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【3年で平均30%の新卒が辞める】定着率を高めるための施策を紹介

2023年3月3日

大変な就職活動を乗り越えて企業に就職したにもかかわらず、新卒社員が3年以内に辞める割合は少なくありません。なかには、入社から1年経たずに退職を決断する人もいます。

新卒社員の辞める割合が高く、定着率が低くなってしまうと、企業が採用にかけたコストが無駄になってしまうだけでなく、人材不足から将来的な事業運営にも影響を及ぼしかねません。

この記事では、新卒で入社した社員が早期に離職してしまう理由や割合について、また、定着率を高めるための対策を解説します。

新卒の約30%が3年以内に離職している

まずは、新卒社員の離職率から整理していきましょう。厚生労働省の調査によると、大卒で入社した社員の約30%が3年以内に離職しています。具体的には、1年目で約10%、2年目で約20%、3年目で約30%が離職している状況です。

採用に関わる業務をしていると、「最近の若年層はすぐに退職してしまう」といった声が社内であがります。しかし、近年離職率が急激に高まったわけではなく、ここ約10年では、ほとんど同じ割合で推移しています。

出典:厚生労働省「学歴別就職後3年以内離職率の推移」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00005.html

 

中卒、高卒になると離職率が上がる

中卒や高卒の離職率は、大卒に比べてさらに上がります。就職後3年目での離職率は、短大卒の場合は約40%、大卒の場合は約30%となっています。

対して、中卒の場合は約60%、高卒の場合は約40%が3年以内に退職している状況です。

業種によっても離職率は異なる

業種によっても離職率は異なります。たとえば、厚生労働省が発表した、2017年3月卒業者の離職状況によると、大卒社員の入社後3年における離職率である約30%を上回る業種として次の業種があります。

・宿泊業・飲食サービス業:52.6%
・生活関連サービス業・娯楽業:46.2%
・教育・学習支援業:45.6%
・小売業:39.3%
・医療、福祉:38.4%

上述の結果を見ていくと、全体としてサービス業の離職率が高いことがわかります。続いて、高卒社員の入社後3年における離職率である約40%を上回る業種として、次の業種があります。

・宿泊業・飲食サービス業:64.2%
・生活関連サービス業・娯楽業:59.7%
・教育・学習支援業:55.8%
・小売業:49.5%
・医療、福祉:47.0%

高卒の結果を見ていくと、離職率が高い業界は大卒と同じです。ただ、各業界の離職率は大卒よりもさらに高くなっている状況です。

このような状況から「高卒の人材は辞めやすい」というイメージをもち、高卒人材の採用に積極的になれない企業も存在するでしょう。

出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(平成29年3月卒業者の状況)」(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00003.html

新卒が会社を辞める5つの理由

それでは、新卒が会社を辞める理由としてどのようなものがあるのか、主な理由として次の5つが挙げられます。

労働時間、休日、休暇の条件が合わないから

ひとつ目は、労働時間、休日、休暇の条件が合わないことが理由です。条件が合わない例として、下記の3つが挙げられます。

・夜勤がある
・休日が少ない
・土日出勤が常である

上記の理由による退職は、入社前の説明不足が一因の場合もあるでしょう。労働時間、休日、休暇を最重要事項と考える社員もいるため、福利厚生の充実が必要です。

肉体的・精神的に合わないから

ふたつ目は、肉体的・精神的に合わないことが挙げられます。仕事に慣れていない新卒に重労働やきついノルマを課すと、ストレスがたまってしまい、辞める原因となります。

たとえば、人手不足だからといって、「新入社員に営業職で長年の経験がある社員とほとんど差のない売上ノルマを課す」などが挙げられます。

賃金の条件が合わないから

3つ目は、賃金の条件が合わないことが理由です。賃金の条件が合わないことも、労働時間や休日、休暇の条件と同様に、入社前の説明不足が一因である場合が多いでしょう。

入社後に賃金の条件の不一致に気づいて退職することにならないよう、残業がどのくらいあるかも含めて、詳細の説明が必要です。

人間関係が合わないから

4つ目は、人間関係が合わないことが要因になっています。組織である以上、人間関係は複雑です。なんらかの理由で、上司や同僚とうまくやっていけない可能性はゼロではありません。

