採用力をクリエイトするメディア

応募数アップが見込める「求人票の書き方」を解説!

2023年2月27日

同じ業界・職種で似たような給与条件であっても、Aの求人票には応募者が殺到するのに対し、Bの求人票には応募が数件しかこない、というケースは少なくないでしょう。

応募がこない原因として企業の知名度や条件が真っ先に思いつくものですが、必ずしもこれらが原因とは限りません。

応募が来ない原因は、企業や条件ではなく求人票そのものにあります。条件が悪いわけでもないのに人材が集まらないときは、一度見直してみましょう。

ここでは求人票の書き方や作成時の注意点について紹介します。

求人票に記載すべき項目

求人票の書き方でまず注意すべきは、必ず記載しなければならない項目が職業安定法によって定められていることです。

以前も業務内容など募集時に明示しなくてはならない項目はありましたが、平成30年の法改正により、現在は以下の項目が記入必須となりました。

・業務内容(一般事務など)
・契約期間(とくにない場合は「期間の定めなし」が必須)
・試用期間(使用期間の有無と具体的な日数や月数)
・就業場所(本社ではなく実際に終業する場所)
・就業時間
・休憩時間(法により勤務時間に応じた休憩時間が必要)
・休日
・時間外労働の有無(平均的な時間の記入も可能)
・賃金
・加入保険(雇用保険や労災保険など)
・募集者の氏名もしくは名称
・雇用形態(派遣の場合は「派遣労働者」の記入が必要)

注意すべき点は、就業時間・時間外労働と賃金の項目です。

立場や職業によって採用されることのある裁量労働制は、実働時間による給与計算ではありません。そのため正確な就業時間や時間外労働が記入できないことから、「裁量労働制により、〇〇時間働いたことと見なします」と目安となる時間の記入が必要です。

また、賃金も固定残業代(実働時間ではなくみなし残業代をあらかじめ加算する方法)を採用している場合は、目安となる時間と加算される金額を記入します。仮に10時間分をみなし残業代として加算する場合、10時間を超えた場合の割増賃金についての支給についても併記しましょう。

3つの避けるべき表現

好条件で項目を満たすことで多くの応募者を集められる可能性が上がりますが、誇張した表現や虚偽の条件は提示を禁じられています。また、業種や職種によって求める人物像は多種多様ですが、一部の条件は求人票に記載することができません。

求人票を作成するときは、以下にあげる3点に注意しましょう。

性別を限定しない

一部の例外を除くと、いかなる業種や職種であっても男女どちらかを排除するような募集条件は認められません

たとえば以下のような記入は避けるべきです。

・男性のみ募集
・女性のみ、男性の応募は不可
・女性は未婚に限り可能
・採用予定人数の性別明記(男性5名・女性3名など)

女優や巫女など職業柄性別が固定されているものは、上記の限りではありません

「営業マン」のように、男女雇用機会均等法によって書き方次第で不可となる可能性がある点にも注意してください。(「営業」や「営業マン(男女)」の表記であれば問題ありません)

年齢を限定しない

人材教育の観点から、若い年齢層の人材を積極的に採用したいと考える担当者は多いでしょう。しかし、法によって応募者を年齢で判断することは禁じられています。

若者向けファッションを取り扱うショップの場合、店員も同年代のスタッフを集めたいものですが、求人票に特定の年齢を優遇すると明記することはできません。ショップ側ができる対策は、間接的な表記で求める人材からの応募割合を増やすなどの工夫です。

「アパレル店員:20代のみ応募可」の書き方は禁じられていますが、「アパレル店員:年齢不問(当店は20代向けのファッションブランドです)」と書くことはできます。

募集元のカラーやターゲット層を記入することにより、年齢不問としつつも求める年齢層の人材が集まりやすくなります。

特定の人を差別しない

求人票には人種や居住地などで差別する旨の記載をしてはいけません。たとえば、「日本国籍の方」や「〇〇市にお住まいの方」などの表現を使って募集することはできないので注意しましょう。

このほかに、出身地や身体的特徴、家庭環境などに関する記載も差別的な表現として扱われます。求人票を作成する側が、差別する意図がなくても、求職者から見て差別だと受け取られてしまうこともあるため注意しましょう。

