
刺さる!採用キャッチコピーの作り方と人気企業の事例12選
企業の採用サイトは、新卒・中途どちらの採用過程においても、企業の顔として重要な役割をもっています。
サイトを見たとき最初に目につくのは、キャッチコピーです。キャッチコピーを上手に活用し、多くの応募者を集めるためには、どのようなことを理解しておくと良いのでしょうか。
この記事の目次
採用キャッチコピーの目的
近年、売り手市場が加速しており、キャッチコピーの重要性が以前にも増して注目されています。そんななか、キャッチコピーがなぜ必要なのでしょうか。
記憶に残りやすくなるため
電車の中や街中で何気なく見かけたキャッチコピーが、後になっても長く印象に残っている経験はありませんか。キャッチコピーは、企業の第一印象を決めるため、少しでも記憶に残るようなフレーズが使われています。
就職活動において、企業から提供される情報量は以前に比べて格段に増しています。求職者たちは、ホームぺージだけでなく、各種SNSを通じて企業の情報を得ているのです。
さらに、新卒採用の場合、採用活動の開始時期が早まっていることもあり、活動期間が長期化することも増えています。そんななか、一つひとつの企業の印象が薄れてしまうのも、仕方のないことかも知れません。
そこで、キャッチコピーを使うことで企業の特徴を前面に押し出し、幾多の企業の中から思い出しやすいようにする役目があるのです。
ミスマッチを防ぐため
キャッチコピーの中に、企業が求める人物像や企業の雰囲気を盛り込むと、企業に対するイメージを持ちやすくなります。これにより、求職者が自分に合っている会社であるかどうか判断しやすくなります。
企業へのイメージが曖昧なままだと、たとえ応募が多かったとしても、必ずしも求める人材が来るとは限りません。
あらかじめキャッチコピーで欲しい人材に響くようなキーワードを入れることで、結果的に応募者の質を統一することにつながり、ミスマッチが起きにくくなるのです。
ブランディングになるため
キャッチコピーの中に、企業の風土やビジョン、特徴などが入っていれば、他社との差別化が図れるほか、企業の価値を高めるブランディング効果も期待できます。
ブランディングとは、ほかの企業とは異なる価値を顧客に認識してもらうことを指しますが、これは採用でも同じことがいえます。
自社にしかない魅力や強みをキャッチコピーに込めることで、求職者に対して企業の存在を強く印象づけることができるでしょう。
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魅力的な採用キャッチコピーの作成手順
キャッチコピーの重要性が分かったところで、効果が得られるキャッチコピーの作成手順はどのように進めていくと良いのか、詳しく解説します。
1:欲しい人材を明確にする
まず、ペルソナとして欲しい人材を明確にします。
ペルソナとは、ターゲットよりも詳細な設定が必要とされるもので、年齢層や性別だけでなく、居住地、家族構成、趣味、能力や考え方、仕事に対する希望、学生生活の過ごし方などを細かく決めていきます。
これにより、求めている人材にぴったり当てはまるキャッチコピーを考えられるのです。
2:1番に伝えたいことを明確にする
ペルソナが決まったら、会社の理念や方針、風土、福利厚生、仕事内容など、一番強く伝えたいことを決めます。
このとき、できるだけ短い文章や単語を選ぶと、キャッチコピーに取り入れやすくなります。
3:求める人材と自社の共通点を見つける
伝えたいことが決まったら、求職者が知りたいこととの共通点を探します。
具体的には、ペルソナとして設定した人材が知りたいと感じていることと、企業が伝えたいこととの間に、共通点があるかどうかを見つけるのです。
共通点があれば、その部分をキャッチコピーのキーワードとなります。
4:共通点をもとにキャッチコピーを作る
キーワードが決まったら、それをもとにしてキャッチコピーを作ります。ここでは、キャッチコピーを作る際におさえておきたいポイントを紹介します。
短い文章で簡潔に
一般的に、人が瞬時に認識できる言葉の長さは、13文字以内だといわれています。キャッチコピーの文字数は特に決まりはありませんが、なるべく長くしないのがポイントです。
使用する言葉も、簡潔で分かりやすいものを選ぶことが大切です。できるだけ、印象に残るような文言を使うよう心がけましょう。
数字を使う
具体的な数字を入れ込むことで、記憶に残りやすくなり、求職者がイメージを持ちやすくなります。例えば、「社員定着率〇%」「残業月〇時間以下」などです。
