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新卒採用に失敗する企業には特徴がある!?傾向と対策を紹介

企業が新卒採用に失敗すると、必要な人材を確保できないだけでなく、採用活動にかけた時間や費用が無駄になってしまうため、会社にとっては大きな損失となります。

たとえ、採用できたとしても、早期に退職されると再度人材の募集が必要です。早期退職が起きると、また一から、採用活動を行わなくてはなりません。

本記事では、新卒採用に失敗する理由や、失敗を防ぐ方法について紹介します。

新卒採用における「失敗」とは

まずは、どのようなときに「新卒採用に失敗した」というのか、事例を見てみましょう。

応募者が少ない

募集をかけても応募者が少ない場合や、自社に興味や関心をもつ母集団が形成されないと、その企業は「採用に失敗した」といえます。

応募者が少ない理由は、学生がその企業に「魅力を感じない」ことや、そもそも「存在を知らない」ことも考えられます。

また、求人広告の内容が、応募者が求めている内容でない場合も、応募率が下がる原因になります。

選考・内定辞退が多い

応募があっても、選考中や内定後の辞退が多いと「新卒採用に失敗した」といえます。学生の多くは、複数の企業に並行して応募しています。

そのため、自社の魅力を応募者にうまく伝えられていない場合は、ほかの企業に目が向いてしまうものです。

また、担当者の対応が不適切であると、応募者はなんらかの不満を感じてしまい辞退につながるため、注意しましょう。

入社後、期待したほどの成果が出ていない

応募者を採用できたとしても、人材スキルに期待したほどの成果が出ていない場合も「新卒採用に失敗した」といえます。

企業側の採用基準が不明瞭な場合に多く起こるケースです。企業と新入社員とのミスマッチを防ぐためには、採用基準の明確化が大事です。

たとえ、ミスマッチが起きた場合でも、新卒であれば中途採用よりも柔軟性が高いため、まだ教育の余地はありますが、それでも伸び悩んでしまう人材はいるでしょう。

期待したほどの成果が出ていないと、結果として、上司や一緒に働く社員の負担が大きくなってしまい、費用以上の損失に発展する場合もあります。

定着率が低い

定着率が低く一向に改善されない場合は、求人のターゲット層となる、ペルソナ設定が不適切であることも考えられます。

また、働き方が多様化している現代において、最近の学生は、「ひとつの企業に長く在籍しよう」という気持ちが低下傾向にあります。

そのため、労働条件や待遇、人間関係、福利厚生などのミスマッチにより、自分に合わない場合や、ほかに良い条件の企業があると、安易に転職しがちです。

実際に、新卒から3年以内であれば、「第二新卒」といわれて、十分に転職市場での需要があることも、離職に関係しています。

定着率を改善するためには、入社前にミスマッチを防ぐ対策が必要です。

新卒採用に失敗する企業の5つの特徴

続いて、新卒採用で失敗しやすい企業の特徴を見てみましょう。

1.企業の認知が不十分

応募者を増やすためには、まず学生に会社の存在を認知してもらうことが大事です。

企業の知名度が低い場合、学生はその企業の福利厚生の充実性などを懸念し、関心を示しません。たとえ知名度があっても、学生に企業の魅力が伝わっていないと、「応募したい」という気持ちが働かないでしょう。

学生にとって、企業との接点になるのが求人情報です。自社で対応できる媒体には、採用サイトや会社説明会、就活サイト、インターンシップ、大学での広報活動、SNSなどがあります。

ただし、学生が必ずしも求人情報すべてを見ているとは限りません。見ていたとしても、内容が文字中心の経営理念や募集要項のみであれば、学生は魅力を感じずに、ほかの企業に目移りする可能性があります。

自社を認知してもらうためには、会社案内が学生の目に留まるように、掲載する媒体を厳選して内容を充実させるなどの対策が必要です。

また、新卒採用の戦略には、PDCAサイクルをまわすことも重要です。
たとえば、前年の課題を挙げて計画を立て、実行・検証を繰り返すことで、次年度の採用計画に活かせるでしょう。

2.欲しい人材の基準が不明瞭

人材不足により、さまざまな部署が早急に社員を必要とするあまりに、欲しい人材の基準が定まっておらず条件が不明瞭なまま、採用活動を行っているケースもあります。

本人の雰囲気や受け答えなど、漠然とした印象で判断してしまうと、会社が必要とする能力や要素を見落としかねません。

採用するには、不足している人員の補充や、将来の幹部候補になる人材の育成など、なにかしらの目的があるはずです。そのうえで、具体的にどのような性質をもった人材を必要としているのか、明瞭にする必要があります。

