採用力をクリエイトするメディア

「オウンドメディアリクルーティング」のメリットや具体例を紹介

2023年2月2日

少子高齢化にともない現役世代の数が減少したことにより、採用市場では優秀な人材を確保しようとする動きが活発化しています。

そのような売り手市場において、他社との採用競争に勝つための手段としてオウンドメディアリクルーティングを取り入れている企業が増加しています。

オウンドメディアリクルーティングは、大企業でも実施が増えています。オウンドメディアリクルーティングを実践した企業の調査では、オウンドメディアを閲覧した求職者の定着率が高いというデータもあります。採用力を高めたいと考えている企業では、いち早く導入の検討を始めてはいかがでしょうか。

この記事では、オウンドメディアリクルーティングとはどのような採用方法なのか、メリット・デメリットや導入する際のポイントについて紹介します。

「オウンドメディアリクルーティング」とは?

近年、採用市場で注目されているオウンドメディアリクルーティングですが、具体的にどのような手法なのでしょうか。まずはオウンドメディアリクルーティングがどのような採用手法なのか、基本的な仕組みについて紹介します。

自社の採用サイトを活用して人材獲得を行うもの

オウンドメディアリクルーティングは、自社の採用サイトを活用して人材獲得を行う採用手法です。求人サイトや転職エージェントのような仲介サイトを介さずに、直接求職者に自社の強みをPRする手法で、自社ならではのPR方法を取り入れることができる点が大きな特徴です。

求職者に自社の経営理念や企業文化に共感してもらったうえで応募をしてもらうには、企業側から積極的に自社で働く魅力を伝えなければなりません。

オウンドメディアリクルーティングによって自社から積極的に発信することで、経営理念や企業文化に共感した「高付加価値人材」の採用に注力できます。高付加価値人材とは、業務に必要なスキルだけでなく価値観も自社とフィットして、活躍する可能性の高い人材のことです。事業を拡大していきたい企業では特に注目したいところでしょう。

SNSなどの自社アカウントを活用する採用活動も含まれる

TwitterやInstagram、YouTubeなどの企業公式アカウントから発信を行い、採用活動を行うのもオウンドメディアリクルーティングのひとつです。
認知度拡大のために採用広報を行ったり、会社説明会などのイベント告知を行ったりしながら、自社の採用サイトへの流入を狙う導線として活用することができます。

オウンドメディアリクルーティングの必要性

オウンドメディアリクルーティングの目的は、売り手市場の中でも優秀な人材を確保することにあります。近年は働き方の価値観やスタイルが多様化しており、企業の知名度や条件よりもワークライフバランスを重視する人が増えています。

インターネットやスマートフォンの普及により、誰でも手軽に多くの情報を得られるようになりました。同時に、求職者が求人に応募する前に企業の情報を調べることも一般的になりつつあります。企業のSNSやホームページなどは、求職者が企業文化や価値観、職場環境をチェックする判断材料でもあるといえます。

そのため、自社のホームページなどのオウンドメディアで情報発信をしていない会社だと、求職者は企業の情報を十分に得られず、求人サイトで気になったとしても応募候補から外れてしまうことがあります。求職者の興味、関心を引くために、今やオウンドメディアによる積極的な発信は欠かせません。

オウンドメディアリクルーティングのメリット

オウンドメディアリクルーティングには、メリットとデメリットがあるため、デメリットに対する対策を講じたうえで導入し、メリットの効果を最大化することが大切です。

オウンドメディアリクルーティングのメリット

オウンドメディアリクルーティングのメリットは、自社の魅力を最大限にアピールできる点です。社員のインタビューや一日のタイムスケジュールなど、一般的な求人サイトでは扱わないような詳細情報を載せることができます。