企業のアピールポイントにもなるため、できるだけ取り入れると効果的です。
会社で働くことによる利点を示す
この会社で働くと、どのようなメリットが得られるのか、求職者は不安に感じるものです。キャッチコピーによって不安が解消できると、求職者の意欲が高まり、前向きに応募を検討できるようになります。
例としては、「未経験者歓迎」「正社員登用制度あり」などがあげられます。
メッセージ性をもたせる
先ほど紹介したペルソナに向けて、メッセージを投げかけるのも効果的です。例をあげると、「君はこの未来をどうしたい?」というような内容です。(あくまで一例であり、実際のキャッチコピーではありません)
これを見た求職者たちにとっては、企業に対して親近感を抱くようになるでしょう。
カタカナやローマ字を使う
ひらがなや漢字だけだと、ほかのキャッチコピーとあまり変わらないと感じることもあります。
そんなときには、カタカナやローマ字を使ったり、本来漢字を使う部分にあえてひらがなを使ったりする手法もあります。この手法を用いることで印象が大きく変わり、インパクトを与えることができるのです。
例をあげると、「スキを仕事に」「MIRAIへ突き進め」などがあります。(あくまで一例であり、実際のキャッチコピーではありません)
句読点を巧みに使う
キャッチコピー作成のポイントは、リズムを意識することです。言葉選びはもちろんですが、句読点の使い方でリズムの良いキャッチコピーになります。
実際の例をあげると、コンビニエンスストアでおなじみのセブンイレブンのキャッチコピー「セブンイレブン、いい気分」が有名です。
適切に句読点を入れ、リズミカルな文章作成を意識してみましょう。
口語的な文章にする
キャッチコピーは、口語的な文章のほうが伝わりやすいといわれています。親しい人から、まるで話しかけられているようなキャッチコピーであれば、人の印象に残りやすくなります。
口語的なキャッチコピーの中でも、疑問文はより効果的といわれています。これは、疑問を投げかけられるとその答えを自然に探そうとする人間の心理をついているからです。
印象に残るキャッチコピーを作成するなら、口語的な文章も検討してみると良いでしょう。
上記の手順を経てキャッチコピーが作れたら、実際に採用活動で活用してみましょう。まずは、求職者が必ず目を通す求人広告に取り入れることがおすすめです。
求人広告の書き方については、以下の資料で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
採用キャッチコピーの注意点
魅力的な採用キャッチコピーのポイントについて解説しましたが、ここからは注意点について紹介します。キャッチコピーのせいで採用希望者が減ってしまわないよう、注意点についてもしっかりと把握しておきましょう。
奇抜さだけでなく自社との親和性を重視する
他社との差別化や独自性は大切ですが、自社の企業理念や事業内容、文化からかけ離れてしまっては意味がありません。
キャッチコピーとは、自社を一言で表したことばです。見た目の奇抜さから、そのときは注目を集めても、後になって採用希望者が自社のリサーチを行った結果、良くないギャップを生み出してしまいかねません。
企業理念や事業内容、文化をしっかりと伝え、自社が求めている人材に刺さるようにキャッチコピーを作成することが大切です。
ブラック企業の印象を与えてしまうワードを避ける
「入社後すぐに月収〇〇円達成」や「書類選考なしで採用強化」など、応募のハードルを下げようとするようなキャッチコピーは、ブラック企業の印象を与えてしまいます。とくに優秀な人材ほど、応募を敬遠するおそれがあるため注意しましょう。
また、求人内容でよく目にする「アットホーム」という言葉ですが、具体性がないだけでなく、会社の魅力がほかにないので「アットホーム」という言葉を使っていると受け取られることもあります。誤った認識を与えないためにも、使用するワードには十分な注意が必要です。
求人広告の書き方については、以下の資料で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
人気企業の魅力的な採用キャッチコピー10選
採用キャッチコピーの作成で悩んでいるときは、人気企業の事例を参考にすることがおすすめです。魅力的なキャッチコピーを作ることのできるセンスは一朝一夕で身に付くものではありませんが、他社の事例を参考にすると基礎的な手法や方向性を学ぶことができます。
