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採用コストを効果的に削減するためにできる7つの方法

2023年3月22日

昨今、会社が優秀な人材を確保するためには、高い採用コストが必要になっているといわれています。

しかし無駄なコストが多ければ、人材確保のために会社の負担は増える一方です。少しでも採用コストを削減したいと考える企業も多いでしょう。

厚生労働省が2021年に公表した、採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査内の「人材サービスを利用するに当たっての不安」の設問に対して、全体の87.9%が「料金の高さ、利用に掛かるコスト」と回答しています。多くの企業では人材サービスが重要なことは理解しているものの、採用コストの増大を懸念しています。人材確保のためにも、現状の採用コストを把握し、適切な取り組みを行うことが必要です。

そこで今回の記事では、採用コストを適切に削減するためすべきことを紹介します。

採用コストを削減する前に見直したいところ

採用コストを安易に削減しては、人材確保できる可能性が減るリスクもあります。

「採用コスト」とは、企業が求める新しい人材を採用するために必要な費用のことです。広告費や紹介料、人件費などの採用活動にかかるコストが該当し、採用に至るまでにはさまざまな費用が必要となります。

削減を実施する前に、まずは現在の状況を正しく把握してコストの見直しを行いましょう。

採用コストの全体像をチェックする

採用コストは「外部コスト」と「内部コスト」の2種類に分けられます。それぞれを分けて考えることで全体像を把握していきましょう。

外部コスト

・求人広告費

・人材紹介費

・パンフレット制作費(外注) など

採用活動に関わる業務のうち、社外のサービス利用や業者委託など外部に依頼して発生するコスト全般を指します。

外部コストは金額が高くなるケースが多く、特に求人広告の費用は高額になりやすいでしょう。

ほかにも、会社説明会やセミナーを行うために借りた会場費なども対象となります。

内部コスト

・人件費

・応募者の交通費 など

社内で発生するコストを意味し、採用担当や面接官など、主に社員が行う採用活動に対する費用といえるでしょう。

それ以外にも、応募者に対して交通費を支給している、内定後は親睦会を行っているという場合の費用も内部コストに含まれます。

この外部・内部コストをそれぞれ算出し、実際にどの程度の費用が何にかかっているのかをチェックしましょう。表にまとめると見やすくなりおすすめです。

一人当たりの採用コストをチェックする

具体的に採用コストをチェックするためには、一人を採用するまでに発生する費用を数値化すると分かりやすくなります

算出方法は以下の計算で簡単に行えますので試してみてください。

【一人の採用コスト=全体の採用コスト÷採用した人数】

たとえば、100万円の費用をかけて4人を採用できた場合は、25万円=100万円÷4人という計算ができます。

この算出方法は、内部と外部のコストを合算しても行えますが、求人広告や人材紹介などを利用している際は、依頼した会社ごとに一人当たりの採用コストを計算すると良いです

複数の会社を利用しているときには、下記のようにExcelなどで表を作成すると結果を比較しやすく、成果によって依頼先の見直しもできます。

会社名 応募者 面接数 内定数 入社数 費用 採用単価
A社 80 20 3 0 100万円 ×
B社 20 4 2 1 80万円 80万円
C社 60 15 4 2 80万円 40万円

このような結果が出た場合、A社は多くの応募者と面接人数が確保できるものの、採用には至らず高額な費用が発生するために見直しが必要でしょう。

また、B社とC社は同じ費用ですが、入社人数の違いから一人当たりの採用単価が大きく違います

そのため、採用コストの高いB社も見直しの対象となるかもしれませんが、人材の質によっても判断が必要になりますので、自社との適正を慎重に見極めることも大切です。

採用コストを見直し削減する8つの方法とポイント

ここからは、採用コストを削減する方法とポイントについて具体的に解説します。

1.求人広告媒体を費用対効果の高いものに絞る

求人広告は媒体ごとに特色があり、新卒採用に強いところや中途採用に力を入れているところなどさまざまです

ある職業や年齢層、地域に特化している媒体などもありますので、利用する際は自社に適している会社かを調べる必要があります。ネットや資料を確認する以外にも、直接担当者に聞くことでより具体的な情報を得られるでしょう。

【ポイント】費用対効果の高い求人に力を入れる

すでに求人広告を利用している場合は、前述したように媒体ごとの採用コストを計算することで見直しを行ってください。成果が出ていない会社の費用を削減し、効果的な会社を集中して活用することによって採用の効率を高めることができます

