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新卒の通年採用とは|メリット・デメリットと導入時のポイント

2023年3月22日

新卒採用は、多くの新卒者をまとめて面接、採用する一括採用が一般的です。しかし、最近は「新卒通年採用」を行う企業が出てきています。

新卒通年採用とは何なのか、企業にとってどのようなメリット、デメリットがあるのかを知り、今後の採用活動に活かしましょう。新卒通年採用を成功させるためのポイントについても、くわしく解説します。

新卒通年採用とは?一括採用との違いについて

日本では学生が学業に専念できることを目的に、毎年日本経済団体連合会(経団連)や関係省庁によって、新卒者の採用活動についてのルールが定められていました。

この就活ルールによって、大手企業の採用面接解禁日などが決められていたため、多くの企業が就活ルールのスケジュールに沿った「新卒一括採用」を行っていたのです。

しかし、2018年10月に経団連が「今後就活ルールは策定しない」と表明したため、2021年春以降に新社会人となる学生には、それまでの就活ルールが適用されないこととなりました。

その結果、「新卒通年採用」という新たな採用手法が注目されています。新卒通年採用とは何なのか、新卒一括採用とは何が違うのかをくわしく見ていきましょう。

新卒通年採用は年間を通して採用活動を行うこと

新卒通年採用とは、就活時期を問わず年間を通して新卒者の採用活動を行うことです。2018年に就活ルールが廃止されるまでは、「3月にエントリー開始、6月に面接解禁」のスケジュールが基本であったため、多くの企業がこの時期に新卒一括採用を行っていました。

しかし、新卒者の就活ルールが廃止されたことで、いつでも企業は新卒者の採用活動が可能になったのです。これにより、既存の就活ルールでは採用がむずかしかった留学経験者や既卒者(第二新卒など)も採用しやすくなっています。

新卒一括採用との違い

新卒一括採用の場合、採用時期がある程度固定されています。そのため、ターゲットも日本国内の新卒者がメインです。

対して通年採用は採用時期がなく、人員が必要になった都度求人募集と選考を行います。いつでも採用活動が行えるため、日本国内の大学生とは卒業時期の異なる、海外大学出身者や既卒者などもターゲットにできます。

新卒通年採用を行うメリット・デメリット

これまで新卒一括採用を行ってきた企業としては、大きくやり方を変えてまで新卒通年採用を導入する意味はあるのか、新卒通年採用を行うデメリットはないのかが気になるでしょう。そこで、新卒通年採用の主なメリット、デメリットを紹介します。

新卒通年採用を行うメリット

新卒通年採用を行う大きなメリットは、企業と応募者の間で起こるミスマッチを減らせることです。新卒一括採用の場合、採用活動の期間が短く、企業側も応募者側も急いで採用の話を進めるため、応募者の就職後に「こんなはずじゃなかった」ということが起こりがちです。

一方新卒通年採用の場合は、企業も応募者も採用活動の期間に捉われずに相手をじっくり見極められるので、自社に合った人材、自分に合った企業を見つけやすくなります

また、余裕を持った採用スケジュールを組んで、選考活動の各ステップに時間をかけることができるため、採用担当者の負担軽減にもつながるでしょう。

面接日程なども応募者の都合に合わせて柔軟に対応できますし、応募者側から内定辞退があっても採用の人数調整や欠員補充などの対応がしやすくなります。

新卒通年採用を行うデメリット

一見メリットばかりに見える新卒通年採用ですが、いくつかデメリットあります。ひとつは新卒一括採用の時期(3月ごろ)に、応募者を確保するのがむずかしくなることです。

また、一括採用であればまとめて求人募集をかけたり研修を行ったりすることができますが、通年採用だと都度求人募集をかけ、個別に研修を行う必要があるので採用コストが増加します。

「この時期に求人募集があるのは、この会社だけだから」という理由で、新卒一括採用の結果が思わしくなかった学生が、企業にすべり止めとして応募してくることもあります。良い人材を採用するためには、企業が欲しい人材を明確にし、応募者に伝える施策が必要です。

新卒通年採用を導入する際のポイント

新卒通年採用を成功させるには、成功のためのポイントを押さえることが重要です。下記でくわしく解説しますので、新卒通年採用を検討している場合は参考にしてみてください。

自社の採用サイトを充実させる

新卒通年採用を成功させたいのであれば、第一志望として選ばれるように自社の魅力を発信していくことが大切です。

情報発信の方法はいろいろありますが、まずは自社の採用サイトを充実させましょう。コンテンツが充実した採用サイトがあれば、求人サイトに掲載するコストの削減にもつながります。

SNSを活用して採用広報活動を行う

今の若い世代はSNSの利用率が高いので、SNSを活用して採用広報活動を行うことも有効です。SNSの強力な情報拡散力をうまく活用することで、自社の魅力を伝えられるだけでなく、企業そのものの認知度やブランディング向上にも役立ちます。

採用活動を効率化できるツールを導入する

年間を通して採用活動を行うと、採用業務の情報量が膨大になります。また、余裕を持った採用活動ができるとはいえ、毎回必要以上に時間をかけていると、コストも上がっていくでしょう。

膨大な情報を適切に管理して採用活動を効率化するには、採用活動を一元管理できるツール、TalentClip(タレントクリップ)を導入するのがおすすめです。

TalentClipでは面接の日程管理や応募者情報の管理、応募者とのやり取りなどが一括でできるほか、応募者(タレント)の情報をキープ、蓄積して必要なときに応募者にアプローチすることもできます。

自社の採用HP作成も可能で、豊富なテンプレートを使えば、サイト作りが初めての方でも容易に採用HPを作ることが可能です。TalentClipのくわしい情報については、下記よりお問い合わせください。

まとめ

就活ルールが廃止されたことによって、注目され始めている新卒通年採用には、いつでも必要なときに採用活動ができる、海外大学出身者や既卒者などもターゲットにできるといった企業側のメリットがあります。

採用活動の各工程にじっくり時間をかけられるので、採用担当者の負担も大幅に軽減できるでしょう。

その一方で、採用活動のコストが増大しやすい、すべり止め目的の応募で、ミスマッチ率が高くなるなどデメリットも考えられます。企業は新卒通年採用の導入は慎重に検討することが大切です。

新卒通年採用の導入を決めたのであれば、自社採用サイトを充実させたりSNSを活用したりして自社の魅力をアピールし、第一志望の企業に慣れるよう工夫しましょう。

採用業務にかかわる膨大な情報を適切に管理し効率化を図るために、採用管理ツールもあわせて導入するのがおすすめです。

 

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