
親ブロックとは?内定辞退を防ぐために知りたい基礎知識
内定者が内定辞退をする原因のひとつに、親が就職を反対する「親ブロック」があります。親ブロックによって内定辞退が起こると、せっかく獲得が見込めた将来性の高い人材を逃すことになりかねません。
ここでは、親ブロックが発生する背景と、企業側ができる対策方法を解説します。
この記事の目次
内定辞退の原因となる「親ブロック」に注意!
「親ブロック」とは、就職活動中の学生や転職希望者などの求職者が親の反対を受け、内定を辞退することをいいます。
親ブロック問題が表面化してきたのは、2014年頃です。リーマンショック後、就職活動が買い手市場から売り手市場に転換した頃からいわれるようになりました。
同様の事例として、家族による反対を受ける「家族ブロック」や、既婚男性が妻の反対を受ける「嫁ブロック」が挙げられます。いずれも身近な発言力のある人から反対されることが、辞退に至る要因です。
内定段階で辞退となると、採用計画に影響するだけでなく、これまでの採用コストも無駄になります。企業側の親ブロック対策は、今や必須といえるでしょう。
親ブロックの難しさは「悪意のあるアドバイスではない」こと
親ブロックの多くは子供の将来への不安や心配によるものであり、悪意のあるアドバイスではありません。内定者が親の主張に納得すれば、高い確率で内定辞退へとつながるでしょう。
なぜ親ブロックが起きるのか、その要因について見ていきましょう。
親世代と子世代の考え方の違い
親ブロックの要因のひとつに、世代間の考え方の違いがあります。
終身雇用が当たり前であった親世代は、就職先の企業に安定性を求める人が多い傾向があります。
それに対して、子世代は「転職はキャリアアップのひとつの手段」としてとらえる人がほとんどです。自分が成長できることを求めて就職活動を行う人なら、有名・大手以外の企業を選択するケースも多くあります。
このように就職に対する考え方のギャップから、親が子供の就職に反対することがあります。
もちろん、最終的に子供の意思を尊重する親も多いでしょう。しかし、なかには「子供のスポンサーは自分である」と考える人もいます。
親の発言権が強い家庭であれば、内定者は親の了承が得られないからと、やむなく内定辞退へと至ってしまいます。
景気の悪化による安定志向の強さ
景気の悪化を直に体験している親世代は、大規模なリストラや取引先の倒産を目の当たりにしています。
そのため、親は子供の就職先に対してより強く安定性を求め、大手企業や地元の有名企業への就職を望むケースが多くあります。知名度の低い会社やベンチャーというだけで反対するケースもあるでしょう。
安定性へのこだわりは、景気や社会情勢が不安定になるほど強くなる傾向があります。新卒の就職はもちろんですが、大手企業から中小企業への転職事例でも、将来への不安から親ブロックが発生することがあります。
子供の就職に関する不安要素の多さ
就職に関して不安をもつ親や保護者が多いことも親ブロックの要因です。
長時間労働や違法労働などの「ブラック企業」に関する報道が増えたことにより、労働環境の問題をはじめ、過労死や過労自殺の問題は広く知られるようになりました。
その影響から、「子供にブラックと思われる企業には就職してほしくない」と強く望む親は多くいます。
子供を心配するあまり、自身がよく知らない企業や、イメージの良くない業界への就職を反対してしまうのです。
企業ができる親ブロックの対策方法4つ
親に就職活動について相談する子供は多く、家族からのアドバイスは、就職への意思決定に大きく影響を及ぼすといえます。
子供の就職へのモチベーションは、親に反対されることで確実に下がるでしょう。加えて親が子供のことを思ってアドバイスしているのなら、なおさら反対を押し切るのは難しいでしょう。
親ブロックは、「親の過干渉」と簡単に切り捨てられない問題です。採用側にも親ブロック対策に取り組むことが求められます。
ここでは、企業が親ブロックを防ぐためにできる方法を4つ紹介します。
採用ページや企業サイトを充実させる
保護者の不安を取り除くには、自社を知ってもらうことが重要です。そのために活用できるのが、採用ページや企業サイトです。
親ブロックに至る保護者は、企業について詳しく知らず、業界のイメージから将来性や労働環境に不安を感じているケースもあります。
そこで、採用ページや企業サイトを充実させ、自社の想いや考え方を伝えることが大切です。事業内容を詳しく知ることで、将来の安定性も理解してもらえるでしょう。
また、親自身が、子供が就職しようとしている企業について情報を得るために、ネット検索を行うことも増えています。社内の雰囲気が伝わるコラムや社員インタビューなどを掲載することも、子供が働く姿をイメージしやすくなり、不安の解消に役立つでしょう。
親向けの資料を用意する
あらかじめ保護者にも自社の雰囲気や事業内容、制度などを知ってもらい、子供の就職活動を応援してもらえるように取り組むことも有効です。
親世代には、ネットに不慣れな人も少なくありません。そこで、採用ページや企業サイトの充実とあわせて、保護者向けの会社案内や採用パンフレットを作成して送付すると良いでしょう。具体的な資料を提示することで、誤った認識を解くことができます。
新卒の場合には、保護者向けや保護者同伴での企業説明会を実施する企業も増えています。
手紙の送付や電話をする
子供が内定や内々定を受諾した時点で、保護者へコンタクトを取り信頼を得ることも有効な対策です。
方法としては、手書きの手紙とともに自社製品を送付する、電話で直接挨拶をするなどが挙げられます。
このような取り組みを行うことで、企業への理解が深まり、信頼のおける企業であると保護者に認めてもらえる可能性が高まります。
オヤカクを行う
「オヤカク」とは、内定時に保護者にも入社承諾を取る「親の確認」を略した言葉です。
特に新卒の場合、本人の意思のみで内定を承諾すると、あとで親に関するトラブルが起こるおそれがあります。「オヤカク」を怠ったことで後に親ブロックにつながることもあるでしょう。
「オヤカク」は応募者本人に聞くことも可能ですが、新卒の場合は、承諾書を親に書いてもらうようにするとより確実です。
TalentClip(タレントクリップ)で伝わる採用ページをつくろう
親ブロック対策として採用ページを充実させたいとお考えなら、採用管理システムTalentClip(タレントクリップ)の利用をご検討ください。
TalentClipには、手軽に採用ページを作成できる機能があります。専門知識は必要なく、Wordのように簡単に編集できるため、より自社のことが伝わるページを採用担当者自身で作成することができます。
親ブロック対策のみならず、企業のイメージアップによる応募者獲得にも有効です。
そのほかにも応募者の管理や面接選考、内定者フォローまで一括管理が可能なため、採用担当者の負担を大きく削減できます。
応募者それぞれの採用ステップを記録しておく機能もあるため、保護者への対応をはじめとした各応募者とのやり取りも記録可能です。採用活動の初期段階での親ブロック対策としても活用できます。
まとめ
内定辞退を防ぐには、親ブロック対策は欠かせない施策のひとつです。親ブロックが起きる原因の多くは、イメージだけが先行し、企業に対する理解が進んでないことにあります。
親ブロックを防ぐには、採用ページや企業サイトを充実させるほか、保護者向け資料の作成や説明会の実施などを通じて、自社についての理解を深めてもらうことが重要です。