか、採用基準に適した人材を効率的に確保できます。
ただし、エージェントとのすりあわせが必要となるため、打ち合わせはある程度余裕をもって行いましょう。
ITシステムの導入
下記のようなITシステムを活用することで、採用業務にかかる工数を減らせます。
・オンライン面接ツール
・採用管理システム
「オンライン面接ツール」とは、いわゆるビデオ通話ツールのことです。応募者とオンライン上で面接を行うことで、担当者と応募者両者の負担軽減につながります。
「採用管理システム」とは、採用業務のサポートに特化したシステムのことです。開発元によって機能に違いはあるものの、応募者データや面接日時の管理、応募者とのやりとりなどをシステム上で行い、採用活動の効率化が図れます。
採用管理システムには、TalentClip(タレントクリップ)をご活用ください。
TalentClipでは応募者対応はもちろん、応募者情報の一括管理ができます。そのため、企業側からターゲットに対してアプローチする採用方法にも応用が利くでしょう。
また、豊富なテンプレートから気に入ったものを選択するだけで簡単に自社の採用ホームページを作ることも可能です。
募集や選考、応募者対応や採用後のフォローまでまとめて効率化するための手段として、ぜひこの機会に検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回の記事では、採用連絡メールの重要性やマナーを紹介しました。
メールは内容次第で企業の印象を左右する一方で、ひとつひとつ作成するには多大な労力と時間を要します。そのため、個々に合わせたメール対応をするには、業務の効率化が必須です。
今回お伝えしたアドバイスを元に、今一度自社の体制を見直してみましょう。