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ミドルシニアとは

ミドルシニアとは?人材市場で求められる背景

2023年2月28日

近年、定年を迎えても働く意欲の高い人材が増えています。自社の労働力不足を解消するために、ミドルシニア層の雇用を検討している企業も多いでしょう。

ただし、ミドルシニア人材の採用にはいくつかの課題があります。今回は、ミドルシニア人材の採用を成功させるための施策について解説していきます。

ミドルシニアとは

人材市場においては、年齢をいくつかの段階に分けることがよくあります。主にヤング・ミドル・シニアの3段階に分けることが多く、このうちミドルシニアというのは、ミドル世代とシニア世代のことです。中高年層と呼ばれることもあります。

具体的な年齢としては、ミドル世代とは35~54歳まで、シニア世代は55歳以上を指すことが多いです。ただし、ミドル世代もシニア世代も、明確に定義付けられているわけではありません。媒体によって差があり、60歳以上をシニア世代と呼ぶこともあります。

ミドルシニアといった場合には、おおむね40代から60代を指すものと捉えて良いでしょう。

ミドルシニア人材が求められる背景

現在、ミドルシニア人材の採用に力を入れている企業が増えていますが、その背景として次のようなことが挙げられます。

人材不足の解消につながる

少子高齢化の影響により、日本全体の労働人口が減少しています。売り手市場で応募者を獲得できず、十分な労働力を確保できない企業も多いです

また、若手社員を確保できても、長く働いてくれるとは限りません。ミスマッチなどの理由で早期離職する若手社員も多く、なかなか若い人材が定着しないのが実情です。

そのような中で、ミドルシニア層を積極的に採用しようという企業が増えています。ターゲット層を若年層だけでなくミドルシニア層まで広げることで、人材不足の解消につながることも多いです

即戦力として起用できる

中高年層の人はスキルや経験が豊富で、管理職や専門性の高い職種などを任せられる人も多いです。若年層の人を採用する場合と比べて、育成するのにコストも時間もかかりません

また、これまでの経験や人脈などを活かして即戦力として働くことも可能です。人手不足で教育コストに余裕がない企業にとって、このメリットは大きいでしょう。

イメージアップによる採用効果を期待できる

これまでの応募枠に加えて新しい年齢層の人材を採用する場合、社内制度の見直しも必要です。ミドルシニア層を採用する場合は、定年の引き上げや時短勤務の導入なども検討できます。

このように、多様な人材を受け入れて社内制度を柔軟に改革していける企業は、「社員の個性を重視する企業文化がある」という印象を持たれるでしょう。

社外へ積極的にアピールすれば、企業のイメージアップが実現するだけでなく、採用効果も期待できます。人材不足によりミドルシニア層の採用を検討している企業にとっては、大きなメリットとなるでしょう。

シニア層の受け入れに際して導入をおすすめする制度や評価基準については、記事後半で説明しています。

助成金を受けられる可能性がある

シニア層の雇用整備は厚生労働省でも推進されており、高齢者雇用をする企業へ、一定の条件で助成金による支援を行っています。

65歳以上の人材雇用に関する助成金のコースは、以下の3つです。

・65歳超継続雇用促進コース
・高年齢者評価制度等雇用管理改善コース
・高年齢者無期雇用転換コース

65歳超継続雇用促進コースについては現在新規申し込みを終了していますが、安定的に支援を継続できる制度へ見直す方針を発表しています。

受給要件や支給額について、詳しくは以下サイトをご覧ください。

「65歳超雇用推進助成金」(厚生労働省)

ミドルシニア人材採用における2つの課題

ミドルシニア人材を採用する際には、次のような課題も認識しておく必要があります。

こだわりが強いことが敬遠される

ミドルシニアの人の多くは、これまでほかの職場で長く働いてきた経験があります。それまでのやり方が染み付いており、仕事の手法や組織文化など、新しい環境に適応していくことが難しい場合もあります

若年層と比べて職場に溶け込みにくい傾向も強いです。自分の価値観に固執することで、職場の考えややり方に馴染めないというトラブルが起きることもあるでしょう

ミドルシニア本人のモチベーションが低い

ミドルシニアくらいの年齢だと、終身雇用制度の中で安定して働いてきた人が大半です。そのため、自身のキャリアに責任を持つという意識が低い傾向にあります

また、以前の職場よりも給料が下がってしまう可能性にリスクを感じる人もいます。特に定年後の再雇用では、これまでと比べて大幅に給料が減額されることも珍しくありません。これにより、働くモチベーションが低下してしまうこともあります。

ミドルシニアの採用のポイント

ミドルシニア人材を採用する際には、次のようなポイントを押さえておきましょう。

ポータブルスキルを重視する

ポータブルスキルというのは、別の職種や業種に転職しても通用する持ち出し可能なスキルのことです。たとえば、スケジュール管理能力やセルフマネジメント能力、コミュニケーション能力などが挙げられます

これらのスキルは汎用性が高く、どの職場でも役立つでしょう。採用時にポータブルスキルを重視することで、即戦力となる人材を見つけやすくなります。

柔軟な働き方を可能にする

ミドルシニアの中でも比較的年齢の高い60代の場合、プライベートを大事にする人も多いです。すでに年金を受給している人もいるでしょう。そのため、60代くらいの人には、短時間勤務も人気です

また、フレックスタイム制など柔軟な働き方ができる制度も整備すると良いでしょう。プライベートを重視するミドルシニア層の応募者が集まりやすくなります

リカレント教育をサポートする

リカレントというのは生涯を通して学習を続ける考え方のことです。ミドルシニア層の人は経験や知識が豊富ですが、新しい組織で活躍するには新たに学ばなければならないこともあるでしょう。リカレント教育を実施することで、自社で活躍するための必要なスキルを身につけてもらいます

たとえば、資格取得サポートやミドルシニア向けのゼミの受講機会の提供などです。これまでの知識や経験だけに頼らず新たなスキルを身につけることで、本人にとっても働きやすい環境になるでしょう。

中長期的なキャリアデザインの機会を設ける

キャリアデザインというのは、今後の目標やその達成に向けた職業人生を計画することです。

ミドルシニアの中には、年齢を理由に自分の可能性を閉ざしてしまっている人も少なくありません。その結果、モチベーションが下がってしまっている面もあるでしょう。

キャリアデザインにより、自分のスキルや強みなどについて再認識することで、新たな可能性に気づくきっかけになります。老後の不安解消に役立つことも多いです。

面談を実施し組織内での役割を伝える

ミドルシニアの社員と定期的に面談を実施し、組織内の役割や期待を伝えましょう。そうすることで、組織から必要とされているという実感を促せます。これまでの具体的な成果などがあれば、それを称賛するのも効果的です。これにより、仕事へのモチベーションを高められるでしょう。

採用管理システムを導入する

採用活動をサポートするシステムを利用すれば、質の高い人材を探せてミスマッチの回避にも役立ちます。効率良く採用活動を進めるなら、採用管理システムのTalentClip(タレントクリップ)がおすすめです。

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まとめ

ミドルシニアは人材市場において主に40代~60代のことを指し、経験豊富で即戦力になることが多いです。人材不足解消のために、ミドルシニアの採用を行う企業も増えています。しかし、こだわりの強さやモチベーションの低さなど、扱いづらい面があるのも実情です。

そのような課題克服のため、リカレント教育のサポートやキャリアデザインの機会を設けるなどの対策が必要となります。うまくサポートすることで、若手以上の活躍が期待できるでしょう。

 

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