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中途採用の市場動向は?企業側の対策をご紹介

「即戦力人材が欲しい」「自社に新しい視点を取り入れたい」など、中途採用の目的は企業によってさまざまです。しかし、どの企業にとっても、中途採用市場のトレンドや動向は気になるところではないでしょうか。

今回は、直近の中小企業の採用市場動向に関するデータをもとに、中途採用が重視されている理由や背景、中途採用を成功させるポイントについて紹介します。

直近のデータから見る中小企業の採用市場の動向

まずは直近のデータをもとに、中小企業の採用市場動向について紹介します。雇用形態の比率や新卒・中途の採用率をチェックしておきましょう。

正規社員の採用が多い

総務省統計局による「労働力調査(基本集計)令和3年3月分」によると、非正規雇用が前年同月比4.5%減少しているのに対し、正規雇用は前年同月比1.5%増となっています。

ただし、この傾向は業種によって異なり、情報通信業や教育・学習支援業では就業者数が増加している反面、宿泊業や飲食・サービス業では約10%も減少しています。

出典:総務省統計局「労働力調査(基本集計)令和3年3月分」

中途採用が多い

正規社員の雇用が増加している中で、新卒・既卒・中途採用などの動向はどのようになっているのでしょうか。

求職者ひとりあたり何社の求人があるのかを示す有効求人倍率は、2019年8月時点では1.59倍だったのに対し、2020年8月には1.04倍と減少しています。

出典:職業安定局雇用政策課「一般職業紹介状況(令和2年8月分)」

出典:職業安定局雇用政策課「一般職業紹介状況(令和元年7月分)」

求職者にとって有利な売り手市場から、ひとりあたりの求人社数が減少して買い手市場に傾きつつあることがわかります。

また、大学新卒者の内定率は令和2年度10月1日時点で69.8%となっており、前年同月比で7%の減少です。

出典:厚生労働省「令和2年度大学等卒業予定者の就職内定状況(10月1日現在)」

新卒者内定率が減少している中で、中途採用市場では2020年度に「中途採用が増える」と回答した企業が、「中途採用が減る」と回答した企業を大きく上回っていました。

2021年度は、企業全体では中途採用が増えると回答した企業が、減ると回答した企業よりもやや下回り、中途採用市場の動向に変化が出ているようです。

そのような中でも従業員数5~99人の中小企業は、中途採用が増える見込みと回答した数が減ると回答した数を上回っており、中小企業における中途採用を重視する動きが続いていることがわかります。

出典:リクルートワークス研究所「中途採用実態調査(2020年度上半期実績)」

有効求人倍率の低下から、採用を見送った企業が増えていることを示しているものの、中小企業では中途採用が活発に行われている傾向にあるといえるでしょう。

中小企業で中途採用が多い理由

中小企業で中途採用が多いのはなぜなのでしょうか。ここからは、中小企業が中途採用を重視している理由について紹介します。

即戦力を求めている

中小企業では、限られた資金の中で人材を獲得・育成する必要があり、とくに時間と費用がかかる人材育成にかけるコストを削減しようとして即戦力人材を求める傾向にあります。

育成にかける時間や人手、資金に余裕がない中小企業では、人手や資金が潤沢にある大手企業よりも即戦力人材が重宝されるためです。

社員の数が大手よりも少ないため、専門性の高さに加えて幅広い業務に対する知識や経験を求めている傾向にあります。

経験を重視している

中小企業では、他社での経験やノウハウをもつ人材を重視しています。

そのような人材を採用すれば、自社の既存社員にはない経験や業務の進め方、価値観などをもつため、新たな手法や考え方を取り入れることができるためです。

中小企業にとって中途採用は、企業のグローバル化や新たな視点によるアイデア抽出や顧客開拓など、今までにない新たな要素を加えられるメリットがあります。

労働者の流動化

近年働き方の多様化やワークライフバランスを重視する考え方が広まりを見せ、働き方に対する労働者の価値観が変化しています。

そのため、より自分が希望する条件にマッチする企業へ就職しようと、転職に積極的になっている人が多いのも近年の傾向です。

とくに中小企業では、そのような労働者のニーズに応えられるような環境整備を行い、優れた人材の確保につなげようとする動きが出ています。

たとえば、給与などの待遇面では他社に劣る場合でも、フレックスタイム制やテレワークの導入など幅広い働き方の選択肢を提示して、優秀な人材にアピールできるためです。

中小企業で中途採用が活発化しているのは、労働者が求める働き方の希望に応えることで、即戦力人材の確保につなげたいという狙いがあるのではないでしょうか。

採用サイトの充実が成功のポイント

中途採用市場において、優秀な人材を獲得するためには採用サイトを充実させることが成功へ導くためのポイントです。

ここからは、採用サイトを充実させるメリットや、中途採用に効果的な採用サイトの運用に役立つツールについて紹介します。

継続的なアプローチができる

採用サイトを充実させることで、継続的なアプローチができるようになります。とくに中途採用市場では、同業他社との取り合いになりやすいため、人材に対して継続的にアプローチすることが大切です。

中途採用は基本的に通年採用として行っているところが多く、求人媒体に広告を出し続けるコストを削減できるメリットもあります。

採用サイトの活用はSNSを活用した採用活動や自社サイトへの入口、求人管理の一元化など、さまざまな目的との親和性が高いのも特徴です。

目的やターゲット、効果的なアピール方法など、さまざまな面から運用方法を見直し、採用サイトに掲載するコンテンツを充実させる必要があります。

採用管理システム(ATS)を活用しよう

中途採用では、採用管理を一元化して業務をスムーズに行えるようなツールの導入が効果的です。

採用管理システムはATS(Applicant Tracking System)と呼ばれるもので、採用業務における情報管理や応募者対応などの業務を一元化するためのシステムを指します。

TalentClip(タレントクリップ)を導入すれば、テンプレートを活用して簡単に自社の採用サイトをつくることができるうえに、求人管理や求人媒体との連携も可能です。

また、TalentClipでは求職者の情報をデータベース化(タレントとして蓄積)できるため、情報をもとに企業側からアプローチを行う「攻めの採用」にも活用できるメリットがあります。中途採用における業務効率化を実現し、応募者一人ひとりにしっかりと対応できるようになるでしょう。

TalentClipへのお問い合わせはこちらです。

まとめ

中途採用市場の動向は、社会情勢などの環境要因によって増減することが多いものです。

「より良い環境で働きたい」「自分の能力を活かしてチャレンジしたい」など、中途採用での入社を希望している労働者は多くいます。

そのため、どのようにして優秀な人材を確保するのか、どのような人材を獲得したいのかを明確にし、他社との差別化や自社の魅力を効果的にアピールする方法について検討する必要があります。

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