採用力をクリエイトするメディア

新卒採用のメリットやデメリットとは|新卒採用を成功させる方法

2021年11月10日

将来的な企業の成長や利益に影響する人材採用では、新卒採用と中途採用それぞれに利点があり採用のバランスを取ることが重要になります。

特に新卒採用は、社会人経験のない大卒者などを雇用することになるため、雇用してみないと仕事ができるかわからないという部分もあるでしょう。

新卒採用を成功させるために、企業が意識すべきポイントはあるのでしょうか。この記事では、新卒採用のメリット・デメリットや成功させるためのポイントについて紹介します。

新卒採用のメリットとは

まずは、新卒者の雇用は企業に対しどのような利点があるのか、という点について見ていきましょう。新卒採用のメリットは、以下の5つがあげられます。]

・採用計画を立てやすい

・企業の知名度向上につながる

・社員の年齢構成が均等になる

・幹部候補となる人材を獲得しやすい

・組織を活性化できる

ひとつひとつ説明していきます

採用計画を立てやすい

新卒採用では4月入社が一般的なため、採用活動を行う際のスケジュールや計画を立てやすいメリットがあります。

説明会や交流会などの開催や選考のスケジュールも組みやすく、事前に立てた計画に沿って進められるため時間的余裕をもつことが可能です。

また、合同説明会などの大型就活イベントも定期的に開催されるため、新卒生へのアプローチが行いやすい利点もあります。

企業の知名度向上につながる

新卒採用では、一定数の母集団形成を行うため、さまざまなメディアや媒体に求人広告を掲載します。また説明会などの採用イベントにも参加するため、自社の事業内容やビジョンを広く世間に告知することになります。

そのため、採用活動自体が企業PRとなり、企業のブランディングや知名度の向上に役立っているのです。

懸念材料として、複数の求人媒体への広告出稿や採用イベントへの参加には費用がかかるため、新卒採用だけの結果をみると、コストパフォーマンスが悪く感じるなどが挙げられます。

しかし、積極的な採用活動は将来的な顧客獲得や中途採用者などへのアプローチにもなり、企業の知名度向上に大きな効果を発揮してくれるでしょう。

社員の年齢構成が均等になる

新卒採用を毎年行っていると、社員の年齢構成が均等になるのも新卒採用のメリットです。

中途採用ばかりで社内の平均年齢が40~50歳の場合、単純計算で会社があと15~25年しか存続できなくなります。

若い社員を継続して採用する場合、年齢層の高い社員の経験やスキルを若い世代に引き継ぐことで永続的な組織運営も可能です。

安定した企業経営ができるようになるため、新卒社を育てていくことは将来的な企業の発展にも役立つといえるでしょう。

幹部候補となり得る人材を獲得しやすい

他社の風土や考え、業務の進め方などを知っている中途社員よりも、新卒の方が企業への愛着心を形成しやすい傾向にあります。

新卒は就活の段階で企業の理念や風土を理解し賛同して入社を決めることが多く、適切にマネジメントや教育を行えば定着率も高くなるでしょう。

企業への愛着心は、高いモチベーションの維持や企業を発展させようという意欲にも影響するものです。

結果的に能力も高くなり、幹部候補となり得るような優秀な人材に成長する見込みも高まると考えられます。

組織を活性化できる

同じメンバーで仕事を続けていると、緩慢な空気感だけが残り、メリハリのない環境でだらけてしまって成長の機会をなくしてしまうことがあります。そんな職場環境に新しい風を入れてくれるのが新卒社員です。

これまで周りに頼るばかりだった社員も、後輩ができることで仕事を教える立場になり、頼れる先輩になるために奮起してくれるでしょう。

また新卒社員への指導や教育を通して、既存社員の業務効率化や意識改革にもつながります。たとえば、業務のノウハウが言語化されれば、それだけ部下の教育もより効率良く行えます。まだ会社に慣れない新卒社員に馴染んでもらえるように促した教育から、改めて企業風土の大切さに気付くこともあるでしょう。