適切な求人媒体が利用できれば、コストパフォーマンスが高まり、採用活動が効率化されて費用の削減にもつながるでしょう。

たとえば、自社採用サイトで求人を募集して、応募者を募ることで広告費用を抑えられます。
採用サイトは、従業員へのインタビューを通して、自社の業務内容や社風、人間関係を発信することに役立ちます。求職者が入社後のイメージがしやすくなり、会社の魅力も伝えやすくなります。

加えて、SNSを活用することで、情報を拡散でき求職者との距離が近くなります。SNSでの情報発信は即日効果が出るわけではなく、コツコツと行っていくものなので時間はかかりますが、続けていくことで求職者との信頼を築けます。

【ポイント】効果的な運用ができているかも確認

求人広告は媒体ごとに特色があり、新卒採用に強いところや中途採用に力を入れているところなどさまざまです。

ある職業や年齢層、地域に特化している媒体などもありますので、利用する求人広告の媒体選びは大切ですが、広告を運用する側の取り組みも同じように重要です。広告といっても、一度掲載すればそれで終わりというわけではありません。

掲載する求人原稿は、企業側が伝えたい内容のみを発信するような、一方的な求人にならないように心がけましょう。求職者の目線に立ち、会社の事業やサービス、給与形態についても分かりやすく伝えることが大事です

情報が古くならないように、原稿の修正や改善などを定期的に更新して運用を続けることが、成果にもつながります。

職種や業種によって違いはありますが、中途採用であれば夏と冬のボーナス時期が転職を考える人が増える傾向にあります。そのため、この時期に広告を出すと効果が得られやすいと言われています。

また、ダイレクトリクルーティングなどを行い、候補者へ直接アプローチすることも重要で、媒体内で自社の評価を高めるきっかけにもなります。

当然、評価の高い企業の方が広告の効果も高まりますので、求人広告媒体を利用して効果的な採用を行うためには、適切な運用の継続が必要です

2.選考プロセスを最適化する

より良い人材を見極める選考プロセスにおいては、特に面接に時間がかかりやすく、スケジュール調整や面接官の確保と教育などにも労力がかかります。

面接対象者となる求職者が多すぎる場合は書類選考でなるべく絞り込むと良いでしょう。そして、一度の面接の質を上げることによって、より良い人材の選考がしやすくなりコスト削減にもつながります。

近年は、動画をもちいて面接を実施するところもあります。企業側が準備した質問に対して、応募者が動画で答えるという、海外で活発に取り入れられているスタイルです。

時間や場所を選ばず効率的に選考が進められるというメリットがあり、今後は日本でも増えると予想されますので、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

【ポイント】見直すべき工程を確認

選考プロセスは各工程を確認することでも効率化が図れます。

面接においては評価基準を統一しておくことが大切です。重視するポイントが明確であれば、面接官ごとの判断の差を少なくでき、選考を効率的に進められます。評価のバラつきがある場合は、ターゲットやペルソナの見直しが必要でしょう。

また、ターゲットを明確化しておくと、求職者に対して発信すべき情報も具体的になります

特に採用サイトに含まれるコンテンツを見直すことで、どのような人材を求めているか、自社の魅力や雰囲気などをターゲットに伝えられるため、低コストで効果的なアピールが可能になるでしょう

離職率を下げることも、採用コスト削減としてはとても重要です。新入社員をしっかりとフォローできる体制になっているかを見直すことで、早期退職を減らし、企業の成長にもつながります。

3.採用サイトを活用する

近年の求職者は、応募先の情報をできる限り集めて判断する傾向にあり、企業の採用サイトも情報収集として活用されています

特に企業理念や社風、職場の雰囲気が自分に合っているかを調べる際に使われることが多くあるため、企業側はそれらが伝わるようなコンテンツを準備しておかなければなりません

採用サイトで情報発信を行い、求職者に対して効果的なアピールができれば、求人応募への意欲にもつながるでしょう。

さらに、採用サイトで十分な効果が得られれば、求人広告の出稿を減らせるためコスト削減にもなります

【ポイント】効果的な運用のコツ

採用サイトは、基本的に求職者が気になる企業を検索することで認知されるため、単体で認知度を高めることは難しいです。

そのため、企業サイトや求人媒体と連携させ、より多くの求職者の目に止まるようにしましょう。さらに、SNSなどを活用した宣伝を行えば、より知名度を上げることが可能です。

