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「AI採用」の導入で起こる採用活動の変化とは。3つの活用事例を紹介

2023年3月13日

IT技術の進歩が続いている現代、多くの分野でAIが活躍しており、それは採用活動の現場にも導入されています。
とはいえ、採用担当者のなかには「AI採用」と聞いても、具体的なイメージがわかない方もいるのではないでしょうか。

今回は、AI採用の具体的な事例や、メリット・デメリットついて解説します。AI採用を検討している採用担当者の方は参考にしてください。

「AI採用」の事例

AI採用とは、文字どおりAIを用いた採用活動をさします。AIに過去の採用データを学習させることで、人の代わりに書類選考や面接をさせる仕組みです。とはいえ、採用活動のすべてをAIが実施するわけではありません。最終決定は従来どおり、人に委ねられています。

現在、AI採用がさまざまな企業で導入されている背景に、企業の人材不足があります。
採用活動では書類選考やスケジューリング、面接や合否判定など多くの業務が発生します。
従来では人間でなくては務まらなかった業務も、近年ではAIの精度が上がったため、一部をAIが担うケースが増えてきました。
この項では、AI採用の具体的な事例を紹介します。

【書類選考】データの分析と選別

応募者数の多い大企業では、書類選考だけで多くの時間が必要になります。しかし、AIに過去の書類データを学習させることで、ある程度のスクリーニングをAIに行わせることが可能です。
採用担当者が応募者一人ひとりの履歴書を見て、書類通過者を決める必要がなく、人事が作業に費やす時間を大きくカットすることができます。従来よりも人事部の生産性が上がるでしょう。

とはいえ、まだ現状ではAIが書類選考を行ったあとに、人間がダブルチェックをするのが一般的です。

【面接】面接官の代わりとして活用

まだあまり多くはないですが、実際の面接をAIで行う企業もあります。
AIが面接を行うことで、実際に面接官として現場に入る人事の時間をカットすることができるため、内定者フォローや研修などに時間を使うことができます。

応募者の基本的な能力や資質を見極めるのに役立ち、従来よりも自社の求める人材を一次選考から絞り込めるメリットがあるといわれています。

しかし、最終選考や直接合否を決めるだけの精度はまだなく、AI面接についての評価は企業により分かれます。基本は一次選考など初期段階のスクリーニングだけをAIで行うのが一般的です。

【求人広告】人材と企業のマッチング

現在AIが最も活用されているのが、求人広告などにおけるターゲットの絞り込みです。

従来であれば、採用担当者がターゲットとなる人物像を設定し、それに合わせて求人広告を掲載していました。しかし、AIに「求める人材のスキルや経験などの情報」を学習させることで、ターゲットの絞り込みを自動化することができます。

書類選考や面接などの直接合否に関わるフェーズでは活用は難しいですが、ターゲティングなど機械的な絞り込みであれば、現在のAIでも十分に可能です。

【メリット】採用業務がスムーズに進められる

AIを導入し業務の一部を自動化することで、人事の時間が増えるなど生産性を上げることができます。
具体的なAI導入のメリットとしては、以下のふたつがあげられます。

採用業務の効率化

AIを導入し作業を自動化すれば、採用業務全体の効率化を図ることができます。

採用にかかる人件費や時間的コストなどの削減にもつながり、採用業務そのもののスピードも上がるでしょう。応募者ときめ細やかなコミュニケーションを取ることができれば、選考離脱を防ぐことにもつながります。

選考にかける時間配分を見直せば、採用担当者には時間の余裕が生まれるはずです。これにより、従来どおり人が行う採用業務はより丁寧に、時間をかけて行うことも可能になります。

応募者一人ひとりとじっくり向き合える時間が取れれば、より会社に合う人材の採用も叶うため、採用活動の質の向上にもつながるでしょう。

選考の公平性を担保

人が行う選考には、どうしても主観が入ります。採用担当者のスキルや経験値によっても選考結果のばらつきは生じやすいです。一方、AIは常にぶれのない結果を出すことができます。公平に採用をすすめることができるでしょう。

また、採用基準を細かく決め、公平な判断ができる採用担当者を何人も育成するのは、手間と時間がかかるものです。AIなら学習さえさせればOKなので、会社の負担が少なくなるのは大きなメリットでしょう。

担当者の負担を軽減

AI導入による採用業務の効率化は、採用担当者の業務負担を減らせるメリットがあります。
さらに人事の負担を減らすことで生まれた時間を活用し、採用活動の戦略設計や振り返り、内定者フォローなどマンパワーが必要な作業に多くの時間を割くことができます。

単純な書類業務などでは稀にヒューマンエラーが発生することもありますが、AIを利用し機械化することでヒューマンエラーの発生を防ぐことも可能です。

AIの導入で採用業務全体の効率化を実現できれば、採用担当者に余裕ができ、応募者対応などに注力することができます。

【デメリット】AIと人間の隔たりが課題

AI採用にはメリットがある一方で、いくつかデメリットも存在します。

ここからは、AI採用における具体的なデメリットについて紹介します。AI採用を導入する前にしっかりと検討しておきましょう。

データ学習による弊害が起きる可能性

AIはあくまで過去のデータを学習し採用を進めるため、柔軟な軌道修正ができません。
過去の学習データを上手く蓄積できていなければ、正常な判断を下せないのです。

失敗事例として、大手インターネット通販サイトが採用AIを導入したところ、AIが女性差別を学習してしまうケースがありました。この企業はAI採用を途中で打ち切っていますが、これはAIが「過去のデータをもとにした採用しかできない」ということの弊害だといわれています。

あくまで過去のデータを利用するAIの場合、上記事例のように、時として間違った判断基準で学習をすることがあります。

応募者・採用担当者の心理的ハードル

ターゲットとなる求職者がAI採用に好意的でない場合、母集団の形成自体が難しくなります。
AI採用を取り入れている企業に対して抵抗を覚える人材であれば、その企業に応募する意欲は下がるでしょう。

実際にAI採用を取り入れるのであれば、アプローチにも工夫が必要です。「AI採用は導入しているが、最終的な判断は人間が行っている」などといったメッセージを発信し、求職者の不安を取り除くことが大切です。

採用業務の負担を軽減し、採用力をアップさせるには?

AI採用は徐々に広がりを見せているものの、先述の失敗事例のように、まだAIのみの採用活動は難しいのが現状です。

採用業務の自動化や効率化であれば、現在主流となっている採用管理ツールでも十分に役立ちます。

オールインワン型採用管理システムのTalentClip(タレントクリップ)なら、多彩な機能により採用担当者の業務負担を大きく軽減することが可能です。
日程調整、内定フォロー、応募者情報のデータベースなど、複数の採用活動を一元管理できます。
採用業務の自動化や効率化を図りたい担当者の方は、TalentClipの導入を検討してみてください。

まとめ

今回解説したように、さまざまな企業がAI採用を導入している一方で、まだまだ採用活動のすべてを任せるのは難しいのが現状といえます。
とはいえ、AIを導入している企業の中には、採用業務の自動化や効率化を実現できているところもいくつかあります。
最新テクノロジーをもとにしたAI採用の精度は、これからも上がっていくことが期待されているでしょう。

 

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