欲しい人材の基準が不明瞭なままでは、応募者も企業の期待に応えることができず、結果、早期離職が起こってしまうのです。

3.経歴詐称やスキル不足を見抜けない

応募者の中には、自分を良く見せるために、背伸びしている学生も少なからず存在します。

面接官の採用ノウハウが不足していると、応募者の経歴詐欺やスキル不足を見抜けないケースも出てきます。

書類選考や面接など、限られた時間の中で応募者の本質を浮き彫りにするには、面接官の採用ノウハウを高めることも重要です。

たとえば、応募者に質問を行うときは、答えの結果のみを重視するのではなく、プロセスについて掘り下げるなど工夫が必要です。

4.選考期間が長すぎる

先述のとおり、学生の多くは複数の企業に並行してエントリーしています。そのため、面接回数が多く選考期間が長すぎると、先に内定を出した企業に就職が決まってしまい、優秀な人材を逃してしまいかねません。

確かに、丁寧に時間をかけて選考を行うのは、自社にとって大事なことです。しかし、選考期間が長すぎることで、応募者を待たせていることを忘れてはいけません。

合否の判定に時間がかかる場合は、先に述べたように、欲しい人材の基準を明瞭にしておくことで、選考が時短できるうえにミスマッチが起こりにくくなります。

5.入社後のフォロー体制がない

人的リソースが不足している企業では、教育担当者がいないことから、入社後に必要最低限の指導だけを行い、後は現場で働きながら覚えるOJTに切り替えるケースが目立ちます。

しかし、社会人になったばかりの新入社員を即戦力として期待値を上げると、本人だけでなく職場全体にとっても負担になってしまいます。

企業側が、採用者にもつ即戦力のイメージ、あるいは期待度が強くなってしまうことで、育成に関する観点が低くなることが原因のひとつです。

新入社員のモチベーションが下がってしまうと、一人前になるのを待たずに退職されてしまうため、また新人を受け入れて一から教育のやり直しになります。

新卒採用を成功させるためには、新人社員が現場に配属された後も定期的なフォローや研修を行い、成長をサポートするのが望ましいでしょう。

新卒採用に失敗しないための対策

最後に、採用の失敗を防ぐためにできる対策を3つ見てみましょう。

新卒採用したい人材像を明確にしておく

選考期間が長引いたり、入社後に伸び悩んだりするのを防ぐには、あらかじめ採用したい人材のペルソナを明確にすることが大事です。そのためには、配属先となる現場の上司や社員から、どのような人材を必要としているのか、ヒアリングしておきましょう。

ヒアリングの結果を元にして、ペルソナとなる人物はどのようなスキルや経験が必要か分析して、可視化します。

こうして完成したペルソナとの共通点を採用の基準にすることで、面接の合否も短期間で判断できます。

新卒採用のように、大人数が必要な場合は、企業内ですでに活躍している若手社員をモデルにして、ペルソナを作成しても良いでしょう。

採用手段の見直し

あらゆる採用手段で学生にアプローチしても、実際に成果や結果がどうなったか分析しなければ、新卒採用にかかる費用が無駄になります。

採用媒体や方法など、数々やったものの中から、問い合わせやエントリーなど反応が多いものだけに絞り込むと良いでしょう。絞り込みによって、企画やコンテンツ作り、応募者管理など、採用担当者の手間も減らせます。

専門のツールを活用するのも効果的です。たとえば、TalentClip(タレントクリップ)は、テンプレートに必要事項を入力するだけで、見映えの良い採用サイトや求人票を作成できます。各求人サイトから応募者の情報を取り込んで、データベース化するのも簡単です。データベース化しておけば、人材を必要とするときに、すかさずアプローチできます。

自社の魅力を発信する

ホームページやSNS、採用サイトや就活サイトで常日頃から情報を発信しましょう。企業紹介や写真付きで社員紹介を行うことで、社風や実際の雰囲気を知ってもらうことができます。

社内コミュニケーションが盛んなことは、企業にとっても大きな魅力です。社内イベントや交流会などもアピールすると良いでしょう。同業他社との差別化を図る上でも最適な方法といえます。

自社に興味を持ってもらえそうな親しみやすい内容を発信し、入社意欲を高めることが重要です。

入社後のフォロー体制を構築する

入社後の新入社員は、不慣れな環境で多くの不安を抱えています。少しでも、不安を解消できるように、採用担当者だけでなく社内全体でフォローする体制を構築しておきたいところです。

たとえば、新入社員への「声かけ」「メンターをつける」「フォローアップ研修を行う」などの方法があります。内定後にガイダンスを行って、企業について知ってもらうのも効果的です。

ほかにも、イベントや交流会を実施すると、社員同士のつながりが生まれて、社内コミュニケーションも活性化されます。

まとめ

新卒採用に失敗するのは、「企業に対する認知が不十分」「欲しい人材の基準が不明瞭」「応募者への配慮が不足」していたりするからです。

採用手段を見直して人材像を明確にし、フォロー体制を構築することで、失敗を防げるようになるでしょう。

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