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採用担当者必見!採用計画の立て方をわかりやすく解説

2021年12月10日

採用計画は経営状況や世情、人材育成計画など数多くの要因によって毎年大きく異なるものです。とくに近年は転職がマイナスイメージをもつことは少なくなった事情もあり、退職の可能性も考慮した採用計画が求められます。

具体的に計画を立てる前に、まず基準とすべき考え方について理解しておきましょう。ここでは前準備として重要な情報の整理方法とともに、採用計画の具体的な作成の流れについて紹介します。

採用計画とは

採用活動を成功させるためには、採用計画が必要です。
採用計画とは何なのか詳しく解説していきます。

採用計画は自社の採用方針

採用計画とは、自社の採用方針を定めたものです。部門ごとに必要な人員数を調べたり、どのような人物像を採用の基準とするか決めたりします。採用計画を策定することによって採用時の人材の偏りを防ぎ、必要な部門や部署に最適な人員配置を行います。

ただし、単純に採用したい人数を取り決めるだけでは十分な採用計画とはいえません。まずは自社の採用課題を洗い出す作業が必要です。

人材採用は現場の人員不足を補うだけのものではなく、事業計画の達成に結び付くものとなることを最終目的としましょう。そのためには、課題に沿った採用活動につながる指標(採用計画)であることが求められます。

採用計画を立てる必要性

採用活動を成功させるためには、自社に適した採用計画を立てる必要があります。もし採用計画を立てずに採用活動を行った場合、どのようなリスクがあるのでしょうか。

ここでは、採用計画を立てる必要性について解説していきます。

求める人材から応募されやすくなる

採用計画は求める人材を明確にすることからはじまります。なぜなら、求める人材を決めると募集内容も明確になるため、応募者とのミスマッチが起きにくくなるからです。

また、採用担当者が複数いる場合に、採用の方向性を一致させるうえでも非常に重要です。

入社後の早期離職を防ぐためにも、自社の求める人材から応募を集めることは非常に重要といえるでしょう。

事業計画に基づいた採用活動ができる

採用計画では、採用の目的についても明らかにしていきます。採用の目的を事業計画と紐づけることで、ゴール(事業計画の達成)を意識した採用活動を行えるでしょう。

また採用活動の意図を設けることで、求める人材を採用するためにどういった施策を行っていくべきかが明確になり、効果的な採用活動を実施できるようになります。

たとえば、事業計画の達成に必要なスキルをもった人材を採用するために採用基準を見直したり、利用する求人媒体を変更したりするなど、狙いを定めた採用活動を行えるようになるでしょう。

人材採用は綿密な採用計画があってこそ成功する

もし採用計画を策定しないままに採用活動をスタートしてしまうと、企業は見通しを立てずに採用活動を行うことになります。

単なる人員の補充と考え採用を進めていくと、エントリー数や内定者の人数といった数字ばかりを追いかけてしまいやすくなり、採用のミスマッチや人件費などのコスト増加といったリスクが高くなります。

採用のミスマッチによって早期離職者や内定辞退者が続出すれば、それまでの採用活動がすべてムダになってしまうでしょう。

また、採用活動は時代に合わせて変化していくため、新しい施策を実施する予算を確保しておかなければなりません。特に、あまり採用にコストを割けない企業では、大きな痛手となるはずです。
人材採用を成功させるためには、綿密な採用計画を立てる必要があります。

採用計画の立て方【調査編】

綿密な採用計画を立てるためには、事前に調査すべきことがあります。ここでは、調査する内容を具体的に見ていきましょう。

採用市場の動向を調査

はじめに行いたいのが、採用市場の動向の調査です。採用市場の動向は毎年変化しています。そのため、業界のトレンドや、求める人物像がどのような志向で就職活動をしているかを情報収集する必要があります。

たとえば、業界の有効求人の件数が多ければ、良い人材の取り合いとなります。そのような場合には、採用基準を低くするなどの対応が必要です。また、求める人物像の志向を軽んじると、社風に合わないなどの理由で、入社しなかったり、入社後の定着率が低くなったりします。このようなことが起こらないためにも、採用市場の動向を調査することは重要です。

自社の採用力を把握

採用市場の動向の調査とともに重要なのが、自社の採用力を把握することです。自社の採用力を的確に把握することで、より適切な採用計画を立てることができます。

自社の採用力とは予算や人員、体制など、会社の採用に対する総合的な力量のことです。自社の採用力を把握するには、これまでの採用実績を振り返る必要があります。これまでの採用実績を振り返ることで、自社の採用力だけでなく、問題点や改善点も見つかります。

