採用力をクリエイトするメディア

採用管理システムとは|導入することで得られるメリット

2023年3月6日

採用活動に関わる業務が増えたので、採用活動を効率化できるようにしたいと考えている採用担当者も多いのではないでしょうか。採用活動の効率化なら、採用管理システムの導入がおすすめです。この記事では、採用管理システムとは何か、メリットと選び方も含め解説します。

採用管理システムとは

採用管理システムとは、採用活動を管理、サポートするシステムのことです。ATS(アプリカント・トラッキング・システム)と呼ばれています。

採用管理システムで管理できる項目は、以下のとおりです。

・求人情報の管理
・応募者情報の管理
・選考状況の管理
・内定者の管理

上記のように、採用管理システムは、採用に関連する業務、情報を一括管理できるシステムです。管理するだけでなく、必要なときに数値化した評価や選考の進捗などを社内に共有できます。

採用管理システムの種類

採用管理システムには大きく分けて「クラウド型」「オンプレミス型」の2種類があります。ここでは、それぞれの採用管理システムについて詳しく解説します。

クラウド型

クラウド型は、オンライン上のサーバーで提供されているサービスをインターネット接続によって利用する形態です。サーバーを自社で用意する必要がなく、インターネット接続ができる環境であればどこでも利用できます。

クラウド型を利用するメリットは、導入費用や運用コストを抑えられることです。また自社でシステム構築や管理が不要なため短期間で導入できます。アップデートに関しても、開発元が法改正に合わせて都度アップデートや機能を追加してくれる点も魅力です。

クラウド型は初期費用を抑えてスピーディーに導入したい企業、サーバー構築や保守運用のリソースがない企業に向いています。

オンプレミス型

オンプレミス型は
自社でサーバーや通信回線、システムを構築して運用する形態です。「プレミス(Premises)」には「構内」や「建物」などの意味があり、「オンプレミス(On-Premises)」には「構内で(システムを)利用する」という意味合いがあります。

オンプレミス型はシステムカスタマイズの柔軟性が高く、独自のシステム構築ができる点が大きなメリットです。自社のネットワークで利用するため、セキュリティ面も強化できます。ただし、クラウド型と比べると準備や時間などコストがかかるのが難点です。

オンプレミス型はサーバーを持っている企業や、システム構築・保守運用ができる企業に向いています。

採用管理システムで管理できる項目

採用において企業側が把握しておくべき情報は、大きく分けて4つです。これらはすべて採用管理システムで管理できます。

求人情報の管理

採用管理システムを利用することで、企業が求職者に公開している情報を管理することができます

以下の求人情報をまとめて管理することで、自社の採用状況を把握しやすくなります。

・求人情報
・採用予定人数
・採用が必要な部署
・求める人材像
・募集期限や求人情報を公開した媒体名
・媒体数 など

導入するシステムによっては、自社の採用ページと他社媒体の求人情報を同時に管理することも可能です。

応募者情報の管理

企業は、求職者の履歴書や職務経歴書といった個人情報も管理しなくてはなりません。ただし、取り扱いには最大限の注意を払う必要があります。

採用管理システムなら、事前にこうした情報にアクセス権を設定し、閲覧者を制限することができます。同時に、情報漏洩の防止も可能です。

選考状況の管理

採用管理システムでは、求職者ごとに選考状況を把握できます。求職者の選考段階が一目でわかるようになれば、先を見据えて採用活動を進められます。

また、筆記試験や面接での評価を確認できるため、採用の合否を決める際の判断材料となるでしょう。

評価は言語化・数値化できるので、面接官の視点に左右されやすい評価基準も客観的に確認でき、社内での共有もスムーズに行えます

システムによっては、選考日程の調整や採用の合否通知も行えるため、応募者とのやりとりもスピーディーに対応できます。

内定者の管理

採用管理システムなら、自社に内定した求職者に対し内定通知だけでなく、内定後のフォローも行えます。こうしたフォローやサポートを充実させれば、求職者の内定辞退を減らす効果にもつながるでしょう。

