
「効率化したい…」採用工数を削減するための5つの方法
近年、多くの企業は人材確保が難しくなっており、質の高い採用が重視されるようになっています。
そのため、人事担当者の業務は非常に多くなり、対応が間に合わずかえって質が下がってしまうこともあるでしょう。
現実の景気動向を踏まえて、中堅・中小企業に入社する意欲を持つ学生の就職意欲は増加しています。厚生労働省が実施した大学生の就職希望度では「なにがなんでも就職したい」と回答した学生の割合は、2001年卒の70%台前半から上昇し、2015年頃まで90%前後で推移しています。
出典:厚生労働省・労働市場における人材確保・育成の変化┃平成25年版 労働経済の分析
とはいえ、企業の採用担当者は対応が間に合わずに、意欲を持つ学生へのアプローチがうまくいかないこともあるのではないでしょうか。このような悪循環を解消するため、この記事では採用業務を効率化して負担を減らすための方法を紹介します。
この記事の目次
採用業務の効率化を考えるべきタイミング
人手不足や人材育成のために、採用の強化を考えている企業は多くあるでしょう。中でも、限られた人材で結果を出していくには、採用業務の効率化が効果的な方法といえます。
具体的には、どのような状況で採用業務の効率化を考えていけば良いのでしょうか。効率化を検討すべきなのは、以下のようなタイミングです。
・採用人数の目標数を達成できない(目標数を増やしても対応できない)
・採用業務の工数が膨らんでいる
・採用業務において時間外労働が発生している
・入社後のミスマッチを感じる
・採用コストが膨らんでいる
・働き方改革に対応していきたい
採用業務において、取り上げたような問題が発生しているのであれば、効率化を進める方向性で考えていきましょう。
なぜ採用業務を効率化すべきなのか
採用業務の工数が膨らんでいる場合など、しかるべきタイミングで効率化した方が良いと先述しました。
ここでは、採用業務を効率化すべき3つの理由を紹介します。
採用担当者の負担を減らすため
採用担当者は、幅広い業務を抱えています。会社の規模によって多少業務内容は異なるものの、以下のような業務を担っていることが多いです。
・求人メディアの選別
・求人メディアに掲載する情報の整理と原稿の作成
・会社説明会の人員手配や資料作成など
・内定者を選定するためのスケジュール調整などプロセス管理
いずれも採用を行う上で重要な業務です。これに加え、応募者への対応やフォロー、こまめなコミュニケーションが必要になってきます。
応募人数が多いほど、面接などの日程調整、面接結果の連絡などが増え、対応が複雑になってしまうこともあるでしょう。
また、採用担当者の仕事は、応募者への対応だけに限りません。面接などに協力してもらえる部署など、社内でのやり取りや情報共有も必要です。
さらに、複数の採用形態を取り入れている場合、採用形態ごとに採用フローが異なるため、多くの工数がかかってしまいます。
これらの業務は、通常業務と並行して行う必要があるため、リソース不足になりかねません。
採用業務の効率化は、幅広い業務を担当する採用担当者の負担を減らし、スムーズに採用を進めていく点で効果的です。
採用コストを抑えるため
採用は、社内の予算内で計画していかなければなりません。求人広告は利用者数が多いほど金額が上がり、人材紹介は労力が少なくて済むものの多くの手数料がかかります。
これらのコスト面を考慮した上で、入社につながるように結果を出していくには、コスト調整とシビアな管理が必要になるでしょう。採用コストを削り過ぎると、思うように結果が出ず、悪循環に陥ってしまうおそれもあることから、慎重に行う必要があります。
採用業務の効率化は、工数削減だけでなく、採用担当者にかかる人件費の削減にもつながる手段です。
必要な採用コストを削る方法ではないため、浮いたコストを活用して、事業に力を入れたり、採用ブランディングを強化したりすることができます。
内定・選考辞退を防ぐため
選考や内定まで進んでも、選考辞退や内定辞退で人材を確保できないことがあります。内定辞退や選考辞退が起こるということは、採用にかけたコストが無駄になるだけでなく、優秀な人材を逃してしまうことにつながります。
選考辞退や内定辞退が起きてしまう理由として多いのが、ほかの企業から内定を受けたというもの。つまり、選考辞退や内定辞退をできるだけ防ぐには、採用スピードを上げて、早く内定を出す必要があります。
採用業務の効率化は、時間の削減にも有効な方法です。効率化によって、応募から採用までの時間を短縮できれば、優秀な人材の流出を防ぎ、優秀な人材を確保することにもつながります。
採用業務効率化における3つの課題
採用業務の効率化において、企業が解決しなければならない課題を3つに分けて紹介します。
採用の質をあげれば工数が増える
採用活動の生産性を高めようと、新しい取り組みなどが必要です。そのため、普段の採用業務に加えて、採用業務の質をあげるための活動を行うことで、さらに工数が増えていきます。
たとえば、企業説明会や就職フェア、面談や内定後のフォローなどを実施している企業も多いでしょう。
上述のような多くの施策が採用業務に追加されれば、人事担当者の負担が増えてしまい業務を圧迫し、質の向上でおこなった結果、手が回らず手薄になってしまうおそれが出てきます。
日常の業務に加えて、新しい採用手法や面接方法を実施するには、採用プロセスの組み換えが必要です。
ツールで自動化しにくい業務がある
採用プロセスは、採用担当者の判断力やマネジメント能力など、個人の能力に依存する業務も少なくありません。たとえば、採用エージェントとの連携、募集要項の作成、応募者の選考などがあげられます。
そのため、ツールで自動化しにくい業務があることも問題点のひとつです。業務の自動化が難しいため、採用担当者の力量で業務効率が低下してしまうケースも珍しくありません。
コミュニケーションが多い