そのほかにも、新卒社員が同期でまとまることで、部署の垣根を越えたコミュニケーションが活性化します。

このように、新卒社員の存在が組織のスキルやチームワークの底上げに良い影響を与え、職場の雰囲気や人間関係にプラスの働きをもたらしてくれるのです。

新卒採用のデメリットとは

新卒採用はメリットばかりではありません。新卒採用は採用段階で苦戦することも多く、優秀な人材は常に企業間で取り合う状況にあります。

ここからは、新卒採用のデメリットやその理由について見ていきましょう。

具体的には、以下の5つがあげられます。

・内定辞退者が出やすい
・景気によって左右されやすい
・人材育成のためのコストがかかる
・入社後にミスマッチが起こりやすい
・採用に至るまでのプロセスが長い

内定辞退者が出る可能性がある

新卒採用では内定辞退者が出る可能性があるため、採用を決定した際に必ずしも入社してもらえるとは限りません。

また、場合によっては内定承諾後に辞退する学生もいるため、入社するまでどれくらいの人数が確保できるのかが予測しづらい特徴があります。

新卒採用を行う人数を決めていても、結果的にその人数を満たせないような場合もあるでしょう。

また、内定辞退を想定して多めに内定を出した結果、採用者が増えすぎた、というようなケースも少なくありません。

採用人数をコントロールすることが難しいため、新卒採用を行う場合にはある程度の採用人数のふり幅があることを認識しておく必要があります。

景気によって左右されやすい

新卒採用は、景気によって応募者の数や質が左右されやすいデメリットもあります。

景気が悪い年は安定を求め、大手企業や知名度のある企業への就職を望む人が増えるでしょう。

そのため、そのような環境要因がある年は、大手企業と比べて中小企業は求職者の母集団形成が不利になる可能性があります。

人材育成のためにコストがかかる

新卒採用では即戦力人材を雇用することはできないため、教育や研修などの人材育成にコストがかかります。

また、指導を行う社員の業務負担になる可能性もあり、中途採用よりも指導に負担がかかることを把握しておかなければなりません。

しかし、長期的に見れば必要なコスト投資でもあるため、安易に削減することができない部分です。

そのため、効率化や業務負担の共有など、既存社員にも配慮した新卒人材育成を意識する必要があります。

ミスマッチを防ぐための対策が必要になる

まだ社会経験がない学生は、説明会などで得たポジティブな情報のみを企業選びの判断材料としていることが多いため、入社後に「こんなはずではなかった」「イメージしていた働き方ではなかった」などとミスマッチを感じることが多くあります。

また、学生のころには経験したことがない責任感や上下関係に、ギャップを感じてしまうこともあるでしょう。社会人になってからギャップを感じることは珍しいことではありません。しかし、会社のことを知らない新卒社員は、そのギャップを「会社と自分とのギャップ」と捉えてしまい、早期離職してしまう可能性が高くなります。

このような状況を避けるためには、選考中の応募者に対して、自社の理念や業務内容について深く理解してもらう工夫が必要です。また説明会でも、ポジティブな情報だけを発信するのではなく、ありのままの情報を伝えることが重要です。

自社の理念や業務内容を深く理解した人材に入社してもらうことで、ミスマッチからの早期離職を防ぐ効果を高められるでしょう。

採用に至るまでのプロセスが長い

新卒採用は同じ時期にまとまった人数を採用できる反面、採用に至るまでの準備や時間が中途採用よりも長くかかります。

たとえば、就活セミナーや採用イベントを開催したり、応募者に対して複数回の選考を行ったりするなど、さまざまな工程があります。

新卒採用はポテンシャル採用がメインになるので、スキルや能力を見極める必要性から、どうしても選考回数を減らすことができません。そのため、新卒採用は採用までのプロセスが非効率であることは否めません。

先述のとおり、新卒採用は戦力として活躍できるまでには研修や教育が必要となるため、それもあわせて考えると、膨大な採用コストがかかってしまいます。

【採用方法別】適している企業の特徴

企業によって採用戦略はさまざまですが、最も大切なのは採用目的に応じた方法を選ぶことです。そのため、必ずしも新卒採用をすべきとは限りません。

ここからは、新卒採用が適している企業、また中途採用が適している企業について説明します。ここまで説明した新卒採用のメリットとデメリットをふまえた上で、自社に合った採用方法を検討しましょう。

新卒採用に適している企業

新卒採用のメリットとデメリットはこのようになっています。

メリット

デメリット

採用計画を立てやすい 内定辞退者が出やすい
企業の知名度向上につながる 景気によって左右されやすい
社員の年齢構成が均等になる 人材育成のためのコストがかかる
幹部候補となる人材を獲得しやすい 入社後にミスマッチが起こりやすい
組織を活性化できる 採用に至るまでのプロセスが長い

フレッシュな人材を採用できる側面から、新卒採用は以下のような企業に適しているといえます。

組織全体を活性化させたい企業

新卒採用で入社する多くの新入社員は、高い成長意欲を持っており、新しい知識やスキルを身につけたいという貪欲な姿勢をもっています。そんな新卒社員に既存の社員が仕事を教えることで緊張感が高まり、組織全体に良い刺激を与えられるでしょう。

また、向上心の高い新卒社員に影響を受けて、既存社員の仕事に対するモチベーションをアップさせる効果も期待できます。

このように、既存社員も含めたすべての社員のスキルやモチベーションを向上させたいと考えている企業は、新卒採用に適しているといえます。

自社の文化を浸透させたい企業

企業がひとつの方向性へと邁進するためには、企業文化をないがしろにすることはできません。組織のチームワークを高め、長期的なプロジェクトを成功させるためには、社員一人ひとりが自社の文化を理解し、ビジョンを共有することが必要だからです。

