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メンバーシップ型雇用のメリットとは?採用における3つのポイント

2021年9月24日

企業の雇用システムのひとつに「メンバーシップ型雇用」があります。日本では一般的な雇用システムですが、近年では「ジョブ型雇用(採用)」を導入する会社も多くなりました。

では、従来の日本型の雇用システムであるメンバーシップ型雇用には、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

今回は、メンバーシップ型雇用について解説します。

メンバーシップ型雇用の採用とは

まずは、メンバーシップ型雇用の基本的な概要について説明します。

メンバーシップ型雇用の特徴

メンバーシップ型雇用は、「会社の一員」として社員を採用する雇用システムです。メンバーシップ型雇用では、新卒で一括採用するのが一般的です。

「総合職」として採用されるため、入社の時点では、どの部署・勤務地に配属されるかは決まっていません。研修をとおして本人の適性を見極め、社内での需要に応じて配属先が決まります。

入社後は、数年ごとに配属先が変わるため、ひとつの業務だけを続けることは基本的にありません。あらゆる業務に対応できる「ジェネラリスト」として育成します。

メンバーシップ型雇用の契約は、無期限の終身雇用です。本人から退職したいと申し出たり、何か問題を起こして解雇されたりしない限り、雇用は無条件で継続します。また、昇進や昇給は年功序列であり、重視されるのは年齢や勤続年数です。

このように、メンバーシップ型雇用は、能力を重視して雇用するジョブ型雇用とは、基本的な部分で大きく異なります。

ジョブ型雇用については、以下の記事で解説しています。

メンバーシップ型雇用の採用基準

メンバーシップ型雇用では、採用基準として人間性を重視する傾向があります。

採用基準の例のひとつに、「コミュニケーション能力」があります。単に人前で臆せず話せれば良いわけではなく、社内や社外で円滑な意思疎通を図れる能力が必要とされます。

相手に伝わるよう順序立てて理論的に話せたり、相手の意思や感情を正確に読み取れたり、第一印象で相手に好感を持たれたりするなどです。

仕事においては、好奇心と主体性を持って取り組み、気づきを経て工夫を重ね、自分なりに効率化できる探究心が求められます。

また、定期的に異動があるので、どんな環境でもすぐになじめる適応力が必要です。適応力があれば、新しい業務でも臨機応変に対処できるでしょう。

そして、会社の経営理念を理解し、共感していることが大事です。

企業におけるメンバーシップ型雇用のメリット

では、企業側から見た場合、メンバーシップ型雇用にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

採用コストを減らすことができる

ジョブ型雇用では、スキルを重視するので、すぐに希望の人員が確保できるとは限らず、一年をとおして採用活動を行う必要があります。定期的に求人広告を出すことになるので、採用コストがかさみます。

しかし、メンバーシップ型雇用であれば、新卒の学生を短期間でまとめて採用できるため、ジョブ型雇用ほど採用コストはかかりません。

会社のフェーズに合わせて配置転換ができる

メンバーシップ型雇用でジェネラリストを育成するのは、あらゆる業務に対応できるようにするためです。急に欠員が生じても、すぐに配置転換で補えるので、会社としては安定して業務を継続できます。

会社の状況に合わせて、柔軟に社員を配置できるのも、メンバーシップ型雇用ならではの強みです。

メンバーシップ型雇用を導入している会社では、研修や業務のローテーションなど、年数をかけてジェネラリストを育成できる環境が整っています。

帰属意識の高い社員が増える

長期にわたって同じ会社で働き続けるうちに、社員同士の深い人間関係が構築されます。互いに助け合いながら業務を進めることで、チームワークが強化されるでしょう。

また、長く働いているうちに、会社への愛着や帰属意識が深まり、より会社にとって役に立つ存在になってくれるでしょう。

会社におけるメンバーシップ型雇用のデメリット

メリットがある一方で、メンバーシップ型雇用にはデメリットもあります。

専門的な仕事ができる人材は採用しづらい

メンバーシップ型雇用の会社は、定期的に異動で配置換えを行うため、ジェネラリストを育てやすい反面、スペシャリストは育ちづらい環境です。

専門的な仕事をしなければいけないときは、外注に頼るのが基本になるでしょう。継続して専門的な仕事があるなら、部分的にジョブ型雇用を導入してスペシャリストを探す必要があります。

人件費がネックになることもある

先述のとおり、メンバーシップ型雇用の昇給は年功序列であり、年齢や勤続年数を満たせば、実際の働きぶりとは関係なく、規定の給与を支払うことになります。また、いくら経営不振であっても、簡単には解雇はできないため、人件費が大きな負担となります。

若手社員にとっては、どんなにスキルがあっても、年齢や勤続年数のせいで給与が上がりません。モチベーションが下がって、早期退職の原因になる恐れがあります。

評価制度が曖昧になりやすい

メンバーシップ型雇用の評価は人間性が重視されやすく、直属の上司の主観に左右されがちです。テレワークのように、人間性を把握するのが難しい業務体制では、十分な意思の疎通やマネジメントができず、正しい評価ができなくなる恐れがあります。

学生一人ひとりへの丁寧な対応が難しい

新卒の一括採用はコストを抑えられる反面、学生一人ひとりにかけられる時間が限られるのが難点です。

時間をかけた丁寧な対応ができないため、せっかく内定を出したとしても、学生に「本当に自分が必要なのか」「自分の希望が通らないのではないか」という不信感を持たれる場合があり、辞退されることもあります。

仮に入社しても、直前の対応に不備があれば、なんらかの拍子に不満が出てしまう恐れもあります。

メンバーシップ型雇用での採用を成功させるには

最後に、メンバーシップ型雇用で採用を成功させるポイントについて紹介します。

採用ペルソナを明確にする

一度に多くの学生を採用するので、事前にターゲットとなる人物像を明確にすることが大事です。経営理念を基に、現場がどのような人材を必要としているのかヒアリングを行いましょう。自社で活躍する社員をモデルにするのも方法のひとつです。

ペルソナが定まったら、どのような要素を備えているかピックアップして言語化し、それを面接官共通の評価基準とします。

早期から学生に接触する

早くから採用活動を開始すれば、多くの学生が関心を持って話を聞いてくれるでしょう。遅くなるほど、関心を持ってくれる学生は限られてしまいます。特に大手と比べて知名度が低い中小企業ほど、スタートダッシュが肝心です。

継続的にアプローチを行い、その学生を必要としているという姿勢を見せることが大切です。

自社の魅力を余すことなく伝える

学生にアプローチをするからには、自社の魅力を余すところなく伝えたいですよね。じかにコンタクトを取って説明するのはもちろん、学生の目に触れる機会が多い採用ページを充実させましょう。

自社サイトに採用ページを作る際は、多彩な機能を備えたツールの活用がおすすめです。
採用管理システムのTalentClip(タレントクリップ)なら、誰でも魅力的な採用ページを簡単に作成できます。フォームに必要事項を入力するだけなので、専門的な知識は必要ありません。

さらに、求人票を作成して採用ページに掲載すると、自動的にWorkinやIndeedなどの求人サイトに連携されます。応募者情報は「タレントデータ」として蓄積されるので、必要なタイミングで最適なアプローチが可能です。

メンバーシップ型雇用で、自社に合った学生を採用したいときは、ぜひTalentClipをご利用ください。

まとめ

メンバーシップ型雇用では、自社に合ったジェネラリストを育成できます。社員の会社に対する帰属意識を高められ、状況に応じて柔軟に配置できるのがメリットです。

採用にあたっては、ターゲットを明確にして、早期にアプローチを始めると良いでしょう。

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