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【採用担当者向け】製造業における人手不足の現状と対策とは

2023年3月3日

昨今、あらゆる業界で人手不足が課題となっています。製造業も例外ではなく、慢性的な人手不足に悩んでいる採用担当者もいるのではないでしょうか。

この記事では、製造業が人手不足に陥る原因を明確にし、製造業の採用を強化するための解決策を紹介します。自社の人手不足問題を解決したいと考えている採用担当者の方はぜひ参考にしてください。

製造業の人手不足の現状

製造業の若年就業者数は減少傾向にあります。製造業の人手不足が進む理由として、以下の3つが挙げられます。

・人口の減少
・高齢化の進行
・若年就業者数の減少

経済産業省の『第2章 ものづくり人材の確保と育成』によると、2002年には384万人いた製造業の若年就業者数が、2020年には259万人にまで減少しています一方、高齢就業者数は2002年に58万人であるのに対し、2020年は92万人に増加しています。

製造業における高齢就業者の割合は、2002年は4.7%であるのに対し、2018年は8.9%です。その後大きな変化は見られず、2020年は8.8%で推移しています。

少子高齢化による人手不足は、製造業に限った話ではありません。しかし高齢就業者数が増えている製造業において、今後高齢者層が退職すれば、さらなる人手不足が予想されます。

また、世間では女性の就労拡大の動きが見られるものの、製造業にいたっては大きな成果は見られていません。

出典:「第2章 ものづくり人材の確保と育成」(経済産業省)

【原因】製造業が人手不足に陥る原因

そもそも、製造業が人手不足になる原因は何なのでしょうか。主な原因として、次の3つが挙げられます。

・労働力人口の減少
・ネガティブなイメージ
・世代交代のタイミング

この項目では、これらを解説していきます。

労働力人口の減少

まずは、労働力人口の減少が挙げられます。少子高齢化に伴い、日本の労働力人口が減少し続けています。そして、東京への一極集中も人手不足の一因となっています。大学などへの進学を機に上京し、そのまま東京で就職する人が多いことも考えられます。

また、工場は地方や郊外にあることが多く、製造業における人手不足に拍車をかけているのではないでしょうか。

ネガティブなイメージ

製造業に対するネガティブなイメージが挙げられます。製造業は、一般的には「きつい・汚い・危険」の3Kのイメージを持つ人も一定数存在します。

きつい・・・早朝勤務や夜勤などのシフト制勤務や、受注が増加した際には土日出勤が必要になることなどが理由で、「きつい」というイメージを持たれてしまう場合が多いでしょう。

汚い・・・工場などがきれいに清掃・整理されていたとしても、製造工程で作業服や体などが汚れたりする場合もあることから、「汚い」というイメージを持つ人も多いかもしれません。

危険・・・工場で起こった事故の事例などがニュースなどで報道されることもあるため、たとえ事故防止を徹底していたとしても、「危険」という印象が強い可能性があります。

工場現場によって働き方は異なりますが、ネガティブなイメージが先行してしまい、敬遠されていることも考えられるでしょう。

世代交代のタイミング

中小企業や小規模事業者の経営者の平均引退年齢は、70歳といわれています。

経済産業省の調査によると、2027年までに70歳以上の中小企業や小規模事業者の経営者は約245万人になり、そのうち約半数は後継者が未定とのことです。

この結果から、若手・中堅層の人材だけでなく、経営陣や技能人材の確保もうまくいっていないことが示唆されています。

製造業は各企業の技術継承だけでなく、経験や知識も必須であり、経営陣や技能人材の確保は急務となっています。

出典:経済産業省:「中小企業・小規模事業者の生産性向上について」(経済産業省)

このように、製造業の人手不足の原因はひとつだけではありません。労働人口の減少や製造業へのネガティブなイメージ、世代交代などのあらゆる原因が重なり、人手不足が深刻化しているのです。

【解決法】製造業の採用を強化するには

採用担当者の方を悩ませているのが、「人手不足のなかでいかに採用を強化するか」という点ではないでしょうか。

この項目では、製造業の人材確保につながる施策例を紹介していきます。

・採用の幅を広げる
・労働環境の改善を行う
・AIやICTなどのシステムを導入する
・採用活動の見直しを行う

若年技術者の育成制度を整える

高齢化が進む熟練技術者の退職を考慮すると、若年技術者の育成が不可欠です。技術力の必要な製造現場では、熟年技術者の技術と経験に依存しやすく、業務が属人化する傾向にあります。

属人化を防ぐためには、熟練技術者のスキルを「見える化」することが重要です。例えば生産工程においてAIやloTを活用し、技術者の勘や経験を数値化してデータベースに蓄積する方法です。