新卒採用で入社する社員は社会経験がないため、企業文化を浸透させやすい傾向があります。一方で中途採用の社員は、ほかの会社で働いた経験があるため、新しい企業文化を受け入れていくのが難しいと感じる場合があるようです。

そのため、自社の文化を社員に浸透させたい企業は、新卒採用を強化すべきといえるでしょう。

中途採用に適している企業

中途採用のメリットとデメリットはこのようになっています。

メリット

デメリット

即戦力を採用できる 採用後すぐに転職してしまう可能性がある
研修や教育コストを抑えられる 自分のやり方に固執されてしまう
新しい知識やノウハウを得られる

社会経験のある人材を採用する側面から、以下のような採用目的の企業に適しているといえます。

企業の競争力を強化したい企業

事業領域の拡大や新規事業の立ち上げを予定している場合は、即戦力を獲得しやすい中途採用がおすすめです。中途採用なら、実績やスキルを職務経歴などで確認しやすいため、人材を見極める手間がかかりません。

また競合他社との差別化を図るために、高い専門知識を必要とする場合も、中途採用で優秀な人材を獲得することができます。

コスト的負担を抑えたい企業

新卒採用は先行投資の意味合いが強く、採用した人材が企業に貢献できるようになるまでには長い時間と膨大なコストがかかります。

しかし中途採用であれば、人材の実績やスキルを評価したうえで採用できるため、教育コストを抑えられるでしょう。

このように、人材育成にかかるコストを抑えたい企業は、中途採用に注力すべきといえます。

新卒採用を成功させる4つのコツ

これまでの内容をふまえ、フレッシュな人材を取り入れたいと考えている企業は新卒採用を強化することをおすすめします。

では、新卒採用のデメリットをカバーしながらメリットを最大限に引き出すにはどうすれば良いのでしょうか。

ここからは、新卒採用を成功させる4つのポイントや採用戦略のコツについて紹介します。

1.内定者へのフォローを欠かさない

新卒採用を成功させるためには、内定者へのフォローを欠かさないことが大切です。

定期的な連絡を行い、内定者を重要視していることや自社に必要だと考えていることが伝わるようなフォローが必要になります。

また、内定者向けの座談会や既存の社員との面談などを通じ、企業と内定者との信頼関係を構築していくことも欠かせません。

また、内定を出したあと入社までまったくノンタッチでいるよりも、内定者研修で自社についての知識を身に付ける場を提供するのも手段のひとつです。

2.SNSを活用する

近年、採用活動や広報活動としてSNSを活用する企業が増加しています。

新卒の就活生はSNSを利用していることが多く、求人広告や媒体以外の場で企業がアプローチできる重要なツールです。

FacebookやTwitter、Instagramなど、SNSにもさまざまな種類がありますが、拡散されてより多くの人の目に留まるようになる利点もあります。

採用活動の手段としてだけでなく、企業の知名度や認知度を高めて将来的な母集団の形成にも役立てられるので積極的に活用していきましょう。

3.採用サイトを充実させる

採用サイトや自社ホームページの内容を充実させることも、重要なポイントになります。

雇用条件や待遇面の情報に加えて、実際に就職した際のことをイメージしやすいような工夫が必要です。

社内の写真や社員のインタビュー、社員の一日などを掲載すれば、新卒生にも伝わりやすくなるでしょう。

また、新卒採用にスポットをあてるのであれば新卒者と近い年齢の社員を取り上げることで、親近感を持ってもらえる可能性が高くなります。

4.採用管理ツールを導入する

新卒採用の場面では、多くの応募者の管理を行わなければなりません。メール対応や情報管理など、さまざまな業務によって人事担当者に負担が偏らないような工夫も必要になります。

そのような場合におすすめなのが「採用管理ツール」の導入です。

採用コストをかけられないような企業でも採用管理を一括で行えるため、業務負担の軽減によるコスト削減を実現することができます。

TalentClip(タレントクリップ)なら内定後のフォロー・連絡ができ、応募者や求人に接点を持った人の情報をタレントプールとして蓄積することも可能です。

また、自社の採用ページがテンプレートを活用して簡単に作成できるため、自社ページを作成するための負担が軽減できます。

求人サイトであるWorkinやIndeedとも連携しているため母集団形成をする際にも便利です。

中長期的な新卒採用を継続的に成功させるためのツールとして、活用を検討してみてはいかがでしょうか。

また、新卒採用でなかなか応募が来ないと悩んでいる方は、以下の資料で効果的な求人募集の書き方など、採用に役立つ情報を掲載しているので、ぜひご参考ください。

まとめ

新卒採用のメリットは中途採用のデメリットをカバーするものであり、その逆も同様です。

業務負担の大きさから即戦力を補充したい場合には中途採用を活用し、長期的な企業運営の安定に向けて新卒採用による人材育成を行いましょう。

 

この記事をシェア:
採用ノウハウ