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採用面接の基本的な流れ|具体的な質問や注意点も紹介

2023年3月22日

採用選考で面接官を担当する際、マニュアルを確認したうえで面接の流れを理解し、自社に合う人材かどうかを見極める必要があります。

限られた時間の中で応募者を絞り込むには、どのような点を意識すれば良いのでしょうか。

今回は、面接官が把握しておきたい基本的な面接の流れから、自社に合う人材を見極めるポイントと面接を成功させるためのポイントについて紹介します。

採用面接において面接官が行うこと

まずは、採用面接のときに面接官が行うべきことを確認しておきましょう。

応募者の見極めを行う

面接といえば、人材の見極めを行うための方法と、最初にイメージする方も多いでしょう。

実際に面接官は、応募者が自社の採用基準を満たしているかどうかを見極めなければいけません。

現在会社が求めているスキルや経験、知識が十分にあるかという能力的な面はもちろん、自社の価値観とマッチするかなども大事です。

そして採用後にはしっかりと定着してくれるか、どのような活躍が期待できるかを見極めるために、あらゆる側面から質疑応答を繰り返して判断します。

業務に対する適正のみであれば、スキルや資格を確認するだけでも大まかな推測は可能です。そのため面接の際は、書面だけでは見えにくい人間性やその人のもつ価値観などを知ることが重要になります。

しかし、人の内面を観察して自社との相性までを適切に判断するのは簡単ではありません。

応募者の能力や考え方などを総合的に見極めるためには、面接官にも熟練したスキルが必要になります。

自社の魅力をアピールする

面接官には、応募者の入社意欲を上げるために、自社の魅力をアピールするという役割もあります。しかし人材の見極めに気を取られていると、こちらの部分がおろそかになってしまいます。

応募者は、複数の会社に応募している可能性があり、企業側も適切な職場かどうかを判断される立場にあります。そのため応募者に対して、それぞれの志望動機や興味に適したアピールを行うことが重要です。

面接官は、自社の魅力やアピールポイントを十分に把握し、相手に合わせて魅力が伝わるような表現を行う必要があります。また、人材の見極めを行うのと同時に、会社に好感をもってもらえるような対応を心がけましょう。

基本的な面接の流れ

面接では、基本的な面接の流れについて確認していきましょう。大まかな流れをもとに進行しながら、応募者の資質や人柄を引き出せるように意識することが大切です。それでは、基本的な面接の流れについて確認していきましょう。