自社の魅力や企業が求めている人物像を明確に求職者に伝えられるため、入社後のミスマッチを減すことにもつながるでしょう。

また、採用サイトを見ている人には顕在的な求職者だけでなく、良い条件の企業がないかリサーチしているような潜在層もいるでしょう。企業の魅力を効果的に発信することで、将来的に応募を検討する可能性がある人材へもアピールすることができます。

さらに、採用活動におけるデータの蓄積や分析、ノウハウの蓄積にも効果的です。
オウンドメディアリクルーティングを行えば、流入経路やPV・応募数などの分析から、採用サイトを閲覧した人の流れなどを分析することも可能になります。

オウンドメディアリクルーティングのデメリット

オウンドメディアリクルーティングのデメリットとしては、以下の2点があげられます。

・効果が現れるまで時間がかかる
・初期費用がかかる

オウンドメディアリクルーティングでは、まず自社メディアを多くの求職者から認知してもらうことから始めなくてはなりません。自社メディアを認知してファンになってもらい、「ここで働きたい」と求人情報を調べる段階まで誘導する必要があります。

自社メディアは、作成すればすぐに効果を実感できるものではないため、中長期的に取り組むことが重要です。

また、自社メディアを一から作成する場合や、既存の自社メディアを充実させるためには、相応のコストが生じます。ドメイン取得費用やサイト作成費用の他、無料のSNSを活用する場合もアイコンなどのデザインを用意しなくてはなりません。

自社メディアの体裁が整った後も、運営や効果測定などの分析にノウハウと人的コストが求められます。

オウンドメディアリクルーティングを取り入れる際のポイント

オウンドメディアリクルーティングは、単純に自社メディアに採用情報を掲載するだけで実現できるものではありません。効果的に求職者の注目を集めるために、アプローチ方法やサイト作りを入念に計画することが求められます。

ここでは、採用活動にオウンドメディアリクルーティングを取り入れる際に意識すべき3つのポイントを紹介します。

採用したい人物像(ペルソナ)を明確にする

オウンドメディアリクルーティングのメリットを最大限に活かすためには、採用したい人物像(ペルソナ)を明確にすることが重要です。求める人物像が自社に興味を持つような情報は何か、どのようなアプローチが効果的かペルソナを軸に分析することで、発信すべき内容を絞り込むことができます。

情報発信の方法も、採用したい人物像に合わせて決定しましょう。たとえばSNSを中心に発信する場合、求める人物像が普段から利用しているサービスを活用する必要があります。近年はスマートフォンによるインターネット利用が一般的となっていますが、最も利用しているSNSは年齢層などによって異なるため、求める人物像に合わせて選ばなくてはなりません。

新卒など比較的若い層を狙うのであればTwitterやInstagramが効果的ですが、40代以上や中途採用を狙う場合は、Facebookなどがおすすめです。

自社ならではの魅力を発信する

採用サイトは、求める人物像など条件面の情報に加えて、自社に興味を持ってもらえるような情報を掲載しましょう。自社ならではの魅力を発信するために、以下のポイントを中心に採用サイトへ掲載する情報を決定します。

・経営理念
・各部門・各部署の魅力
・取り扱っている商品、サービスの特徴
・実際に働いている社員の声
・社員の1日のスケジュール
・オフィスの雰囲気

業務内容に不満がなくても経営理念や社内の雰囲気になじめないとなると、早期離職につながりかねません。経営理念や各部門、部署の魅力、取り扱っている商品、サービスの特徴について知ってもらうことは、入社後のミスマッチを防止するためにも重要です。

また、求職者の多くは応募先企業を決める段階で、自分がその企業で採用された場合の姿をイメージするものです。実際に働いている先輩社員の声や業務風景をインタビューや動画で伝えると、より働くイメージが湧きやすくなります。1日のスケジュール例を掲載しても良いでしょう。オフィスや現場など実際に働く職場の雰囲気も写真や動画で伝えることもおすすめです。