差別意識の有無だけではなく、受け取り手が不快に感じる表現を避けることも大切です。

また、求人票にはテキストだけでなくイラストなどを掲載することもあるでしょう。そのような場合にも、差別していることを連想させる内容は避けましょう。

【例文あり】良い求人票の特徴とは

応募が見込める求人票と応募が集まらない求人票の違いについて、例文を挙げながら説明していきます。

応募が見込める書き方

応募が見込める求人票の特徴は、入社後のことを具体的にイメージしやすいように記載されていることです。給与や休日、就業場所などに関しても、具体的で詳しく記載されています。仕事に関しても、どんな業務内容で何を行っているのか、あるいは会社が求職者に求める内容が盛り込まれています。

たとえば、サービス業の求人であれば、次のように記載すると求職者からの応募が見込めます。
「新規店舗オープンにつき、オープニングスタッフを募集いたします。営業時間は11:00~22:00です。具体的な仕事内容は、お客様を店内へご案内するまでの対応・接客のほか、電話・受付業務、書類や伝票のコピー・ファイリングなどを行っていただきます。また、店舗内の簡単な清掃をお任せすることもございます。研修制度があり、丁寧に仕事を教えますので、接客が未経験の方もご安心ください。」
休日を記載する際には、次のように具合な数字を明記します。

週休2日制(月に7~8日程度 曜日は固定されていません。)
年末年始休暇5日間
有給休暇(令和2年度取得実績60%)
慶弔休暇
産休・育休

また、製造業の求人票において勤務地を記載するような場合には、次のような記載方法が良いでしょう。

希望に応じて以下のいずれかの工場に配属になります。
・東京都板橋区
・千葉県千葉市
・神奈川県横浜市
転勤はありません。

介護職の給与に関していえば、次のように諸手当を記載することで、給与水準が同じくらいの同業他社と差別化を図ることができます。

月給20万円以上+賞与年2回
時間外手当支給。残業は月10時間程度。
上記のほかに通勤手当、資格手当支給。

応募が集まらない書き方

応募が集まらない求人票は、具体性に乏しい記載ばかりで、求職者の知りたい情報が記載されていないのが特徴です。あいまいな表現では応募者も入社後のことをイメージしにくく、応募してみようという気になりません。

サービス業の仕事内容の例として次のような場合がそれに当たります。

「お客様にぴったりな賃貸物件の提案。未経験者でも安心して働けます。」

このような記載では、何を基準に安心といっているのかが明確ではなく、求職者も具体的な仕事内容をイメージすることができず、本当に安心して働けるのか疑問に思う人もいるでしょう。

休日を記載する際にも、「週休2日制、有給休暇あり。」といった書き方は求職者にとって親切な書き方ではありません。

この場合だと、週に2日間の休日があることは分かっても、曜日が固定されているのかどうかが分かりません。有給休暇に関しても、実際にどの程度取得されているのか分からなければ、求職者も応募しづらいと感じます。

給与に関しても次のような記載では応募は来ないと考えるべきでしょう。

「月給20万円」

このようにただ月給額を記載するだけでは、固定残業代が含まれての月給かもしれないため、「残業代別」などと明記している他の会社に応募されてしまいます。

そうならないためにも、こちら側が提示する条件が一目で分かるように伝えることが大切です。

求人票作成のコツ

より多くの応募を集めるためには、法に基づいた記入方法を守ることに加え、書き方に工夫を凝らす必要があります。応募者の立場で求人票を見て、疑問や不安に思う項目がないか確認しましょう。

求人票を魅力的にするコツは、以下の4つです。

ターゲットを明確にする

採用したいターゲットを明確にしなければ、魅力的な待遇であっても応募者は集まりにくくなります。具体的に人物像(ペルソナ)を作成して、募集項目を整理します

・どのような性格・人柄が欲しいか
・必要な資格や能力は何か
・歓迎するスキルは何か
・最低限求める業務経験の期間はどの程度か

「経験あり歓迎」よりも「業務経験2年以上ある方歓迎」などより具体的な表記のほうが欲しい人材が集まるため、おすすめです。

分かりやすい言葉で書く

誰が読んでも分かりやすい表現方法を用いることが重要です。誤解を招くような書き方や、人によって判断が分かれる書き方はできる限り避けましょう

また、ターゲット層を明確にした上で、響く言葉を用いることが大切です。たとえば、IT系やWeb系の求職者を探しているのであれば「在宅勤務可」や「フレックスタイム制」のような言葉を用いることで、自然と求職者の目を引くことができます。将来的に管理職になるような人を採用したいなら「リーダー候補」のような言葉が効果的です。