さらに、周りの社員の誰にも相談できない状況になってしまうと、孤立感を抱き退職につながるケースもあります。また、会社自体の雰囲気に馴染めない場合もあります。

自分がやりたい仕事とは異なるから

5つ目は、自分がやりたい仕事とは異なるケースです。入社前は、どのような部署に自分が配属されるかがわかりません。新卒社員は入社後、実際に配属された先で自分のやりたいことができないことがわかった場合に、「転職を検討することが多い」いわれています。

そのため、入社してから企業と新卒社員の間でアンマッチが生じないよう、最初の配属先を事前に説明しておくと、良い結果になるケースも大いにしてあります。

「新卒が辞めない会社を目指す」定着率を高める方法

最後に、新卒が辞めない会社を目指し、新卒の定着率を高める方法を見ていきましょう。主な方法として次の3つが挙げられます。

社風や労働環境を整える

まず、社風や労働環境を整えることが大切です。社風や労働環境が良い企業の例として、残業が少ない、完全週休二日制、有給が取りやすいなどが挙げられます。そのほかに、育児や介護などの社員の生活スタイルの変化に合わせた、テレワークや短時間勤務の活用などもあります。

また、透明性の高い評価制度も、社員の定着率向上のために有効です。なぜなら、社員がどのように評価され、最終的に給料が上がるのかといった指標が明確でないと、社員のモチベーションを下げてしまい、転職を考えるきっかけとなるからです。

さらに、経営管理が行き届いていることは会社への信頼度向上につながるため、管理体制の強化も必要といえます。

社内の人間関係を見直す

次に、社内の人間関係を見直すことが大切です。なんらかの理由で離職を考えていたとしても、社員はすぐに離職することは多くありません。人間関係が良好で相談できる社員がいれば、離職を防止につながります。

そのため、社員同士のコミュニケーションが活発になるような職場環境をつくることも対策のひとつです。また、メンター制度を取り入れてコミュニケーションを促進させたりするなどの取り組みを実施すると良いでしょう。

採用のミスマッチを防ぐ

新卒が辞める割合を少なくするためには、採用のミスマッチを防ぐことが大切です。そのためには、会社としてどのような人材を採用していきたいのか、人材のターゲットを再度検討することが必要です。

とはいえ、人材のターゲットを定めても、求職者の情報を管理し、書類選考から面接までのすべての採用過程でミスマッチを防ぐ業務は、非常にコストがかかると考える採用担当者もいます。

コストを抑えながら効率良く採用活動を行いたい場合、TalentClip(タレントクリップ)がおすすめです。TalentClipは、求職者の書類選考から面接日程の調整、求職者とのやり取りなどをすべて一元管理できるツールです。

求職者の情報はすべてTalentClipのなかにデータベースとして蓄積され、貴社独自の「タレントデータベース」となるため、ミスマッチを防ぐのにも役立ちます。ミスマッチを減らして社員の定着率を高めたい採用担当者の方は、ぜひ導入をご検討ください。

また、採用活動に役立つ情報も以下に掲載していますので、チェックしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

新卒が会社を辞める理由には、主な理由として、労働時間や賃金、人間関係、自分がやりたい仕事とのミスマッチなどが挙げられます。

ミスマッチが理由での離職を防ぐには、社風や労働環境を整え、社内の人間関係を見直すことが重要です。

効率良く採用活動を行い、ミスマッチを防ぐためには、貴社独自の求職者データベースを作成して、応募者情報が一元管理できるTalentClipの導入を、ぜひご検討ください。

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