この項目では、人気企業10社の採用キャッチコピーの事例を紹介します。
1.株式会社電通
「電通を、つかえ。」
株式会社電通は広告業界トップクラスの業績を誇る巨大企業です。企業の歯車のひとつとして働くのではなく、キャリアアップを目指すための布石として株式会社電通を活用してほしい、という思いがキャッチコピーから伝わってきます。
2.味の素株式会社
「Eat Well, Live Well and Lead Well(よく食べ、よく生き、よく導く。)」
うま味調味料で有名な味の素株式会社は、さまざまなジャンルの飲食業界に貢献しています。一方で自社からも冷凍食品など数多くの商品を開発・発売しており、二重の意味で人々の食生活を支えてくれる企業です。
同社のキャッチコピーも、食べることが生きることの原点であること、よく生きるために食資源など地球資源への課題解決へ導くことが大切だと伝える言葉となっています。
3.オリックス株式会社
「ほかにはないアンサーを。」
大手総合リース企業であるオリックス株式会社は、不動産や銀行、球団運営など、多角的に事業を展開しています。あらゆる業界で企業名を轟かせている理由のひとつは、革新的な着眼点と行動力です。上記のキャッチコピーからは、新卒採用においても、個性的なほかにはないアンサーを出せる人材を求めていることが分かります。
4.株式会社サイバーエージェント
「21世紀を代表する会社を創る」
株式会社サイバーエージェントは業界上位に入る広告会社のひとつであり、同時にゲーム事業やその他メディア事業でも活躍している企業です。インターネット上で視聴できるテレビ・ビデオエンターテイメントサービスではオリジナル番組を作成し、エンターテイメント業界の発展に貢献しています。
また、小学生向けプログラミング教室の開催など若者の育成にも力を入れており、新卒採用においても未来を見据えた活動に参加してくれる人材を求めています。
5.全日本空輸株式会社(ANA)
「チームワークが支えになる。だから誰もがチャレンジできる。」
日本の二大航空会社のひとつ、全日本空輸株式会社(ANA)が掲げるキャッチコピーは、チームワークとチャレンジへの前向きな気持ちです。チームワークは安全性を確保するための重要な基盤であると同時に、全日本空輸株式会社(ANA)においては仲間のチャレンジを支える力となっていることが分かります。
6.アサヒビール株式会社
「世界中で「うまい!」を創ろう!」
アサヒビール株式会社は、ビールをはじめとした多種多様な商品を世に送り出す飲料品メーカーです。シンプルながらすべての人を笑顔にする「うまい!」という言葉をキーワードに、世界中で活躍したいと考える人材へアプローチしています。
7.東京海上日動火災保険株式会社
「世界中に、使命がある。」
東京海上日動火災保険株式会社は、日本初の自動車保険サービスを提供したり、貨物保険や船舶保険を提供したりと、個人・法人問わず多くの「安心」を支えてきた企業です。「万が一」のリスクに躊躇することなくチャレンジできる保険の仕組みが、世界中で活躍する人々の支えとなっていることに誇りと使命感を持っていることが伝わってきます。
8.株式会社ディー・エヌ・エー
「BE A CHANGE AGENT(うねりを創る主体者であれ)」
株式会社ディー・エヌ・エーはモバイルゲーム事業を主としつつ、球団運営やSNSなど幅広い事業を展開しています。いずれの事業においても重要視されるのが、自分自身の発想を周囲の存在に流されることなく貫くことのできる主体性です。新しい発想・発信の中心的存在となる人材が求められています。
9.株式会社資生堂
「THE MOST BEAUTIFUL JOURNEY BEGINS HERE.」
世界各地で化粧品メーカーとしての地位を確立しているのが、株式会社資生堂です。キャッチコピーにも美を通じて新たな価値を発信し、より豊かな世界を目指す気持ちが込められています。美を極める商品・サービスを通して、世界へ積極的に貢献したい人材を求めていることが伝わるキャッチコピーです。
10.株式会社USEN
「“ツナグ” 過去と未来 人とビジネス 人と人」
株式会社USENは、全国各地に拠点を置き、小売店や飲食店向けの音楽配信サービスの他、IoTプラットフォーム事業や決済代行サービスなど多角的に会社経営や店舗運営をサポートしている企業です。こまめに顧客へのサポートを行っている株式会社USENらしく、キャッチコピーも多種多様なものを「ツナグ」ことを重視した内容となっています。
11.トゥモローゲート株式会社