また採用管理システムによっては、専用のコミュニケーション機能を提供しているものもあります。内定者ブルーなど、心理的サポートを目指すものもあり、より多岐にわたったコミュニケーションを実現できます。

下記では人事担当者に向けた採用管理システムの機能を解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

【人事担当者向け】採用管理システムの機能を解説」

採用管理システムを導入するメリット

採用管理システムを取り入れることにどのようなメリットがあるのでしょうか。

採用スピードが上がる

採用活動の一つひとつのプロセスを重ねていくと、思ったよりも工数がかかることがあります。採用管理システムはシステム内で一括管理できますので、これまで要していた工数を減らすことが可能です。効率良く回せるようになることで、ムダな工程や手間も省けるでしょう。

結果として、採用管理システムを取り入れることで選考スピードが上がります。採用までの期間が空くと、内定を出した応募者が辞退することもありますので、選考が早く進むのは内定を出した人材をつなぎとめることにもなるでしょう。

さらに、システムで効率化することによって、応募者をじっくり見極めたい面接などに時間を使えるようになるのもポイントです。このように、採用管理システムを取り入れれば、全体的に効率の良い採用活動が実現します。

情報の取得・共有・更新がしやすくなる

採用管理システムを導入していない会社は、採用担当者が面接後の評価を手書きしたものをExcelに打ち直して情報を共有しているケースも多いでしょう。しかし、それでは手間や時間がかかります。

情報を一元管理できる採用管理システムを導入すれば、共有に手間をかけることなく、業務効率もアップします。

また、情報の属人化防止にも効果的です。応募者情報はシステムに自動で登録されるため、管理画面にアクセスすれば必要な情報をすぐに確認可能です。人事担当者だけでなく、ほかの社員もアクセスできるようにすれば、フィードバックや情報の共有がスムーズに行えます。

また採用管理システムでは、応募者の応募経路や選考状況もすべて可視化されます。「応募者がどのような人材なのか」「誰が担当しているのか」といった情報を誰でも把握できるのです。これにより「採用担当者に聞かないと状況を把握できない」といった情報の属人化を防ぐことにつながります。

採用コストの削減につながる

採用管理システムの導入には一定のコストがかかりますが、使い方次第ではそれ以上にコストを削減できる可能性があります。

採用活動における情報管理が一元化されると、面接の案内や合否通知などもまとめて行えるため、作業工数の削減になります。

たとえば、応募者とのやりとりを手動で行っていたのを、自動返信メールの機能を使えば、採用担当者の作業工数が減り、結果的にコスト削減につながるでしょう。

また、採用にかかるコストの中で、最も割合を占めているのは求人広告の外注費用です。しかし、採用管理システムの中には、自社で採用ページを作成できる『採用ページ作成機能』がついているものもあります。

この機能を活用できれば、外注に頼らず自社の採用ページから募集をかけ、応募者数を増やすことが可能です。これにより、求人広告費の削減も期待できます。

さらに、採用率や内定の辞退率の可視化もメリットのひとつです。採用率、辞退率から求職者の行動傾向を分析することは、自社の公開情報や面接対応を見直すきっかけにもなります。

小さなミスを防ぐことができる

採用活動を書類で管理している場合など、常に見えない状態にあると、そのつど状況を資料などから確認する必要があります。状況が見えない状態では、応募者からの連絡を見逃したり、一部に必要な連絡が漏れていたり、といったことになりかねません。

採用管理システムは、システム上で一括して応募者の状況や進捗を確認できるため、連絡漏れなどのミスを防ぐことができます。また、システム上にあるデータは共有できるため、担当者間の伝達漏れも防ぐことができるでしょう。

このように、採用管理システムは、担当者間の連携やミス防止などに役立ちます。

採用のミスマッチを防げる

求職者の情報をデータ管理することで、応募者の傾向や辞退傾向などの情報が把握できるようになります。例えばどの業種を志望したか、なぜ内定後に辞退されてしまったのかなど、具体的なデータを確認して、分析に役立てられるのです。