たとえば、採用コストに無駄はなかったか、採用スタッフや採用システムなどの採用体制は十分であったか、通過率や早期離職の発生率は正常範囲内か、現場担当者の面接時に不採用が起きている場合は採用基準に問題はないのかなどを確認します。

競合他社の分析

綿密な採用計画を立てるためには、競合他社の分析も重要です。競合他社の分析は、採用市場のなかでの自社のポジションを理解するために行います。ここでいう競合他社とは、業界が同じというよりも、採用ターゲットが似ている企業のことです。

業界が同じでも、大企業と中小企業では、採用ターゲットが異なることも多いです。そのため、採用ターゲットが似ている企業を分析します。

競合他社の分析でまず行うことは、競合他社の採用手法の把握です。また、競合他社のターゲット、賃金、採用人数なども把握し、自社と比較検討して問題点や改善点を見つけましょう。

採用計画の立て方【計画編】

必要な調査をしたら、次は採用計画を具体的に立てていきましょう。全体像を作成するのではなく、項目ごとにわけて考えることがポイントです。

採用体制の策定

採用計画の中心となる人物、採用担当者の選定が最初のステップです。同時に人材募集の背景にある採用課題を洗い出して最適な予算配分を行います。

採用予算は、以下のとおり内部コストと外部コストに分けて考えましょう。

・内部コスト…人件費・交通費など
・外部コスト…媒体への求人掲載料・人材紹介サービスの費用など

採用人数は部門や部署ごとに必要な人数を割り出し、規模に合わせた受け入れ体制も整えなくてはなりません。

採用活動のスケジュール

担当者や予算などが決まったら、次はスケジューリングに進みます。まずは募集から内定までのスケジュールを逆算して大まかな日数を把握しましょう。

目安としては、求人掲載から内定まで約3か月です。業界や職種によっては集まりにくい傾向もあるため、募集内容も考慮して余裕のあるスケジュールを組むことをおすすめします。

また、採用通知を出す期間も重要です。近年は、より人材を確保しやすくするために採用のスピード化が進んでいます。もし、採用通知が遅くなると、ほかの会社への就職を決めてしまうなど、良い人材を逃してしまうおそれがあります。

社内で採用する人材を素早く決定し、できるだけ早く採用通知を行えるスケジュールを考えましょう。

求める人物像の整理

採用時のミスマッチや早期退職を防ぐための重要なステップが、求める人物像の整理です。「コミュニケーション能力のある明るい人」を採用したいと考えるのは、どのような業界でも共通しています。しかし漠然とした採用基準では、能力不足の人材を雇い入れてしまいかねません。

採用計画では、より明確に求める人物像を定義しましょう。応募条件となる経歴や必須スキルは、最低限策定しておきたいポイントです。候補者の均質化につながり、より慎重な選考ができます。

また、会社のそれぞれの部署でどのようなスキルや知識をもった人材が必要なのかもヒアリングしましょう。

それぞれの部署でヒアリングすることで、より明確に必要な人材の要素を確定させることができます。ヒアリングにより明確にしたほうが良い項目には、次のようなものがあります。

・スキル(専門知識や資格など)
・能力(コミュニケーション能力やストレス耐性能力など)
・経験(これまでの就職経験や学生時代の経験など)
・行動特性(性格、価値観など)
・勤務条件(待遇、勤務場所、勤務時間など)

会社や部署によっても異なりますが、一般的に、新卒を採用する場合と中途採用をする場合では、重視する内容が異なります。新卒の場合は、経験よりもその人のポテンシャルを見るために、能力や行動特性を重視します。

中途採用の場合は、年齢や求める人材にもよりますが、基本はポテンシャルよりも経験やスキルを重視します。

採用基準の見直し

これまでの採用活動で、能力や定着率の低さなど何か問題点がある場合は、採用基準の見直しを行う必要があります。採用基準の見直しをする際には、採用後のミスマッチを防ぐためにも、まずは求める人物像を明確にし、採用基準を見直しましょう。

採用基準は、定性的と定量的の両方の基準から判断します。定性的な基準とは能力や価値観のことで、定量的な基準とは実績や成績のことです。定性的と定量的の両方の基準を作ることで、十分な能力をもった人材だけでなく、社風になじめる人材を確保することができるようになります。

また、コンピテンシーを採用基準に落とし込むのも効果的です。コンピテンシーとは、成功する人がどのような行動をし、どのような考え方をもっているのかを示したもので、社員の評価基準にしている企業も多いです。このコンピテンシーを採用基準にも落とし込むことで、活躍しやすい人材を採用することができます。

