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リファラル採用とは?社員に紹介してもらうための仕組みを作るには

2021年6月16日

近年少子高齢化による人口減少などを背景に、企業間における採用競争が激化しています。

採用市場における「差別化」や採用経路の「多様化」が重要視されつつあり、その手段のひとつとしてリファラル採用が取り入れられています。

では、リファラル採用にはどんなメリットやデメリットがあり、どのように導入するべきなのでしょうか。

この記事では、リファラル採用とはどのようなものなのか、導入方法や導入時の注意点について紹介します。

リファラル採用とは

リファラル(Referral)は、推薦や紹介、委託などを意味する言葉です。リファラル採用とは、社員の紹介をきっかけに選考を進める採用手法のことで、近年導入している企業が増加傾向にあります。

リファラル採用と似た手法に、縁故採用があります。これは社員の血縁などのつながりのある人物を紹介して採用する手法です。

縁故採用とリファラル採用の大きな違いは、縁故採用はいわゆる「コネクション」を重視した採用を行うのに対し、リファラル採用ではしっかりと選考を行う点です。

紹介をきっかけにしている点は同じですが、リファラル採用は明確な採用基準が設けられています。そのため、より優秀な人材を確保する手段として活用されています。

リファラル採用のメリット・デメリット

リファラル採用を導入するのであれば、メリットとデメリットを確認しておくことが大切です。

メリットだけに注目するのではなく、デメリットをカバーできるような導入方法を検討しましょう。

メリット

リファラル採用を取り入れるメリットは、大きく3つあります。実際に導入する際にはこれらのメリットを最大限に活かせるように、選考基準などを明確にしておきましょう。

1.採用コストが軽減できる
リファラル採用では、求人などの広告掲載費が発生しないため、採用コストを抑えた採用活動を行うことが可能です。

2.ミスマッチ・入社後のギャップを減らせる
リファラル採用では、社員の紹介をきっかけに選考が進むため、紹介者から候補者の性格や特技、経験などの信頼性が高い生きた情報が得られます。そのため、自社の社風に合う人材を獲得しやすいでしょう。

また、求人サイトなどの表面的な情報だけでなく、紹介者から会社の特徴や働きやすさなど、求職者にとって有益な情報が提供できます。入社後のミスマッチを防ぐこともできるでしょう。

3.潜在的な人材にアプローチができる
就職活動や転職活動を行っていないものの、良い条件の求人があれば検討しようと考えているような「潜在層」にアピールできるのも利点のひとつです。

求人サイトに登録やアクセスをしていない人材にも直接アプローチできるため、採用チャネル拡大に役立ちます。

デメリット

リファラル採用には、デメリットもあるため導入前に注意しておく必要があります。デメリットをうまく補う形で導入・運用ができるように、採用方法を検討しましょう。

1.大量採用には向いていない
不特定多数の求職者に向けてアプローチする求人サイトや広告と異なり、リファラル採用は特定の人材にだけアプローチする手法です。そのため、リファラル採用は大量採用に向いていません。

また、紹介を行っても必ず選考を受けてもらえるとは限らないため、「今すぐ人手が必要」というときも向いていないでしょう。リファラル採用を導入する際は、長期的な施策が必要です。

2.採用後に離職を防ぐためのケアが必要
リファラル採用で雇用された従業員は、「紹介者の顔を立てなければ」というプレッシャーを感じやすく、本来の能力をうまく発揮できない可能性があります。

ストレスをうまく解消できるように、必要以上に頑張ろうとして不満を溜め込んでいないかなど、入社後の離職を防ぐサポートが必要です。

3.紹介するまでの流れが属人化する
リファラル採用では、紹介してもらう人材の選出は紹介者の裁量に任されていることが多い傾向にあります。

また、紹介料としてのインセンティブがある場合は、インセンティブ目的で採用基準に満たない人材の紹介を受ける恐れがあります。

リファラル採用を導入する方法

ここからは、リファラル採用を導入するための方法や流れについて見ていきましょう。実際に導入する際には、目的や制度設計をしっかりと行うことが重要になります。

1.リファラル採用の制度を設計する

リファラル採用を行う前に、まずは具体的な制度設計を行う必要があります。紹介者が紹介する人の能力などを判断しやすいように、判断材料を準備しなければなりません。

求人条件を明確化し、募集要項、採用基準、報酬支払額、福利厚生などの労働条件に関わる部分についても設計しておきましょう。

2.紹介者のメリットを設定する

紹介者に対してなんらかのメリットを設定すれば、紹介数アップにつながるでしょう。

謝礼金・ギフト券などの報酬を設定することも方法のひとつですが、あくまで給料や賃金として支払う必要があります。募集そのものに報酬を与えてしまうと「職業安定法 (報酬の供与の禁止)第四十条」に抵触する恐れがあるので注意しましょう。

メリットを受けるのが紹介者だけでは公平性に欠けるということで、紹介者と採用者双方になんらかの待遇を設けている会社もあります。

ただし、早期離職の可能性や報酬目的での就職を防ぐために、報酬が適用される期間を設定するなどの対策が必要です。

実施する際は一定期間後に給与の一部として分割で上乗せするなど、ある程度定着が見込める状況になってから付与すると良いでしょう。

3.認知拡大をする

リファラル採用を行っていることを、社内で認知拡大させることも大切です。

人事担当だけが積極的にリファラル採用を推進しても、大きな成果は得られないでしょう。会社全体で取り組むには、紹介のしやすさ・自社のメリットをまとめて発信しやすくする必要があります。

社内報を作成するなど、社員に定期的に周知すると良いでしょう。

リファラル採用を行う際の注意点

リファラル採用を実際に行う際には、どのような注意点があるのでしょうか。

ここからは、リファラル採用を行う際の注意点やポイント、運用におけるコツについて紹介します。

プライベートと業務との区別

リファラル採用を行う場合、通常の採用よりも社員がストレスを感じやすい場合があるため注意が必要です。

リファラル採用にノルマを設定するような、強制する方法を強いることはないように紹介者の自主性を尊重しましょう。

また、紹介された人材が入社した場合、紹介者と候補者が業務中に友人のような接し方にならないようにも注意しなければなりません。

プライベートと業務の区別がつくように、配置や接し方に工夫することが大切です。

候補者に特別な待遇をしない

候補者に過度な優遇を行わないように注意する必要があります。

特別な待遇がなく入社したほかの社員と候補者との関係性が悪化する可能性があるため、公平性を保つように意識しましょう。

応募までのフローが異なるだけで、選考方法や選考基準は同様にするなど「コネ入社」だと思われないような仕組みづくりが重要です。

まとめ

リファラル採用は社員からの人材の紹介を受けて選考に進む手法のため、自社の社風に合った人材を採用することができます。

しかし、人手が必要になったときに、すぐに最適な人材を紹介してもらえるとは限りません。
リファラル採用と同時に、ほかの採用方法も進めておけば、デメリットをカバーできるような運用を行う必要があります。

以下の資料で効果的な求人募集の書き方など、採用活動に役立つ情報を掲載しているので、ぜひご参考ください。

 

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