「ようこそ、ブラックな企業へ」
トゥモローゲート株式会社は、大阪に本社を構える採用ブランディングの会社です。「ブラックな企業」というエッジの効いたキャッチコピーは、なぜブラックな企業なのかと見る人に疑問を抱かせ、強烈な印象を与えます。採用ホームページでは、コーポレートカラーの黒色を反映させ、キャッチコピーとの親和性も図られているのが特徴です。
12.LINE株式会社
「We create “WOW” for the world!」
LINE株式会社は、2011年にチャットアプリであるLINEをリリースしてから、日本をはじめアジア各国を中心に急速な成長を遂げ、さまざまな領域で事業展開をし続けている会社です。「世界中の人と人、人と情報・サービスとの距離を縮める」ことを企業ミッションとし、採用キャッチコピーには、製品やサービスを利用したユーザーの「WOW」という体験を生み出すことが込められています。
採用キャッチコピーの広め方
採用キャッチコピーが決定したら、それをたくさんの人に知ってもらい、会社に興味をもってもらうきっかけを作らなければなりません。ここからは、採用キャッチコピーの広め方を2つ紹介します。
採用サイトや説明会で活用する
求人票だけでなく自社の採用サイトや会社案内パンフレット、説明会のスライドにもキャッチコピーを記載すると、たくさんの人の目に入りやすくなります。
サイトや資料に掲載するときは、フォントや色、角度なども自社のイメージにマッチするようなデザインとして組み込みます。
求職者が何度もキャッチコピーを目にすることにより、強い印象を残せます。実際に、数多くの会社説明会に足を運ぶ人は、印象が強かった企業に応募する傾向が強いようです。
SNSや動画の採用活動にも利用する
採用広報の一環でSNSを実施している会社は、SNS上でも積極的にキャッチコピーを紹介するのが有効です。SNSでの発信は、宣伝費も抑えられるほか、拡散されやすいという特徴も持ち合わせています。
また、採用活動に動画を作成するのもおすすめです。動画なら、テキストよりも多くの情報を視覚的に伝えることができ、社内の雰囲気も伝わりやすいといえます。
動画内でキャッチコピーを紹介すれば、より鮮明に印象を残せるでしょう。
採用キャッチコピーを見直すタイミング
キャッチコピーを作成したら、選考に参加した応募者にアンケート調査を実施し、効果測定を行ってください。効果がないキャッチコピーを使い続けても、採用にはつながりにくいです。
効果が感じられないときは、採用キャッチコピーを見直すタイミングです。
また、企業理念や文化、事業内容が変わったときや、採用したい人物像が変わったときにも、現在のキャッチコピーではズレが生じてしまうため、見直すタイミングといえるでしょう。
アプローチしよう|採用活動に採用キャッチコピーを活かすには
採用活動に、キャッチコピーを最大限に活かすには、自社で採用ページを作成することが必要です。とはいえ、採用担当者の中には、採用ページを作る時間がない、もしくは作っても運用が難しいと考える方もいるでしょう。
そんなときはTalentClip(タレントクリップ)の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
TalentClipは、自社に興味がある求職者を「タレント」とし、効率的にアプローチすることで、採用業務の効率化を図ることができます。
Word感覚で誰でも簡単に採用ページを作ることができるため、いざというときの更新も簡単に行えるのがメリットです。
また、自社求人媒体Workinと自動連携しており、媒体の特性に合わせた求人・採用活動を実施できます。その他、求人サイトIndeedやGoogleしごと検索との連携も可能なので、潜在層から顕在層といった幅広い求人層にアプローチすることが可能です。
新時代の採用活動を進めるために、ぜひTalentClipを活用してみてください。
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まとめ
キャッチコピーをうまく活用することで、企業が求める人材を獲得できる可能性が広がるだけでなく、自社のPRに繋げることもできます。
ここで紹介したポイントをおさえながら、インパクトのあるキャッチコピーをぜひ考案してみてください。
自社に興味を持ってもらうには、キャッチコピーだけでなく、求職者に「刺さる」求人募集の出し方を工夫する必要があります。「求人が来ない」とお悩みの方は、こちらの記事もご覧ください。