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シニア採用の必要性|メリットとデメリット・助成金について解説

少子高齢化が進むなか、優秀な人材を確保するために「シニア採用」を始める企業が増えています。なかには、現在検討している採用担当者もいるのではないでしょうか。

本記事では、シニア採用がもたらすメリットやシニア採用の課題、シニア採用を活用する際のポイントについて解説します。

企業から注目されるシニア採用

採用活動や就職活動において「新卒」「第二新卒」などの言葉があるように、これまでの企業は、若年層の人材を確保することがメインとなっていました。

しかし、最近は「シニア採用」に注目する企業が増えています。なぜ、シニア採用が注目されているのか、その背景を見ていきましょう。

シニア採用とは?

シニア採用とは、定年退職後の65歳以上のシニア層をターゲットとした人材採用です。シニア層は、現在日本の人口の約4分の1を占めています。

また、今のシニア層はバブル期や高度経済成長期を体験しており、働く意欲が高い人が多いことから、多くの企業が注目しているのです。

シニア採用が注目されている背景とは?

シニア採用が注目されているのは、シニア層の働く意欲が高いことだけが理由ではありません。その背景には、少子高齢化が進む日本の労働人口減少による人材不足があります。

日本の若年層の人口は年々減っており、1970年には約3,600万人だった若者の数が、2060年には約1,500万人まで減少すると予想されています。

新卒や第二新卒といった若手人材へのアプローチのみでは人材確保が難しくなることから、人口が多いシニア層への注目が高まっているのです。

そして、シニア層にも年金の受給開始年齢の引き上げによって今後の生活に不安を感じ、定年後も働き続けたいと考える人が増えています。シニア採用は、人材を確保したい企業と働き続けたいシニア層、双方にメリットがあるのです。

シニア採用がもたらすメリット

シニア採用は、企業にさまざまなメリットをもたらします。ここでは、企業が受けられる主なメリットを3つに分けて説明します。

経験豊富な人材を確保できる

シニア採用の大きなメリットは、経験豊富な人材を確保できることです。シニア層は長い間働き続けてきた人たちであり、さまざまな経験や知識、スキルを有しているため、即戦力となることが期待できます。

また、働く意欲の高い人材を採用できれば、ほかの従業員にとって良い刺激になります。

助成金が受け取れる

国から助成金が受け取れることも、シニア採用のメリットのひとつです。近年、厚生労働省が生涯現役社会の実現を推進しており、以下のようなシニア層を採用した企業を対象とした助成金制度を設けています。

・特定求職者雇用開発助成金:高齢者などの就職困難者を受け入れた企業に支給される助成金
・65歳超雇用推進助成金:定年引上げや高齢者の無期雇用などを行う企業に支給される助成金

それぞれ支給条件や支給額が異なるので、シニア採用を検討する際にチェックしてみましょう。

働き方改革を進められる

シニア採用には、「働き方改革を進めるきっかけになる」というメリットもあります。

2018年6月29日に可決成立した働き方改革関連法は、2019年4月1日に適用が開始されて以降、より柔軟な働き方を求める人が増えています。

シニア層が働きやすい体制を整えることが、会社の勤務形態や福利厚生を見直すきっかけになるかもしれません。例えば、時短勤務やフレックス制度、在宅勤務の導入などが挙げられます。

多様な働き方を取り入れていくことで、結果的に会社全体で働き方改革を推し進めることにつながるでしょう。

シニア採用における課題

上述で紹介したとおり、シニア採用は、経験豊富な人材を確保できるほか、働き方改革につながるなど、企業にさまざまなメリットをもたらしてくれます。

しかし、導入に際しては大きく分けて3つの課題があります。本項で、それぞれ詳しく解説しましょう。

体力・健康面で不安がある

豊富な知識や経験を持っていて、社内活性化のきっかけにもなるシニア人材ですが、現役世代と比べると体力や健康面で不安があります。

急な病気で欠勤や退職する場合や、現役世代と同じ労働時間で働くのが困難となるケースもあるため、時短勤務を認めるなど柔軟な対応が必要です。

人材配置に配慮する

シニア採用を行う際には、人材配置にも配慮が必要です。例えば、若手人材が多い部署に配属すると、「互いにコミュニケーションがうまく図れるのか」といった問題が出てきます。

また、親子ほども年齢が離れた若手人材が、シニア人材の上司になることも考えられます。
人間関係を円滑にするためには、企業、現役の従業員、シニア人材それぞれが、無理なく働けるポジションを用意しましょう。

賃金を見直す可能性がある

シニア採用を行う場合、賃金制度を見直さなくてはならない可能性があります。仮に年功序列で給与が上がるシステムの場合、年齢が高いシニアに現役の従業員よりも高い給与を設定することになります。

すると、先に入社している従業員が不満を抱いてしまいます。シニア採用者向けの賃金制度を用意するなどして、現役の従業員とシニア人材が納得できる賃金制度の見直しが重要です。

企業でシニア採用を活かすためのポイント

先に述べたように、シニア採用には、人材配置に配慮や賃金制度の見直しなど、いくつか課題があります。これらの課題を解決するために、シニア人材を活かすポイントを理解しておきましょう。

助成金を受け取る

シニア採用を活かすポイントのひとつが、前項で紹介した「特定求職者雇用開発助成金」や「65歳超雇用推進助成金」などの助成金の受給です。

知識や経験が豊富なシニア層といっても、新たなポジションに就く際には研修などが必要になるでしょう。また、社内の制度を見直さなくてはならないケースもあり、コストがかかります。助成金を受給できれば、シニア採用にかかるコストの補填につなげられます。

シニア層に合わせた職場環境を整備する

シニア人材に活躍してもらうには、体力や健康面に配慮して、体に負担がかからない環境を用意することも大切です。

通常1人で対応している業務を、シニア人材の場合は2人で分業してもらうなどして、シニア人材と現役の従業員の両方に負担がかからないように業務の見直しを行いましょう

多様な働き方を用意する

シニア人材は、体力や健康面などの問題で1日8時間、週5日のフルタイム勤務に耐えられないケースも考えられます。

このような問題を回避するためには、時短勤務や週3勤務など多様な働き方を用意して、無理なく働ける環境づくりが必要です。

自社に合った人材獲得を見据えた採用戦略を立てる

シニア採用といってもシニア層であれば誰でも良いわけではありません。自社に合った人材を選ばないと、社内環境に影響が出てしまいます。通常の採用と同じく、適材を探すためには採用戦略に力を入れることが重要です。

採用活動の一括管理ができるTalentClip(タレントクリップ)なら、自社に適した人材(タレント)の情報をキープできるため、戦略的にシニア採用を進めるのに役立ちます。

自社の採用ページも手軽に作れるため、効率的にシニア人材を集められるでしょう。これからシニア採用を進めていきたいと考えているなら、ぜひTalentClipをご活用ください。

まとめ

少子高齢化によって労働人口が減少している昨今、シニア採用はスムーズに優秀な人材を確保する有効な手段になりつつあります。まだ、シニア採用を導入していない企業は、今から検討してみてはいかがでしょうか。

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