ほかにも、「技術者の実際の動きを映像に残しておく」「人工知能に技術者の経験を学習させる」といった方法も良いでしょう。ベテラン技術者の動きを映像として残しておけば、研修材料としても利用できます。社内で活用すれば、教育コストも抑えられるでしょう。

いまでは少しずつ製造業のデジタル化が進んでいます。若年技術者の育成だけに限らず、省人化することで人手不足も解消できるでしょう。

採用の幅を広げる

まず、採用の幅を広げることが挙げられます。一般的に、製造業で採用する人材は男性が多かったかもしれません。そこから視野を広げ、女性や、技能実習制度を利用した外国人などを採用することが有効でしょう。

ただ、女性や外国人の採用をするという方針を決めるだけでは、人材はなかなか集まりません。採用の幅を広げるためには、雇用環境自体の整備が必要となるでしょう。

シニア層の再雇用制度の導入も、即戦力の人材確保に有効です。特にこれまで製造業に関わってきたシニア層を再雇用すれば、知識や経験に富んでいるため、自社の教育面での負担も軽減できるでしょう。

労働環境の改善を行う

次に、労働環境の改善を行うことが挙げられます。多様な働き方が求められる現在、「きつい・汚い・危険」といったネガティブなイメージを持たれがちな製造業は、ほかの業界と比べて労働環境の改善をより一層強化しなくてはなりません。

労働環境の改善例として、「従業員が希望する働き方に合わせ、出勤日や出勤時間に柔軟に対応する」「早朝勤務や夜勤などがある場合は、賃金にしっかりと反映させる」「従業員の体力的な負担を軽減できるような労働環境をつくる」「職場の衛生面の管理を見直す」などが挙げられます。

このような点を改善し、魅力的な労働条件を提示して製造業が持つハードワークのイメージを払拭できれば、応募数増加が期待できるでしょう。

また、仮に労働条件に魅力を感じて入社しても、短期間で離職することになってしまうと、採用活動を再度実施しなければいけません。これを避けるため、入社後のフォローも強化し、明確なキャリアパスなど設ければ、既存従業員の離職防止にもつながります。

AIやICTなどのシステムを導入する

次に、AI(人工知能)やICT(情報通信技術)などのシステムを導入することが挙げられます。AIやICTを一度導入すれば、業務効率化や生産性向上、人件費削減などが期待できるでしょう。

また、AIやICTなどの先端技術を導入すれば、ITツールなどの利用に慣れている若年層に興味を持ってもらうことにもつながるでしょう。

AIやICTの活用例として、以下の7つがあります。

・IoTカメラやセンサーをもちいて生産設備の監視・保守点検業務を省人化する
・AIロボットを導入し、生産ラインの業務を自動化する
・AIの画像認識により、目視での品質検査を自動化する
・AIによって受注数量を予測する
・需要予測および発注業務の工数を削減する
・加工図面から自動見積りを作成する
・生産加工の作業時間を予測し、工数を最適化する

このようにAIやICTを活用することで、製造業務におけるさまざまな課題を解決・サポートできます。しかし、コストの問題や技術者不足の問題から、国内の中小企業は設備のデジタル化が遅れ気味です。

とはいえ、
中小企業こそ得られるリターンは大きいため、人材不足に備えるためにも導入を検討すると良いでしょう。

採用活動の見直しを行う

最後に、採用活動の見直しを行うことが挙げられます。従来の方法で成果が出ないようであれば、新しい採用手法を取り入れることも大切です。

採用手法の例として、SNSやWebメディアを活用したPR活動や、自社で行う採用活動を外部企業に委託するアウトソーシングなどがあるでしょう。

SNSの多くは無料で利用可能なため、採用コストを削減できるという特徴があります。採用活動のすべてを自社で行うと従業員の負担が大きすぎる場合もあるため、アウトソーシングを利用することで負担を軽減できるでしょう。

また、自社で行う採用業務自体の効率化を図ることも重要です。採用業務の効率化ができれば、少ない時間とコストでより多くの人材に応募してもらえる可能性が高くなるからです。

しかし、採用業務の効率化はすでにできる限りしており、これ以上何をすべきかわからないという採用担当者の方もいるかもしれません。

そのような場合、TalentClip(タレントクリップ)をぜひご利用ください。TalentClipであれば、自社採用サイトの作成から応募者管理まで一元管理できます。採用業務を大幅に効率化でき、自社採用サイトも簡単に作成できるのが特徴です。

採用業務の効率化に悩んでいる採用担当者の方は、ぜひご検討ください。

 

また、採用活動に役立つ情報も以下に掲載していますので、チェックしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

労働力人口の減少や製造業に対するネガティブなイメージなどが原因で、製造業が人手不足に陥っています。製造業の人手不足を解決するには、採用の幅を広げたり、労働環境を改善したり、採用業務自体を見直すことが重要です。

この記事でご紹介した内容を参考に、製造業の人手不足を解消していきましょう。

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