自動車整備士の採用が難しい!今すぐやるべき採用活動のポイント
現在、自動車整備士は人手不足の状況です。今回は、整備士の採用現場の実情をふまえて、整備士の採用が難しいといわれる理由を解説します。
あわせて、整備士を増やすために国が実施している取り組みについてもまとめました。整備士の採用を成功させるために企業がやるべきことを考えていきましょう。
この記事の目次
数値でわかる整備士採用の現状
2021年の整備士の有効求人倍率は4.65倍という結果になりました。全職種の平均である1.13倍をかなり上回る数値です。
出典:「自動車整備士(職業情報提供サイト)」(厚生労働省)
出典:「一般職業紹介状況(令和3年12月分及び令和3年分)について」(厚生労働省)
今現在、全国にある事業場のうち約50%で整備士が不足しているともいわれています。まずは、その背景について紐解いていきましょう。
整備士の数は年々減少傾向
以前に比べて、いまの日本では整備士ひとりあたりの業務量が増えていることが推測されています。
整備士の人数は、平成23年度から平成30年度にかけて徐々に減少しています。この7年間で40万2,221人から39万9,374人になりました。
出典:「自動車整備分野における外国人材の受入れ」(国土交通省)
確かに整備要員は減少していますが、大幅に減っているようにも見えません。しかし、平成23年度から平成30年度における販売台数、工場稼働率、海外生産台数はいずれも増加しています。
また、平成7年度に8万4,025事業所だったのが令和2年度には9万1,530事業所にまで増えています。
出典:「認証工場数と指定工場数の推移(平成7年度~令和2年度)」(国土交通省)
つまり、働き手は減っているものの、市場は拡大しており、働き口も増えているといえます。
整備士全体で高齢化も進んでいる
さらに深刻なのは整備士の高齢化です。平成10年から平成26年にかけて、平均年齢が約6.5歳も上昇しています。
出典:「議事1 自動車整備士不足の現状と行政の取組」(国土交通省)
少子化が深刻化する中で、若い働き手は減っています。平均年齢は今後も上昇していくことが見込まれるでしょう。
また、特に公共交通機関が充実している都会で暮らす若者にとって車は必須ではありません。世の中が便利になったことで、車離れが進んでいることも要因のひとつかもしれません。
整備士不足解消における国の動き
整備士不足が深刻になっている実情に対し、国もさまざまな対策を講じています。ここでは国が整備士不足解消のために行っている取り組みをふたつ解説していきましょう。
「自動車整備人材確保・育成推進協議会」の発足
平成26年、全16の自動車関連団体と国土交通省により構成された「自動車整備人材確保・育成推進協議会」が発足しました。この協議会では、整備士が働きやすい環境をつくるにはどうすれば良いか議論されています。
具体的な取り組み内容は以下のとおりです。
・女性の整備士が働きやすい職場づくりのためのガイドラインを策定
・若手の整備士確保のために高等学校へ出向き、整備士の仕事を説明する活動
・YouTubeでのPR活動の実施
整備士を増やすためのきっかけづくりとして、働く環境の整備だけでなく、整備士という仕事について詳しく知ってもらうための活動も行っています。また、現役の整備士にもアンケートを取りながら、どんな取り組みができるか検討と実施を繰り返しています。
女性の雇用も検討している企業であれば、一度ガイドラインに目を通しておくと良いでしょう。
自動車整備業における女性が働きやすい環境づくりのためのガイドライン(国土交通省)
給付金制度を拡充
別の職種から整備士を目指す人もいるでしょう。彼ら、彼女らの手助けになるのが「専門実践教育訓練給付金」の制度です。
この制度では、厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に受講費用の一部が支給されます。平成30年には給付率や給付金の上限額が引き上げられ、支給対象者の要件も緩和されるなど制度が拡充されました。
現在仕事をしているもしくは離職して1年以内で、雇用保険に1年以上加入した期間があれば給付を受けることができます。
支給額は受講にかかった経費の20~70%です。自動車整備士の資格や講座を受けるなら40%(上限20万円)までの給付金を受け取れます。
整備士になりたいと思いながら金銭面でつまずいている人にはうれしい制度です。整備士を採用したい企業としても、このような給付金制度があることは知っておくべきでしょう。
整備士の採用を成功させるには?