ただし、採用サイトも求人広告と同様に、その都度効果検証を行いながら改善を繰り返すことが重要になります

4.採用管理システムを活用する

採用活動を実施する担当者は、中小企業の場合は兼任となっていることも多く、激務状態です。また、専任を準備すると人件費がかかるため、予算を圧迫することもあるでしょう。

これら採用担当者の状況を改善するためにも、採用管理システムの導入をご検討ください。採用に関わる業務を一元管理できるため、効率的に採用活動が行えるようになります

採用管理システムを選ぶポイントとしては、連携機能やフォロー体制があることが重要です。

求人媒体と連携し、採用に関するノウハウが提供されるシステムを利用することで、応募者の獲得にもつながりやすくなります

採用業務の効率化を目指すならTalentClip(タレントクリップ)がおすすめです。

多彩な機能を搭載したオールインワン型の採用管理システムで、応募者を効率良く集められ、簡単に応募者のデータベースを作成できます。

応募者との対応や面接日程の調整も一括で管理できるため、採用担当者の負担を大幅に軽減でき、特に内部コストの削減につながるでしょう。

採用活動でお悩みの方はぜひ採用管理システムをご検討ください。

5.リファラル採用を導入する

リファラル採用とは「社員や近しい人物からの紹介により人材を採用する」採用方式のことを指します。リファラルには、英語で「紹介する/推薦する」という意味があります。

リファラル採用は、社員の紹介による推薦という点から、縁故採用とも似た側面があります。しかし、リファラル採用と縁故採用の大きな違いとして、「選考プロセスの有無」が挙げられます。また、リファラル採用は、会社のことを理解した社員が人材を紹介してくれることから、「ミスマッチのリスクが低い」のが特徴です。

リファラル採用は、求人広告など外部サービスに頼らず採用活動が進められるため、費用が大幅に抑えられて、採用プロセスの簡略化にもつながるのが特徴です。

6.採用マーケティングに積極的に取り組む

採用マーケティングとは「入社したいと思わせる仕組みを作ること」を指します。求人サイトを使わず、自社サイトやSNS、ブログツールなどを使い「自社の社員の働き方」や「特定の業種に向けたスキル・ノウハウ」を発信するなど、手法は多岐にわたります。

7.内定辞退者を減らす

内定辞退者を減らすことも、採用コストの見直しのひとつです。内定を出したものの、入社直前で辞退した場合は採用計画に影響が出てしまいます。さらに、新たな人材探しに向けてコストがかかります。入社日まで気を抜かずにフォローを行い、内定辞退者をできる限り減らしましょう。

内定辞退者を減らす方法は、大きく分けて3つあります。

・選考に社内見学を取り入れる
社内見学を取り入れることで、求職者自身に会社で働く姿をイメージしてもらえます。

・結果は可能な限り早く連絡する
採否の連絡を先延ばしにせず、可能な限り早めに伝えましょう。「採用の本気度」が求職者に伝わります。

・内定者フォローを行う
求職者は内定が決まった後も、入社日まで不安な気持ちで過ごしています。そのため、内定者を放置せずに、こまめなフォローを行いましょう。内定者は、入社日までの不安を解消できます。

8.オンラインツールの利便性を活用する

オンラインツールを採用活動に活用することで、内部コストを削減できます。たとえば、会社説明会や面談・面接など物理的な会場や場所が必要になる採用活動にかかる人的工数が減らせます。

また、会社説明会を動画にして公開し、求職者の都合で閲覧できるようにすると、これまで採用活動に関わっていた人的工数や業務工数を削減できます。

動画を制作するにあたり、一時的に制作費用はかかります。とはいえ、閲覧してくれる求職者数が多ければ多いほど、内部コストの削減を図れる点も大きなメリットです。

まとめ

今回は採用コストの削減について解説しました。

売り手市場の現代で、優秀な人材を確保するためには採用コストや労力が多く必要になっています。

少しでもコストを抑えるためには、外部・内部コストをしっかりと見直して、ミスマッチを防ぎながら効果的な採用活動を行うことが大切です。

採用業務を効率化することで、採用活動の質が上がりコスト削減につながるでしょう。

 

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