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【中途採用】給与の決め方4つを紹介!起こりがちな給与トラブルとは

2023年3月1日

中途採用を行った際、採用者の給与に悩むことはあると思います。経歴・スキルが十分でも、実際の働き具合は働いてもらわなければわからないことばかりです。

しかし、自社での実績のなさから金額を低く設定しすぎると、内定辞退や早期退職などが起こり、せっかくの人材を逃すことになりかねません。

そこで今回は、中途採用の給与の決め方やトラブル防止策について、失敗事例と合わせて解説します。

中途採用の給与の決め方4パターン

中途採用者の給与は、何を基準に決めたら良いのでしょうか。まずは、中途採用の給与の決め方を4パターンご紹介します。

前職の給与を考慮に入れて決定する

中途の求職者は、前職と給与を比較して職探しをすることも多く、前職よりも給与が低い場合、選考や内定を辞退されるおそれがあります。

そのため、希望に合う優秀な人材を獲得するために、前職よりも高い給与を提示する企業も多いです。

応募者に前職の給与額をヒアリングするなどして、前職の給与とバランスが取れる金額を考えてみてください。

自社の相場を基準にして決定する

年功序列型の給与体系を取り入れている会社に多くみられます。「年齢」という事実をもとにしているため、自社の相場を反映させやすく、すぐに決定、提示ができます。これからどの程度給与が上がっていくかも示すことができるため、応募者との認識の齟齬が生まれることを防げます。

ただし、最近では能力給などを取り入れている会社も多いでしょう。自社での職務能力をはかることは難しいため、配属される職種の専門性や前職での実績をもとに、既存社員の給与とバランスを取りながら設定することになります。

競合他社と比較して決定する

自社にとって魅力的な人材を獲得したいときには、転職サイトや賃金構造基本統計調査などから競合他社の給与を調査し、その金額を上回る給与を提示するのも良いでしょう。

複数の他社企業の給与を参考にすることで、適切な相場を提示しやすくなり、採用者も自身の能力を正しく評価してもらえたと、満足してもらいやすい方法です。

業績や成果をもとに決定する

中途採用者の過去の成果・実績をベースに給与を決める企業もあります。方法としては、過去の成果・実績を証明する資料などを提出してもらって給与額を決めます。

なかには社会人経験があるのに、業界未経験だからという理由で給与が低くなることに不満を感じる応募者もいるかもしれません。このような場合は、能力次第では昇給の可能性もあることを伝えると良いでしょう。

【失敗事例3選】中途採用の給与トラブル!徹底的な「すり合わせ」が重要なワケ

ここでは、中途採用者の給与を決める際に、すり合わせが不足していた結果起こった失敗事例を3つ紹介します。

トラブルを事前に防ぐためにも、ぜひチェックしてみてください。

1.スキルが期待外れでも給与を下げられない

中途採用者の給与設定でよくある失敗事例のひとつが、期待を下回る採用者にも高い給与を設定してしまい、給与が下げられなくなるケースです。

面接時の自己アピールが良かったり、取引先での評判が良かったりすると、他社へ流れないよう、早い段階で金額を吊り上げてしまうこともあるでしょう。しかし、いざ採用してみたら、期待していたほどではなかったということがあります。

減給したくなる気持ちもあるかもしれませんが、就業規則に減給についての内容が明記されていないと給与は下げられません。

中途採用者の給与を下げるために、一方的に就業規則を変えるなどすると、権利の濫用としてトラブルが起こるリスクがあります。

2.給与交渉に応じたことで社内からの反発があった

中途採用で非常に優秀な人材が見つかり、給与や待遇面についての交渉に応じた結果、それが社内に伝わって反発が出るケースもあります。

このような場合、給与を引き上げたことに対して納得できる根拠とその後の成果がなければ、既存社員の不満を解消するのはむずかしいでしょう。

中途採用者のみ高い給与が設定されると、既存社員が不信感をもったり、モチベーションが下がったりするおそれがあります。

3.求人情報の認識に齟齬があり内定辞退された

応募者と企業側で給与について齟齬があり、条件面ですれ違いが起きた結果、内定辞退や早期退職者が出てしまった失敗例もあります。

・求人票を更新しておらず、求人票に記載されている給与と実際の給与に違いがあった
・「給与:月額20万~40万円」など求人票に振り幅の大きい給与額を記載し、最低額を提示した