採用担当者は社内外を問わず、さまざまな関係者と連絡を取り合い、コミュニケーションを図ることも大事な業務の一環です。
たとえば、応募者を対象とした会社説明会や会場案内、面接の日程連絡といった細かな情報伝達は欠かせません。
応募者や内定者とのコミュニケーションを多くとることが採用の質の向上につながる、と考えられている採用担当者もいるのではないでしょうか。一方で、場当たり的なコミュニケーションになることも多く、ほかの業務にあてる時間を捻出できずに業務負担が増えてしまう問題もあげられます。
採用業務の工数を削減する6つの方法
採用業務を効率化するにはどうすれば良いか、効率化に必要な採用業務にかかる工数を削減するための6つの方法を紹介します。
1.採用プロセスを見直す
製造業では、歩留まりという考え方があります。歩留まりとは、理論上の生産高に対する、実際の生産高の割合です。製造業においては、不良品が多いと歩留まりが低くなります。
この、歩留まりの考えは、採用業務にも置き換えることが可能です。採用においては、理論上の生産高の代わりに内定者数、実際の生産高の代わりに実際の入社人数、で歩留まりを出します。
採用での歩留まりが低い場合は、内定までのプロセスなどに問題があるということです。内定後の連絡が遅い、面接の回数が多く内定までに時間がかかるなど、歩留まりの原因を見つけて、採用プロセスに問題があれば見直しを行います。
採用プロセスの改善については、以下の記事で紹介していますので、こちらも参考にしてみてください。
2.採用基準を明確にする
社内で採用基準が明らかになっていないことで、判断が面接官や担当者に委ねられたり、経営層と採用担当者の間で採用基準の認識にずれが生じたりすることがあります。
このような採用基準の認識のずれは、入社後のミスマッチにもつながる問題です。採用工数を増やし、採用効率を下げる原因にもなります。
採用基準を明確にすれば、面接官に共有すべき項目をフォーマット化し、認識をすり合わせることができます。面接時に使用するチェックシートや質問プロセスなどは、しっかりフォーマット化するようにしましょう。
また、採用基準を定めておくことで、どの面接官が担当しても同等の力量で面接が行えるようになるため、採用繁忙期もスムーズに対応できます。
採用基準の見直しポイントは、以下の記事で紹介していますので、こちらもご覧ください。
3.連絡業務を自動化する
応募者への返信や対応が遅いと、自社への関心が薄れ、他社に人材が流れる原因になります。人材流出を防ぐには、できるだけ早く対応することが重要です。
たとえば、応募者への対応が遅くなる原因としては、ひとり一人手作業で対応していることが挙げられるでしょう。対応をスピードアップさせるには、メールソフトなどを使った自動返信機能の活用がおすすめです。
自動返信機能を使えば、会社からの応答により応募者は連絡が受け付けられたことがわかり、担当者の手入力によるミスや誤送信も防げます。
4.採用アウトソーシングへ依頼する
採用業務である母集団形成から会社説明会、面接や選定まで多くの労力は、外部の採用代行サービス企業に業務を任せることで、会社の負担を大幅に減らすことができます。
より高度で質の高い採用が可能になり、優秀な人材の確保、人事担当者の時間と労力の軽減を両立できます。時間に余裕が生まれ、内定者のフォローを重点的に行えると、結果的に歩留まり率の改善にも期待ができるでしょう。
5.オンライン選考を組み込む
選考を効率化させたい場合は、採用プロセスの中にオンライン選考を取り入れてみましょう。オンラインを取り入れるメリットは、大きく3つあります。
1.オンラインで説明会や面談を実施することで、会場の設営が省略できる
2.資料の配布はデータで共有し、紙の資料配布が必要ないためムダがない
3.遠方に住む人材や多忙な人材へのアプローチがしやすくなる
上述の3つのメリットを見るだけでも、オンライン選考を行うことで「コスト削減」「幅広い人材層に自社を知ってもらえる」など、経営に直結することがわかります。
また、企業のなかには、採用面接の一部をオンライン化し、「最終面接は直接対面で行ってから判断する」といったケースもあります。求職者にとっても、「最終面接だけは直接対面で行われる」とわかっていれば、自分が選んだ会社に対する安心感にもつながります。
オンライン選考を上手に取り入れることで、結果、採用担当者が本来もっとも注力すべき業務に時間をかけられるようになります。
オンライン選考を取り入れるには、Web面接ツールを導入することが欠かせません。
Web面接やオンライン面接ツールには評価シートなどの機能もあり、活用することで評価や社内共有も楽になります。会議用のツールとは異なり、ワンクリックで面接をはじめられるなど、応募者の手間が少なくて済むのもポイントです。
6.採用管理システムを活用する
応募者数が増えると、応募者の情報を管理し、必要なときに取り出すのに時間がかかることがあります。必要に応じてすぐに情報を取り出せるようにするには、採用管理システムの導入がおすすめです。
情報管理により、事務的作業の削減や、応募者への素早いレスポンスにも対応できます。
TalentClip(タレントクリップ)も、そんな採用管理システムのひとつです。応募者対応、面接選考、内定者フォローまで一括管理できるため、業務効率化を図ることが可能です。
採用業務の効率化を考えるなら、TalentClipの導入をぜひご検討ください。
まとめ
今回は採用業務の効率化について解説しました。
人事担当者が行う採用業務はとても幅広く、また多くの業務を同時に行わなければなりません。スケジュール管理能力や変更に対する柔軟な対応力など、要求される能力も高いでしょう。
その分負担も大きく、一つひとつの対応が正確にできなくなる可能性もあります。
採用フローを見直し、業務委託や管理ツールを活用して可能な限り効率化を行うことで、より質の高い採用が行えるでしょう。