【人材採用】インフルエンサー採用の基礎知識
SNSの普及により、芸能人だけでなく一般の人がメッセージを発信し、世間の目に止まることが多くなりました。その中でも、多くの人に影響を及ぼす発信をしている一般人をインフルエンサーと呼び、企業の採用活動にも関係するようになってきたのです。
最近では自社の商品やサービスの宣伝を効果的にするために、「インフルエンサー採用」を積極的に行う企業も増えています。
今回は、インフルエンサー採用について、メリットやデメリット、採用する際の注意点について解説します。
この記事の目次
インフルエンサー採用の概要
まず、インフルエンサー採用について、詳しくご説明します。
インフルエンサー採用とは
インフルエンサー採用とは、SNSで多くの人に絶大な影響を与えているインフルエンサーを採用することを指します。
近年、マーケティング手法のひとつとして、SNSマーケティングを取り入れる企業が増えてきました。SNSマーケティングは、SNSを活用して顧客のニーズを把握するとともに、顧客とのコミュニケーションを図る手段として導入されている手法です。
インフルエンサーを採用することで、SNSマーケティングに強い人材を確保でき、PR戦略を立てられるようになります。企業広告を敬遠する顧客も存在する中で、一消費者でもあるインフルエンサーが発信する製品情報は、顧客に対する説得力が強いことがメリットです。
なぜインフルエンサー採用が注目されているのか?
インフルエンサーは、InstagramやTwitterなどでフォロワーが数万人に達していること、またはYouTubeのチャンネル登録者数が多い人物を指す言葉として、近年注目されています。
若い世代では、SNSに掲載されている広告や、実際に商品を使った人の口コミなどを元にして、商品を購入する傾向が強くなっています。特に20代では、半数以上の消費者がSNSの投稿を参考にして、商品の購入やサービスの利用を行ったことがあると言われているほどです。
購入を迷っている商品を、フォローしているインフルエンサーがおすすめしていれば、購入の後押しとなり、ぜひ使ってみようという心理がはたらくのです。
インフルエンサー採用を積極的に検討・実施している企業は、SNSを駆使して情報を得ている若い世代をターゲットにしている企業といえるでしょう。
インフルエンサーは、消費者にとって魅力的な情報を、SNSでどのように発信したら良いのかを心得ていますので、採用することでSNSを使った効果的な商品情報発信に繋げられるのです。
インフルエンサー採用のメリット
影響力のあるインフルエンサーを自社で採用するメリットについて紹介します。
認知拡大や消費者の新規開拓ができる
SNS上でインフルエンサーを支持するフォロワーに向けて、消費者に近い目線で情報を発信することができるため、信用が得られやすく、商品やサービスの認知拡大ができるのがメリットです。
自社商品における新たな顧客獲得や認知拡大は、単純に商品をアピールするだけでは難しいのが実情です。特に、競合が多い分野ではスムーズにいかないことも多いでしょう。
そのぶん、インフルエンサーは発信力があるほか信頼性も高いため、企業の新たな戦略として重要な役割を果たすでしょう。
また、インフルエンサーが広告塔になることで、今までとはちがう分野の新たな消費者の開拓が期待できるため、今後の販路拡大や事業拡大のきっかけを作ることができます。
外部委託よりもコストや手間を削減できる
自社の社員として雇用することになるため、外部に委託するよりも費用を抑えることができます。
広報担当がSNSのマーケティングを兼任している場合、コア業務とうまく両立できなかったり、継続的な発信ができなかったりするかもしれません。さらに、時間と労力のかかる作業も多いため、担当者の負担になっているケースもあります。
インフルエンサーを採用すれば、効果的なマーケティングが実施できると同時に、今まで兼務していた社員は本来の業務に集中できるようになるでしょう。
採用コストはかかるものの、長期的に考えるとコスト削減やマーケティング効率の改善につながるのです。
SNS運用のノウハウが自社に蓄積される
SNSの効果的な運用には、一般的なマーケティング以外にも意識するポイントが多く、専門的なノウハウも必要になります。
インフルエンサーからは、そのようなSNS運用のノウハウも学ぶことができます。写真の撮影方法や加工技術、文章の書き方や表現方法、情報収集能力など、マーケティング戦略にも大いに活用できるでしょう。
また、このようなノウハウの蓄積が新しい商品やサービス開発のきっかけになることもあり、企業の成長を促進させる可能性もあります。
インフルエンサー採用のデメリット
より適切なインフルエンサー採用につなげられるよう、良い面だけではなくデメリットについても紹介します。
ターゲットとフォロワーが合わないと効果が発揮されない
インフルエンサーによっては、フォロワーの年齢層や性別が限定的なことも多いため、自社が提供する商品やサービスとの相性を考える必要があります。
もしも自社のターゲット層とマッチしていない場合は、インフルエンサーによる広告効果が十分に得られません。
採用する際は、自社におけるターゲット層の需要とインフルエンサーを支持しているフォロワーの見極めが重要となります。
自社のイメージに合わないケースもある