整備士の採用のために企業はなにができるでしょうか。整備士の採用を成功させるために企業が取り組むべきことをまとめました。
整備士へのアピールポイントを把握する
どのような業種でも未経験で飛び込むのは勇気がいります。特に整備士という仕事に対して、きつい・危険などのイメージをもっていたり、労働環境を不安に感じたりする人も少なくありません。
整備士の求人に応募する際に懸念となりやすいのは以下のようなものです。
・労働環境の良し悪し
・ワークライフバランスが取れる企業か
・業務に対して給与は割に合うか
求職者が抱える不安を払拭するためには、以下のようなポイントをアピールできると良いでしょう。
・残業時間の少なさ
残業が多いイメージをもっている人も多いです。残業を減らす取り組みをしている、従業員同士でフォローできる環境があるなど、強みと思えるポイントがあれば示しましょう。
・給与の高さ
残業代や賞与についてきちんと伝え、資格手当や家族手当など独自の制度があればアピールすべきです。
・社内の風通しの良さ
社員同士の仲の良さや、意見の言いやすさを重視している人は少なくありません。社内の雰囲気や従業員同士の関係性が分かるようにすると良いでしょう。
・働きやすさ
チーム制で仕事にあたれる、年間休日が多いなど他社と差別化できるポイントは明記すべきです。仕事環境は野外か屋外か、空調設備の有無、リフトの数など、職場や働き方がわかる情報は記載しましょう。
また、経験者で転職する人の多くは新しい職場に期待を抱いています。前の職場でできなかったことを新しい職場で経験したいと考える人に対しても自社の強みをアピールできれば、応募数アップにつながるのではないでしょうか。
採用ページを作成する
現代は誰もがインターネットを使える時代です。就職先を探すとき、ほとんどの人はまず企業のホームページを検索しています。社名を検索しても採用に関する情報やページが見つからなければ、求職者は情報収集ができません。
求人媒体への掲載のみで採用を行っているなら、自社の採用ページを作成することも検討してみてはいかがでしょうか。
とくに、求人媒体にはほかにも多数の求人情報が載っているため、自社の情報が埋もれてしまいやすいデメリットがあります。その点、自社の採用ページなら多くの情報を掲載できるため、他社との差別化が図りやすいです。
採用ページには以下のようなコンテンツを用意しましょう。
・業務内容
「この会社に就職したらどんな仕事ができるか」を、求職者が想像できるように工夫してください。未経験の人にはわかりやすく、経験者には自社の魅力が伝わるように内容をまとめる必要があります。
・社内の雰囲気
写真や動画を用いて社内の雰囲気がわかる構成にしましょう。実際に働いている先輩社員にインタビューをし、仕事内容ややりがいを感じるポイントを語ってもらうのもおすすめです。
・給与のモデルケース
どれくらい給与が出るのかモデルケースを掲載すると親切です。ある社員の一例として、勤続年数と年齢、年収を記載しましょう。
・研修内容
研修制度があれば内容とともに記載します。社員のスキルアップを応援する企業、というポジティブな印象を与えることができるでしょう。
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まとめ
整備士の採用が難しいといわれる時代ですが、企業としてできることはたくさんあります。まずは自社のアピールポイントを見つけて、募集活動に活かすことから始めてみませんか。
採用ページは自社で作成するのがおすすめです。採用ページには求職者が「この会社で働きたい」と思える内容を盛り込みましょう。やりがいを持って働ける職場であることが求職者に伝われば、おのずと優秀な人材が集まってくるはずですよ。