4.募集方法の選定

応募者数を左右することもあるため、募集方法の選定も重要です。一般的には、以下の媒体や方法があげられます。

・コーポレートサイトのリクルートページ
・自社単独の採用サイト
・ハローワーク
・複数社との合同イベント(合同説明会・転職フェアなど)
・求人媒体(求人サイト・求人誌など)
・ダイレクトリクルーティング
・ソーシャルリクルーティング(SNSアカウントへのコンタクトなど)
・リファラル採用(社員からの紹介)
・アルムナイ採用

従来は求人媒体や自社のリクルートページ、リファラル採用などが主流でした。近年はSNSを活用したソーシャルリクルーティングや自社に合った人材を積極的に発掘するダイレクトリクルーティングも活発化しています。また、コーポレートサイトやブランドサイトとは切り離して単独で作成された採用サイトも注目されている方法のひとつです。

活用する媒体や方法によってコストも大幅に異なるため、予算やスケジュールも考慮して定説な募集方法を選びましょう。

採用計画の立て方【選考編】

実際の選考も、採用計画を立てる際に重要になります。
選考方法や面接評価、内定者フォローについて考えておきましょう。

選考方法

採用する人材の選考は一度だけではありません。一般的には次の3回の選考を行います。

・書類選考
・筆記試験
・面接選考

各選考で、どのような内容の問いかけをするのか、どのような基準で合否の判定をするのかをあらかじめ決めておく必要があります。もちろん、選考日や期間についても計画に盛り込みます。

面接評価シートの作成

選考においては、どのような基準で合否の判定をするのかをあらかじめ決めておく必要があります。特に面接選考の場合は、筆記試験のように最初から試験結果が数値で可視化されるものではないので、しっかりとした基準をあらかじめ作成しておくことが重要です。

そこで必要となるのが、面接評価シートの作成です。自社の採用基準に基づいて、面接評価シートを作成しましょう。

面接評価シートでは、合格ラインを具体的に設定しなければなりません。合格ラインを具体的に設定することで、明確な基準で人材を採用できるとともに、後の検証にも役立ちます。面接評価シートにおける明確な基準とは、評価点とそれぞれの状態(状況)を言語化することを指します。

内定者フォロー

選考の採用計画を作成する際に忘れてはいけないことが、内定者フォローです。内定辞退を減らすことは、採用の目標をクリアするのに、必要不可欠です。
そこで、内定者のフォローをしっかりと行い、内定辞退を減らしましょう。内定者のフォローをしっかりと行うためには、内定者の悩みごとや相談に乗る体制を作っておく必要があります。

また、内定者交流会を開くなどの内定辞退を減らすための施策を行うことも重要です。内定承諾率を上げるための施策については、次の記事で詳しく解説しています。ぜひ、参考にしてください。

採用計画を管理する方法

採用計画を立てたら、計画通りに進んでいるのかを管理する必要があります。そこで、次に採用計画を管理する方法について見ていきましょう。

エクセル

採用計画を管理する方法として、昔からよく使われているのが、エクセルです。エクセルでテンプレートを作成し、ガントチャートなどで進行具合などを管理していきます。エクセルは、コストが抑えられるといったメリットがありますが、複数の人で管理すると人的ミスが発生しやすいデメリットもあります。

Googleスプレッドシート

Googleスプレッドシートも、採用計画を管理するためによく使われている方法です。Googleスプレッドシートでは、無料で利用できるテンプレートが用意されており、Googleアカウントをもっていれば誰とでも共有することができます。Googleスプレッドシートについても、人的ミスが発生しやすいデメリットもあるので注意しましょう。

採用管理システム

採用計画をよりしっかりとした方法で管理するなら、採用管理システムを導入しましょう。
採用管理システムを導入することで、採用管理を一括で管理でき、採用活動の情報を社内で共有しやすくなります。管理者を制限することで、人的ミスをなくすことも可能です。

採用管理システムを使って採用活動を管理するなら、TalentClip(タレントクリップ)をぜひご利用ください。TalentClip(タレントクリップ)なら、募集から内定者フォローまでを一括管理できるだけでなく、求人広告の作成や応募者の管理まで行うことができるので便利です。

まとめ

採用計画は、自社に必要な人数や採用にかけるコストのみを考えれば良いというものではありません。部門や部署が求める人物像はもちろん、業界全体の採用市場や退職の可能性も視野に入れて考えることが重要です。

前回の採用計画と実績を参考にしたり、4C分析を求職者に置き換えて考えたりと、客観的なデータも参考にしましょう。

採用方法やスケジュールなども含め、あらかじめ採用計画をこまかく立てておくことで、入社後の早期退社や内定後の辞退防止にもつながります。

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