フォロワーだけではなく、インフルエンサー自体の世間的なイメージも重要です。
たとえ一般的な知名度が高い場合でも、企業のブランドイメージとマッチしていなければ効果的に訴求できません。
インフルエンサーに求める採用基準を満たしていたとしても、自社イメージとのズレがあると採用するメリットが少なくなりますので、その点にも注意して選考を判断する必要があります。
炎上するリスクがある
SNSは認知拡大に効果的ですが、その反面、常に炎上やイメージダウンのリスクがともないます。
インフルエンサーであっても発信する内容によってはトラブルにつながる可能性があることを常に意識しておくことが重要です。特に、以下のような話題に関する偏った発言や情報を発信するのは控えましょう。
・政治、宗教
・地域格差
・セクシャリティに関すること
・スポーツ
炎上を防止するためには、投稿内容を本人以外も入念にチェックするなどの対策を続けることが大切です。
インフルエンサー採用の課題と注意点
インフルエンサーの影響力を最大限に活用し、企業の発展を目指すには、採用時にいくつかの課題や注意点をクリアする必要があります。
ルール決めが必須
インフルエンサーが、自社の社員としてSNSを使った広報活動を行うには、プライベートの投稿と明確な区別をつけるためのルール作りが重要です。
昨今問題となっている「ステルスマーケティング」は、インフルエンサーが関わる可能性の高い手法です。宣伝や広告であることが分からないように投稿して報酬を得ると、ステルスマーケティングに該当します。
海外では、ステルスマーケティングは完全な違法行為であり、日本でも投稿内容によっては違法行為と認定される可能性があるのです。
SNSの投稿時には、広告であることを明記するとともに、炎上したときの対策もあらかじめ検討しておく対応が求められます。
人材の見極めが最も重要
ひとくちにインフルエンサーと言っても、スキルは人それぞれです。スキルがともなわない人材を採用すれば、企業の発展につながらないでしょう。また、スキルが高くとも自社の購買ターゲットと合わないという場合もあります。
広報活動において、企業が求める人材であるかを慎重に見極め、自社に合ったインフルエンサーを採用したいものです。
また、インフルエンサーでなくとも、マーケティング能力のある人材であれば上手く企業のPR活動に貢献できる可能性があります。
このような人材を採用したいのであれば、TalentClip(タレントクリップ)を活用してみてはいかがでしょうか。
自社に合う人材「タレント」のデータをプールし、必要なタイミングでタレントにアプローチできます。そのほかにも、応募対応から入社後フォローまで、全てオールインワンでの管理が可能です。
TalentClipの活用で、採用活動を効率的に行ってみませんか。
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採用活動でお悩みの方は以下の資料もチェックしてみてください。
【採用後】インフルエンサー育成のポイント
より効果的なマーケティングにつながるよう、インフルエンサーの育成ポイントについて解説します。
最適なプラットフォームを選ぶ
SNSのプラットフォームには、発信の手軽さや拡散力のあるTwitter、画像によるアピールがしやすいInstagramなどそれぞれに特徴があります。
そのため、自社やインフルエンサーとの相性を考慮して最適なものを選択しなければなりません。
判断材料になるポイントとしては、企業や紹介したい商品のイメージ、インフルエンサーの得意な発信スタイルと影響力、コミュニティの規模、年齢や性別によるターゲット層の違いなど、総合的に相性を見極めることが大切です。
最適なプラットフォームを選ぶことができれば、インフルエンサーの広告効果を最大限に発揮でき、より良いマーケティングにもつながるでしょう。
マーケティング活動の評価を定期的に行う
インフルエンサーマーケティングによって、どれほどの効果があったのか、反対にネガティブな印象をもたれていないかなど、定期的に測定や評価を行いましょう。収集したデータをもとに新たな目標設定を行い、改善策やより効果を得られる方法を検討します。
このとき、評価基準を明確に設定しておくことが重要です。例えば、以下のような指標が挙げられます。
・クリック数
・コメント数
・シェア数
・コンバージョン数
ターゲット層に反響があったか、具体的なアクションがあったかなど、どのような結果につながればマーケティングが成功なのかを具体的に考えて設定しましょう。
運用は中期〜長期的なビジョンをもって取り組む
SNSの発信力の強さを活かすことができれば、インフルエンサーマーケティングによって利益アップが期待できます。
しかし、同時に炎上などのリスクもあります。インフルエンサーは企業イメージに直接的に関わるため、戦略や方向性のすり合わせは慎重に行いましょう。
ともにより良いマーケティングを目指すパートナーとして、中期〜長期的なビジョンをもって取り組むことが重要です。
まとめ
近年、購買層が情報を手に入れる手段が多様化しているため、インフルエンサー採用を取り入れる企業は今後増えていくでしょう。
インフルエンサーが世間に与える影響を活かして情報発信を行い、より良い企業活動につなげられるように体制を整えていきましょう。