アイスブレイクで緊張をほぐす

面接をはじめる前に「アイスブレイク」というラフな会話をする時間を設け、応募者の緊張をほぐします。

応募者が緊張したままだと、本来の資質が発揮でき面接を進めることになってしまうためです。

アイスブレイクでは、天気や出身大学などの気軽な会話ができるような話題が適しています。

場が和んだら面接官の方から自己紹介を行い、緊張をほぐした状態で面接に移ることができるように場の雰囲気をつくりましょう。

会社に関する説明

自己紹介や挨拶を終えたら、応募者に会社の概要を伝え、採用する職種について説明と確認を行います。

会社説明の時間を設けることで丁寧な印象を与えられるため、自社が求めている人材や採用する職種の業務について説明を行いましょう。

主要な事業として扱っているサービスや商品、さらに今後のビジョンなど、会社の将来目指している方向性を伝えるのもおすすめです。

質問

履歴書や職務経歴書をもとに、応募者に対して質問をしていきます。書類選考の段階で把握した情報に間違いがないか確認し、さらに情報を引き出すためのものです。

自社で求めている人材にマッチしているかどうかを判断する材料になるため、事前にいくつかの質問項目を用意しておく必要があります。

また、面接官からの質問を終えたら、最後に応募者からの質問がないか訪ねることも大切です。

ミスマッチを防ぎ、応募者の不安を解消するためにも必要になるため、必ず確認しておきましょう。

これからの流れを伝える

すべての質問が終了したら、最後に面接終了後の流れについて説明します。合否連絡の時期や方法、内定後のスケジュールなどを簡単に伝えましょう。

とくに合否がいつ出るのかは、複数社の選考を受けている応募者にとってはスケジュール管理に重要な情報になります。

可能な限り合否が出たら早い段階で連絡するようにし、他社に流れるのを防ぐことが重要です。

採用面接で行う主な質問

採用面接の時間内で、自社に適した人材かを見極めるためには質問の内容が重要です。そこで、ここからは面接で行う質問のポイントについて解説します。

コミュニケーションスキルに関すること

コミュニケーションスキルは、あらゆる企業が重視している要素といえます。

円滑なコミュニケーションができると、社内では業務遂行もスムーズになり、会議やチーム単位で動くときにも重要となります。

また、営業や接客などの社外と関わりが多い職種ではさらに重要性が増し、コミュニケーションスキルだけで採用の合否が分かれるといっても過言ではありません。

質問の方法としては、応募者の理解力や考え方を測るため、あえて抽象的な質問を行うのも効果的です。

質問例
・興味のあることは何か?
・良好な人間関係を築くために重視していることは?
・自己紹介 など

価値観や志向性に関すること

理想とする働き方や、仕事で重視しているポイントは人によって違うため確認しておくことは大切です。

応募者の考えを理解できると、自社の社風や労働条件とマッチするかどうかを見極めることができます。

ただし、内面を聞き出す質問になるため、相手が不快に感じないように配慮しなければなりません。

質問例
・仕事で嬉しいと感じる瞬間は?
・仕事に何を求めるか? など

スキルや経験に関すること

詳細な能力を把握することで、入社後に即戦力となるか、どれくらい活躍が期待できるかを判断できます。

スキルや経験に関する質問は、専門スキルやPCスキルなどに関して、具体的かつピンポイントで行うことが大切です。

質問例
・日常会話レベルの英語は可能か?
・前職で◯◯(実績)を達成するまでの経由について など

仕事の進め方に関すること

入社後に、既存社員と協調して働けるかどうかも業務を遂行する上では大切です。

きちんと報連相ができるか、優先順位を決めて業務ができるかなど、仕事の進め方に関しても自社と合っているか確認しましょう。

相違があると、現場の既存社員の負担につながり、新入社員の早期退職の原因にもなります。

質問例
・チームで働いた経験について
・タスク管理の方法について など

ストレス耐性に関すること

何にストレスを感じどのように対処しているかを質問することで、セルフマネジメント力が測れ、入社後にサポートする際の参考にもなります。

前職の退職理由を確認すると、ストレス耐性と自社への定着度を見極めるための判断材料にもなるでしょう。

質問例
・ストレスになることと、その発散方法について
・前職の退職理由がなければ、仕事を続けていたか? など

入社意欲や志望度に関すること

応募者の入社意欲がどの程度あるのかを確認することで、入社後のモチベーションや向上心を判断しやすくなります。

当然、自社への志望度が高いほど入社後の活躍に期待できるでしょう。

質問例
・入社後に実現したいこととは?
・転職で重視しているポイントは? など

自社に合った人材を見極めるポイント

面接官は、マニュアルどおり面接の進行を行いながら、自社に合った人材を見極めなければなりません。

では、どのような点を意識して面接を行えば良いのでしょうか。ここからは、自社に合う人材を見極めるポイントや判断基準について紹介します。

応募者のふるまいで気になる点はないか

入室から着席までのふるまいで、応募者のビジネスマナーを判断することができます。企業によって判断基準は異なりますが、中途採用の場合はとくにチェックしておくべきでしょう。