自社の採用サイトを充実させる

オウンドメディアリクルーティングを始める際は、自社の採用サイトを充実させることに注力しましょう。外部の求人誌や求人サイトと掲載する情報量に違いがなければ、オウンドメディアリクルーティングのメリットである自社の魅力を伝えることができません。

しかし採用サイトの作成経験が少ない企業の場合、他社へ外注するコストが気になるのではないでしょうか。より手軽な採用サイトの作成、運営には、TalentClip(タレントクリップ)がおすすめです。

TalentClipは採用活動に関する情報を一元管理できるツールです。求人サイト作成も可能で、用意した画像と文章をテンプレートに埋め込むだけで誰でも簡単におしゃれな求人サイトを作成できます。

他社に依頼する必要も、専門的な知識を身につける必要もありません。自社で作成・運営できることはコスト削減につながるうえ、自由に内容を更新できるメリットも得られます。

TalentClipは、採用サイト作成の他にも業務を効率化してくれる機能が豊富です。応募者ごとに対応の進捗が分かるため、選考がスムーズに進められたり、内定後のフォローを徹底して辞退リスクを軽減したりできます。

タレントプール機能で気になる人材や、条件が合わずに一度採用を見送った人材の情報を保管できる点も、TalentClipのメリットです。応募を待つだけではなく、積極的に優秀な人材にアプローチしたい方は、TalentClipの豊富な機能を活用してみてはいかがでしょうか。

オウンドメディアリクルーティングの具体例

オウンドメディアリクルーティングは具体的にどのようなことをすれば良いのでしょうか。ここでは、オウンドメディアリクルーティングの具体例を紹介します。

社員インタビュー

社員のインタビューを載せることで、どんな社員が働いているかが分かります。入社の決め手や仕事のやりがいはもちろん、1日の働き方をインタビューすれば、求職者は自分が働いている姿を想像しやすくなります。

新卒で入社した社員はもちろん、産休や育休を取得した社員や異業種から転職してきた社員など、さまざまな境遇の社員にインタビューするとバリエーションが豊かになり、より近い境遇の求職者に訴求できます。

経営者インタビュー

オウンドメディアで経営者の人となりや考えを伝えると、経営者の理念に共感できる人材を集めることができます。

経営者の考えや企業の方針に共感を持った人材を集めることは、入社後のミスマッチを防ぐことにつながります。
離職率が下がれば採用コストを無駄にすることもありません。

サービスや商品への想い

企業のサービスや商品へ込められた想いを伝えるのもオウンドメディアが適しています。
企業の商品やサービスのファンが求人に応募してくることも多いので、求職者の「就職したい」という想いを強くするためにも掲載してみましょう。

商品への想いを掲載する場合は、社員や責任者の目線で記載することがポイントです。

研修・教育制度

成長意欲が高い求職者は、企業の研修や教育制度にも興味を持っています。
入社後のキャリアアップをイメージしやすいように、どのような研修や教育制度があるか紹介しましょう。

特に新卒の場合は、新人研修の内容は気になるポイントです。入社してしっかり働けるか不安を抱えている人も多いので、研修や教育制度の内容が掲載されていれば、入社後の不安を解消できます。

研修や教育制度の掲載は見落としがちですが、きちんと忘れずに掲載しましょう。

社員の写真

文字だけでは伝わらないことも写真があれば伝わりやすくなります。
社風を伝えたい場合などは、社員の写真をたくさん載せると良いでしょう。

仕事中の写真はもちろん、プライベートの写真を載せることで、自由で社員の生活を重んじる社風が伝えられます。
また円滑な人間関係も写真があれば伝わりやすいので、社内の風通しの良さを伝えたい場合は積極的に写真を掲載しましょう。

まとめ

採用コストをかけて採用し、育成コストをかけて教育した社員が離職することは、企業にとって大きな損失です。そうした損失を防ぐためにも、オウンドメディアリクルーティングを活用しながら、より自社に見合った優秀な人材を確保しましょう。

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