応募者の傾向を分析し、自社の採用施策を見直すことで、採用におけるミスマッチを減らすことができます。

また施策の効果がチェックできるようになるため、求職者にとって効果的な施策の傾向をつかむことができます。データを利用すれば、求める人材を獲得しやすくなるでしょう

応募者のデータが資産になる

採用管理システムに蓄積された応募者のデータは、採用にまで至らなくても、企業の資産になります。企業オリジナルの応募者情報は、媒体ごとの採用率など分析に使えるためです。その年だけでなく、次の年の採用にも活かせます。

蓄積したデータを活用することによって、自社にはどのような人材が合っているのか、どのようなアプローチが有効か、採用活動の見直しにもなるでしょう。

採用管理システムを導入するデメリット

採用管理システムにはメリットがあるものの、導入にはリスクも伴います。導入前の検討段階で、デメリットをしっかりと把握しておきましょう。

導入や運用にコストがかかる

採用管理システムには『オンプレミス型』と『クラウド型』の2種類があり、それぞれ導入費用や時間が異なります。仮に自社にマッチしていないシステムを導入した場合は費用対効果が悪くなるため、ムダなコストが発生することも考えられます。

また、導入後にスムーズな運用を行うためには事前教育やサポート体制は必須です。採用管理システムの導入コストは、システムそのものの購入・運用費に加え、従業員の教育費もかかることを念頭に置きましょう。

システムの操作に慣れるまで時間がかかる

採用管理システムにはサイトの作成、求人媒体との連携・効果測定、個人情報や先行状況の管理など、採用活動には欠かせない機能がそろっています。しかし、それぞれの機能の使い方を理解しなければ、スムーズに運用するのが難しくなるでしょう

運用までに必要な操作を覚えるには、ある程度の時間を要します。システムを導入する際はその点も踏まえて、導入費用を費用対効果が上回るかどうかを慎重に吟味しましょう

採用管理システムを選ぶ際のポイント

採用管理システムのメリットを紹介しましたが、採用管理システムといってもさまざまなものがあります。複数のシステムから自社に適したものを選ぶにはどのような部分に注目すると良いのでしょうか。採用管理システム選びの4つのポイントを紹介します。

自社が求める機能が備わっているか

採用管理システムにあらかじめ用意されている採用フローは、自社の採用プロセスと完全に一致しているわけではありません。自社システムに取り入れたい機能が、採用管理システム側に用意されていないことも考えられます

こうした事態を防ぐには、システム導入前の確認が重要です。導入によって解決したい課題を洗い出し、課題を解決するための機能を過不足なくリストアップしていきましょう。

また採用管理システムには、無料でトライアルできるものもあります。資料を読むだけでなく、実際に使ってみて、自社のフローとマッチするかを確認しましょう。

担当者にとって使いやすいシステムであるか

採用管理システムは採用活動の効率化につながると説明しました。しかし、操作性が良くなかったり、使いにくかったりすると、かえって採用業務に時間を要することとなります。

採用管理システムのメリットである効率化を実現できるようにするためにも、使いやすさに注目してみましょう。システムを利用する機会の多い担当者が使いこなせるようなシステムがベストです。

できるだけ複雑なシステムは避け、シンプルで使いやすい採用管理システムを導入するようにしましょう。

セキュリティ対策が整っているか

採用管理システムでは、応募者の個人情報も取り扱います。個人情報の流出がないように、採用管理システムを選択する際は、セキュリティ対策が十分かどうかも確認しておきたいポイントです。セキュリティ対策ができているかどうかは、以下を参考に判断すると良いでしょう。

・SSLによる暗号化通信が使われているか
・不正ログイン防止のため監視が行われているか
・プライバシーマークの取得などがあるか
・データのバックアップが適切に行われているか