また、新卒採用の場合、応募者が緊張して失敗することもありますが、あまり厳しい目線でチェックしすぎず、リラックスして参加できるように配慮することが大切です。

しかし、落ち着きのない態度や、気になる点があったりする場合は、面接終了時にアドバイスしておくと良いかもしれません。

うなずきは小さくないか

志望意欲が低い応募者はうなずきが小さくなったり、視線が合わなかったりする傾向にあります。

話をうなずきながら聞いている応募者は、話をよく理解できてコミュニケーション能力が高いことが多いので、判断基準として見ておくと良いでしょう。

コミュニケーションは、言葉だけでなく身振りや表情などの仕草も重要になります。

そのためコミュニケーション能力が高い人は、うなずく仕草や表情などで相手の話を聞く姿勢が良いことが多く、面接時に見ておきたいポイントのひとつです。

前向きな発言が多いか

質問に対して前向きな意見で応えられる人は、ポジティブな思考力をもっているためポテンシャルが高い傾向にあります。

たとえ未経験の職種でも、仕事を覚えるために努力できることは入社後の成長につながるため、発言のポジティブさを確認することは大切です。

ただし、根拠のないポジティブさではなく、論理的思考に基づいて前向きな発言ができているかを見ておきましょう。

【注意】面接官がやってはいけない言動

面接官はさまざまな質問を行う必要がありますが、その中でもやってはいけない言動には注意しなければなりません。

企業の評価や信頼にも関係しますので、注意すべき言動についてしっかりと把握しておきましょう。

就職差別につながる質問をする

差別だと受け取られるような質問は絶対に避けるべきで、内容によってはプライバシーの侵害にもつながります。

このことは、厚生労働省によっても定められており、採用選考は「応募者の適性や能力のみを基準として行うこと」とされているのです。

原則として、就職差別につながるいくつかの項目は採用基準に含めてはいけません。下記にその代表的な項目を挙げます。

・年齢
・性別
・国籍
・居住地
・健康状態 など

これらのような、採用面接にとって不必要な質問をしないためには、企業側も面接官の教育・指導を徹底しなければなりません。

応募者に対して企業側が一方的な態度をとる

そもそも採用面接とは、企業と応募者が双方向で意思疎通を図る場です。

そのため、企業側が立場的に有利になるなどの上下関係は一切ありませんが、実際に面接官の一方的な態度によって、不愉快な思いをする応募者もなかにはいます。

印象が悪くなった状態では、内定を出したとしても辞退されることが多くなるでしょう。

一方的と思われないためにも、面接官は身分の紹介や業務内容、労働条件の説明などをきちんと行う必要があります。

また応募者と同様に、面接官も企業を代表する存在として最低限のビジネスマナーの遵守を心がけなければなりません。

パワハラやセクハラにつながる言動をとる

現代はさまざまなハラスメントが問題視されており、面接中でもパワハラやセクハラにつながる言動は注意する必要があります。

たとえば、意図的な圧迫面接を実施する場合であっても、高圧的な態度は企業側にとってリスクが大きいです。特に近年は、SNSによる情報の拡散によって、一気に信用が落ちる可能性もあります。

そのため、基本的には応募者が不快に感じる可能性のある面接スタイルは避けた方が良いでしょう。

また、交際相手の有無や結婚の予定などの質問は、セクハラとみなされる場合があるため注意してください。

採用担当者の業務負担を減らすならTalent Clip(タレントクリップ)

面接を成功させるためには、面接選考に集中できるように環境を整えることが大切です。

応募者対応や内定者フォロー、応募者の情報管理などの業務を一元化し、採用業務の効率をアップさせると良いでしょう。

採用業務の効率化や応募者情報を一元管理するのであれば、TalentClip(タレントクリップ)の導入がおすすめです。

応募者の情報を一元管理できるだけでなく、TalentClip上で応募者対応や内定者のフォローまで一括で行うことができます。

応募者の情報をデータベース化できるため、面接でのやり取りに問題がなかったかをあとから振り返る際にも活用可能です。

面接の質を高めるためにも、採用業務効率化に役立つTalentClipを導入してみてはいかがでしょうか。

 

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まとめ

面接官は、企業に貢献してくれる将来の社員を採用する重要な役割を担っています。応募者を見極めることはもちろん、企業の顔として丁寧に対応し、企業イメージアップにも貢献しましょう。

面接官としてマニュアルを踏まえて選考を行うことは大切ですが、同時に応募者からも企業を見極められていることをしっかりと意識する必要があります。

 

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