業務内容や勤務時間についてはイメージしやすいように、1日の流れを詳細に記載すると良いでしょう。たとえば、出社時刻や勤務開始時刻、休憩、退社時刻などです。

高収入と記入しても、元々の基本給が高いのか、あるいは基本給が安くて残業手当が多いのかでは印象がずいぶん変わります。条件や待遇は明確に記載することで、ミスマッチを防ぐことにもつながります

在宅勤務に関しては、1週間に何日程度なのか記載した方が良いでしょう。フレックスタイム制の場合、コアタイムを設けている旨を具体的に記載する必要があります。

もし記載がなければ、出社や退社の時間が完全に自由なものだと誤解される可能性があります。

書き方のポイントは業務内容や入社後の生活をイメージさせることです。

単純に営業事務と書くのではなく、「営業が外回りに集中できるよう資料作成やアポイントの電話を行います」と具体的に書くことで、求職者も応募しやすくなります。

写真で視覚的にアピールする

テキストだけでなく、写真も活用すると良いでしょう。テキストだけでは伝えられる情報も限られてしまうため、写真を掲載することで視覚的な情報も加わり、より具体的なイメージを伝えることができます。

仕事内容や職場環境などを具体的に記載した場合でも、テキストだけだと伝わりにくいこともあります。その点、写真があれば求職者もその会社で働いている自分をイメージしやすくなります。

ただし、写真をただ掲載すれば良いというわけではありません。ぜひこの会社で働きたいと思えるような写真を選ぶようにしましょう。たとえば、社員が実際に仕事をしている職場の風景などがおすすめです。

また、求人媒体によっては、求人票に写真を掲載できないこともあります。そのようなときには、会社のホームページのURLを求人票に掲載すると良いでしょう。

自社ならではの特色を押し出す

多くの応募者を獲得するためには、似たような条件を提示する他社との差別化は欠かせません。自社ならではの特色を押し出し、魅力や強みをアピールしましょう。

・月平均残業時間が少ない(○○時間以下、など)
・産休や育休の制度が充実している(前年の取得率を明記)
・長く在籍する社員が多い(定着率〇〇%、など))
一見ありふれたように思える条件や待遇であっても、細部を見ると他社にはない魅力を持っている可能性があります。

このような求人票の作り方など、採用や求人に関するお役立ち情報をほかにも知りたい方は、以下の資料で解説しています。ぜひご覧ください。

求人お役立ち情報の資料をダウンロードする

TalentClipを活用しよう

現代では、インターネットがあらゆる年齢層にとって身近なものとなっています。求人票のみをアナログな方法で提示する必要性はないでしょう。

ハローワークや大学に提出することも重要ですが、特定の媒体のみにこだわる方法はもったいないといえます。求人票のみをアナログな方法で提示する必要性はなく、より多くの媒体や方法を活用することで、応募者の増加や企業名のブランディングにもつながります。

TalentClip(タレントクリップ)は、求人サイトWorkinやIndeed、Googleしごと検索と連携により作成した求人票を有効に活用することができます。自社オリジナルの採用サイトで作成と運用が簡単に行えるため、オンライン上で積極的な募集を行うことができます。

採用サイトはテンプレートが用意されているため、必要なのは文章と画像のみです。Webの知識を有していない方でも、短時間で自社のイメージに合ったサイトが完成します。

まとめ

求人票の書き方次第で、企業イメージが左右されることもあります。事業の都合上、特定の性別や年齢層のスタッフを多く採用したい場合であっても、書き方を工夫しなければ法に触れかねません。

そうならないためにも、まずは求人票で守るべきポイントや注意点を理解しましょう。適切な書き方を知ったうえで更に工夫すると、他社よりも多くの優秀な人材を獲得できます。

インターネット上でも広く募集したいときは、自社のオリジナル採用サイト作成や、求人サイトへの掲載を手軽に行える「TalentClip」をぜひご活用ください。

この記事をシェア:
採用お悩み解決