ほかのサービスとの連携機能が付いているか

採用管理システムは単体でも便利ですが、すでに利用しているサービスや利用を検討しているサービスと連携できれば、さらに業務を効率化できます。

たとえば、メールやチャットなどの応募者とコミュニケーションが取れるサービスと連携できれば、状況が把握しやすくなり、やり取りもスムーズになるでしょう。

求人サイトと連携できるシステムであれば、求人媒体の情報も管理できるようになり、効率的に採用活動を進めるのに役立ちます。どのようなシステムと連携できるかも、ぜひ確認しておきたいポイントです。

採用活動の効率化のために採用管理システムの導入を考えているなら、TalentClip(タレントクリップ)を検討してみてはいかがでしょうか。TalentClipなら、以下のような点でメリットがあります。

・求人メディアWorkinとの連携で採用の効率化が可能
・求人情報が検索できるIndeedやGoogleしごと検索と連携できる
・テンプレート付きで採用ページの作成が簡単にできる
・応募者情報を一括管理して入社後のフォローにも役立つ

TalentClipについて詳細を知りたい方は、以下よりお問い合わせください。

タレントクリップのご相談、お問い合わせはこちら

なお、以下の資料では、求人広告の作り方や採用活動に役立つノウハウも紹介しています。こちらの情報もぜひご覧ください。

サポートがしっかりしているか

採用管理システムでは導入後のアフターフォローを実施しているシステム提供会社が多くありますが、サポートの品質は会社によってさまざまです。自社の目的や用途に合ったサポートをしっかりしてくれる会社かどうかは、選ぶ際の基準にしましょう。

サポートがしっかりしていないと、「せっかく導入したのにスムーズに運用できない」といった事態に陥るかもしれません。結果的にExcelやGoogleのスプレッドシートといった従来の管理手法に戻ることも考えられます。

また、カスタマーサポート体制が整っているかも確認しておくと良いでしょう。

カスタマーサポートを利用することで導入のサポートだけでなく、採用管理システムを通じて自社に合った業務効率化や採用率アップのためのアドバイスをしてくれる場合があります。

会社によっては、対応をメールやチャットでのみ行っている場合もあります。それでも十分なケースもありますが、システム関連の導入に不安がある場合は、ビデオ通話や訪問サポートを行っているかも確認しましょう。

採用管理システム導入前に考えておくこと

採用管理システムを導入する前に、どのような目的で導入するかを明確にしておきましょう。クラウド型の採用管理システムであれば初期費用がほとんどかからず、安価で運用できます。しかし導入するとなれば、準備に手間やコストがかかるものです。

目的が曖昧なまま導入すれば、思うような効果が発揮できなかったり、効果を実感できなかったりすることがあります。まずは採用において、自社がどのような課題を抱えているのか洗い出しましょう。

以下のように、採用管理システムが必要な目的は会社によってさまざまです。

・面接日程やスケジュールといった選考状況を管理したい
・応募者の個人情報を一元管理したい
・採用人数や掲載媒体といった求人案件を管理したい

導入する目的を整理し、本当に必要なシステムなのか、どのような部分を効率化したいのかなどを検討する必要があります。

採用は企業の将来に関わる重要な活動です。自社に合った採用管理システムを選びましょう。

下記では採用管理システムを選ぶ際の基準や考え方について詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

採用管理システムで業務を効率化!比較するときの基準は?

まとめ

この記事で紹介したように、採用管理システムとは、採用活動に関わる業務や情報を一括管理できるシステムのことを指します。

採用管理システム導入のメリットは、採用活動の効率化やミスの防止、応募者データの蓄積により翌年以降の採用活動の見直しに役立てられるということ。採用担当者は、面接など時間をかけたい部分に力を注げるようになります。

採用管理システムにもさまざまなものがありますので、操作性やセキュリティ、連携機能など総合的に比較して自社に合ったものを選択するようにしましょう。

 

この記事をシェア:
採用トレンド