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内定者の囲い込みはして良いもの?リスクと正しい方法

2023年3月13日

多くの人事担当者にとって、内定辞退を減らし、内定者を囲い込むことは重要な課題とされています。しかし、企業が内定者を「囲い込む」という意識は捨てたほうが良いかもしれません。

今回の記事では、内定者の囲い込み行為のリスクや、内定者の心をつかむフォローの方法について詳しく解説します。

行き過ぎた内定者の囲い込みはリスクが大きい

慢性的な人材不足に陥っている企業や競合他社の多い企業にとっては、内定者を一人も逃がしたくないという思いは強いでしょう。

しかし、内定者を取り逃がしたくないという心理が行き過ぎて、過剰な行動に出ないように気を付けなければいけません。

一時期、悪質な囲い込みが大きな社会問題になったことをご存知でしょうか。問題になった行為には、以下のようなものが挙げられます。

・内定承諾書にサインを強要する

・内定辞退をしたら訴えると脅す

・長期拘束の内定者研修で就職活動ができないようにする

・豪華な食事会などで、内定辞退がしにくい雰囲気をつくる

これらの囲い込み行為を「就職活動終われハラスメント」、略して「オワハラ」といわれるようになりました。採用活動において「囲い込み」という言葉自体が悪い意味で使われることが多くなっています。

もし過剰な囲い込み行為を受けた学生が、学校の就職課に相談したり、SNSで暴露したりすれば、企業の信頼を大きく損なうでしょう。

強要や拘束といった囲い込み行為ではなく、「この会社で働きたい」と前向きな気持ちを持ってもらうための「内定者フォロー」をしっかり行うことが大事といえます

内定者の正しい囲い込みは「内定者フォロー」の充実

「内定者フォロー」とは、内定決定から入社までの間に企業が内定者向けに行うさまざまな施策のことです。入社へのモチベーションを高め、内定辞退や早期離職を防ぐことを目的に、多くの企業が内定者フォローに取り組んでいます。

内定者フォローは、企業が内定者を「囲い込む」という意識から脱却し、お互いが選び選ばれる対等な立場であるという認識で進めなければいけません。

では、内定者フォローを充実することは、どのような効果を生むのでしょうか。詳しく解説します。

安心感を与えることができる

就職は人生のターニングポイントといえます。内定が決まっても、「自分の選択に間違いはないか」と、確信が持てない心理状態であることが多いです。そんな不安定な時期だからこそ、誠実で丁寧なフォローが内定者の安心感につながります

特に内定者が知りたいと思っている情報を提供することで、不安を取り除くことができるでしょう。内定者は「どんな先輩が働いているか」「同期はどんな人がいるのか」「実際の職場環境はどうか」など、人間関係に対する関心が高いでしょう。

内定者懇親会や職場見学などの内定者フォローで人間関係が深まると、「この会社に決めて良かった」という安心感を高めることができます。

モチベーションを高めることができる

新卒採用の場合、ほとんどの内定者が初めての就職なので、「入社後、仕事をうまくこなせるか」、「社会人としてやっていけるか」と不安を感じています。

そのため、内定者期間を入社準備のために有効に使いたいと思っている学生は多いです。なかには「入社準備をして、同期に差をつけたい!」というやる気に満ち溢れている学生もいるでしょう。

企業側が、入社に向けて何をすべきかの指針を、内定者フォローの一環として示すことで、モチベーションを高めることができます

たとえば、内定者の率直な疑問や悩みに応える環境を整えたり、内定者研修や内定者課題などを実施したりなどの取り組みがあります。

従業員向けの社内研修に内定者にも参加してもらうと、社内の雰囲気も知ってもらう機会にもなり、よりモチベーションが高まるでしょう。

内定者フォローの仕方

内定者フォローの手法は多岐にわたります。ここでは詳しく解説していくので、ポイントを押さえたうえで、自社に合った手法に取り組みましょう。

内定者フォローのポイント

内定者フォローを行う上で意識して欲しいポイントが3つあります。

■コミュニケーションをしっかり取る

内定者と密にコミュニケーションを取ることは、内定者フォローの基本です。コミュニケーション不足は、内定者を不安にさせる原因になり、辞退の可能性を高めます。定期的に連絡を取り合うことで、お互いの親密感と信頼感を高めていきましょう

コミュニケーションを取るなかで、内定者の状況や気持ちを把握しておくことが大事です。まだ就職活動を続けているのか?入社に迷いがないか?など、内定者の状況を注意深く把握しましょう。

■内定者の負担にならないよう配慮する

たとえば、懇親会などでの金銭的負担や、研修や課題などの時間的な負担が適切なのか配慮する必要があります。新卒採用の場合は、内定者は学生です。学生の本分は学業であることを忘れないように内定者フォローを行いましょう。

■内定者フォローの目的を明確にする

内定者フォローは、ただやみくもに実施するのではなく、過去の内定者や自社の傾向に沿って取り組むことが重要です。内定者フォローの必要性を感じているポイントはどこかを振り返り、目的を明確にしましょう

「他社との差別化をはかる」「安心感を与える」「入社への意欲を高める」など、自社が抱える課題に合わせて目的を設定してください。

ただ内定者を満足させるためでなく、入社後の教育を見据えることや、社内の新人教育の意識向上など、広い視点をもつことも大事です。

具体的な方法

内定者フォローには一体どのようなものがあるのでしょうか。いくつか取り組みをご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

■内定者懇親会

内定者同士の親睦を深めるためのイベントです。食事会をしたり、グループワークをしたりなど、企業によってさまざまな手法で実施しています。

■社内見学

実際に働く現場を見てもらうことは、働くイメージを持つことができるので、効果が高い取り組みです。

■SNSの活用

内定者同士のつながりや人事担当者とのコミュニケーションの活性化をしたい場合は、SNSの活用が効果的です。

■内定者アルバイト

内定者を入社までの間アルバイトとして採用する方法もあります。会社への帰属意識が高まりますが、アルバイトできる学生とそうでない学生との差が出るので配慮が必要です。

内定者フォローを推進すると、人事担当者の負担が増えるのではないかと心配な方も多いと思います。多くの内定者と定期的にコミュニケーションを取る必要があるので、一括管理できるツールがあると便利です。

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内定者とのやり取りもスムーズに行うことができるので、連絡漏れなどの心配はありません。

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まとめ

内定者フォローは、「この会社に決めて良かった」「この人材を採用して良かった」とお互いが納得感を積み重ねていくことが大切です。

この記事を参考に、内定者の立場に立った丁寧な内定者フォローで、優秀な人材の獲得、定着につなげてください。

 

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