上記2点に該当すると、「求人票に詐称があった」と判断されかねません。企業の信用にも影響するおそれもあるので、留意しましょう。

中途採用の給与トラブルを防ぐために必要な6つのこと

中途採用者の給与設定がうまくできなければ、前述のようなトラブルに見舞われるかもしれません。トラブルの事例を踏まえた上で、どのように対策していけば良いのか、中途採用の給与トラブルを防ぐためのポイントを知っておきましょう。

雇用条件欄に給与についてはっきり記載する

給与トラブルを防ぐために重要なポイントのひとつが、求人票の雇用条件欄に、正確な給与条件を記載することです。

前述のとおり、求人票と面接で伝える情報が異なると、応募者が「騙された」と感じて大きなトラブルに発展するリスクがあります。

誤解を生まないよう、正確かつ詳細な情報を記載することが大切です。給与条件に変更があった際は、求人票の更新を忘れず行うことを徹底しましょう。

選考で前職の給与額や希望給与額を確認する

給与トラブルを防ぎたいのであれば、書類選考時に前職の給与額と希望給与額を確認することが大切です。

未経験の業界にチャレンジする人でもない限り、中途採用の応募者は、前職と同等かそれ以上の給与を希望すると想定しておきましょう。

事前に前職の給与額と希望給与額を把握しておき、面接でも改めて確認すれば、給与額についてのすり合わせがしやすくなります。

希望給与額とあわせて、金額の根拠も提示してもらうと、応募者のスキルや実績が把握できます。既存社員に対しての説明もしやすくなるでしょう。

内定通知書等に給与を記載する

給与について、面接の際に口頭で伝えただけでは、どちらかが話した内容を忘れて「いった・いわない」のトラブルにつながるリスクがあります。

このような事態を防ぐためにも、内定通知書に給与について明記しておき、求人票の募集要項や面接で提示した金額と相違がないことを確認しておきましょう。

入社後に昇給でもめるケースもあるため、昇給の条件などについても面接などで説明したうえで、内定通知書に記載しておくと安心です。

オファー面談を実施する

オファー面談を実施することも、給与トラブルの防止に役立ちます。オファー面談とは、内定者と労働条件についてすり合わせ、入社意思について最終確認をするための面談です。

オファー面談で入社後の給与額や昇給条件について解説し、内定者から了承を得ておけば、給与条件に関する齟齬が生じないため、給与トラブルを防ぎやすくなります。

賃金の決定基準を公表する

給与の決定基準・評価基準を明確化し、全社員へ公表することもおすすめです。

基準がはっきりしていれば、給与がなぜその金額になったのかがきちんと説明できるため、せっかく採用した中途社員が給与額に不満をもって早期離職することもないでしょう。既存社員も金額に納得しやすく、不信感を募らせることも避けられます。

この基準は基本的に人事評価制度として定めます。特に、「能力」「業績」「態度」の3つの項目に関して、細かく評価指標を設定しておくことが重要です。能力とは業務の遂行能力、業績は自社への貢献度、態度は業務に対する姿勢を表します。

また、これらの比重においても考慮が必要です。どの項目をより重視すべきか、部署や役職によっても異なるでしょう。

また、誰が、どのように評価するかといった評価方法の開示も重要です。直属の上司では主観が含まれるおそれがあるため、客観的に評価できる評価者を選定しておきましょう。

社内の制度や規則に合わせたものにする

不公平感を解消する一番の方法は、既存社員との差をなくすことです。

中途採用者の給与を上げたい場合は、特例を作るのではなく、就業規則に記載されている給与に関する事項を変更し、既存社員にも適用するようにしましょう。

給与規定を変更する場合には、労働基準監督署への届け出が必要で、以下のような要素も考慮しておく必要があります。

・従業員に不利益な事項が含まれていないか
・法改正に対応しているか

賃金規定に関する法律には、労働基準法のほかさまざまあります。

・労働契約法
・パートタイム労働法
・高齢者雇用安定法
・男女雇用機会均等法
・育児介護休業法
・労働安全衛生法
・公益通報者保護法

これらの法改正に考慮した規定変更をする必要があるため、必要に応じて行政や専門家などに相談することをおすすめします。

まとめ

中途採用は、大手企業に良い人材を取られがちな中小企業にとって難易度が高いものです。そんな状況のなか、せっかく見つけた人材が給与面を理由に他社に取られてしまうのは、もったいないようにも思えます。

ですが、下手に中途採用者の給与を上げ過ぎると、万が一情報が漏れた際、既存社員の不満が高まるという事態も考えられます。その結果退職者が出たり、就労のモチベーションが下がったりすることもあるかもしれません。そうならないためにも、中途採用者の給与は慎重に決めることが重要です。

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